労働の変貌
Japan's Recession Hits 'Temps' - ウォールストリート・ジャーナル紙が日本の期間労働者の雇い止め問題を取り上げています。いすゞの派遣労働者が解雇通知は無効だと裁判所に申し立てていることなどを報じるほか、1988年には18%だった短期雇用が1998年には24%に、そして現在では35%にも上っていることを伝えています。「最近の野蛮な日本経済の言い回しでは、彼は『使い捨てのできる』労働者だ」「規制緩和によって増大した派遣労働者層は二流市民のように扱われていると語る」など、ぐさりと来るような表現もあります。
ふと思い立って、記事にあった非正規労働者の比率のグラフに、労働組合の組織率のグラフを重ねてみました。データは非正規雇用の数字が総務省統計局の労働力調査長期時系列データのページから、組合組織率の数字が独立行政法人労働政策研究・研修機構の労働統計データ検索システムからです。どちらも10%台から30%台の数字なので、きれいに重なります。
組合は、正規雇用から外れてしまった人をまるまる取りこぼしてしまった、という感じでしょうか。組合にもいろいろあると思いますが、非正規の人は入れない組合が多いなら、組織率が低下するのは当たり前のように見えます。非正規の人も入れる組合が多いなら、入るメリットをどれだけ訴えることができたかということになるのでしょうね。いずれにせよ、上のグラフの2本の線は無関連の事象ではないようです。
2008年 12月 6日 午前 12:00 | Permalink | この月のアーカイブへ
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コメント
正規労働はいまこそ休暇をとれ
派遣・請負その言い方にも制度にも労働者の責任はない。
派遣法の恣意的な改悪が推し進められた結果がまさに
「二流市民」のような明らかな憲法違反の状況を生んでい
る。
組織労働者は、彼らが職場から去った後も依然長時間労
働か ら解放されないはずだ。その非人間的な労働環境を
是正する「要求」も掲げて、休暇を週単位で取得して職場の
就業シフトに派遣・請負の労働者の労働機会・就業時間枠を
確保する行動に立ち上がってほしい。
自分達の「人間らしい生活を取り戻す」ためにも。
正規労働者はいまこそ休暇をとれ。
投稿: ハンフリー | 2008/12/10 19:36:54