青空文庫はいいね!
青空文庫に新たに収録された作品の情報を Facebook に自動的に投稿する実験を始めました。
https://www.facebook.com/aozorabunko.shinchakujoho というページに、日本時間で午前4時ごろになると思いますが、その日に公開された作品の著者、作品名、冒頭の抜粋、そして図書カードへのリンクが表示されます。このページは Facebook を利用していない人でも見ることができると思いますが、自分のアカウントにログインした状態でこのページを「いいね!」しておくと、友人たちの近況報告に混じって、タイムラインに青空文庫の作品が並ぶと思います。
もしかすると、私が知らないだけで、ほかにどなたかが既にやっていることなのかもしれません。また、私はあまり Facebook のことに詳しくないので、質問や要望をいただいても、なかなか対応できないと思います。すみません。
手持ちの情報(下記のRSS)+外部の仕組み(Hootsuite というサービス)の利用で作ったので、私自身、表示のされかたなどにいささか不満があるのですが、まあ、動いているし、いいか、と思っています。フィードからFacebookへ投稿する仕組みは、いくつか試してみたのですが、一つひとつ挙動が異なり、戸惑うばかりです。
見栄えの問題だけではなく、作品の中には差別的な語句が使われているものもあり(青空文庫では、各作品の図書カードにその旨を記載した上で公開しています)、作品冒頭からそういう言葉が出てきた場合、本文抜粋の中にそのまま表示されてしまうのは問題だと思っています。やっぱりこれは望ましくないなあ。ふだんから人を蔑んだり罵倒したりする人は何も違和感を感じないのでしょうけれど、できるだけそういう人とのお付き合いをご遠慮申し上げてきた者としては、突然、自分のタイムラインで忌まわしい単語を見せられると、とても悲しくなります。
私、いちいちサイトを見に行かなくても、身近な生活の中に自然に青空文庫が入ってくるような世界を夢見て、新規公開作品の情報配信には、わりと長く取り組んできました。今回のものを含め、以下の形態で運営しています。
- RSSによる配信(2004年から)
- ツイッター(@aozoranow)による配信(2011年から)
- メールによる配信(いつからだったか忘れました)
- Facebook による配信(イマココ!)
本当のことを言うと、今、青空文庫に必要なのは、こうやって利用の間口を広げることではなくて、入力や校正に伴う連絡やファイルのやり取りとか毎日の公開に向けた準備作業に携わることなのだと思います。活動に関わったことのある人ならご存知だと思いますが、これらの膨大な作業をごく少数の献身的な人たちが担っています。本当に頭が下がる思いです。
富田倫生さんが亡くなった時、私ももっと活動に関わろうと心の中で約束したのですが、恥ずかしいことに私はそれを果たせていません。思い起こすと、生前の富田さんは、ファイルの変換、旧漢字ファイルの校正支援、校正前後の差分表示など、実務に使えるプログラムを私が作った時には手放しで喜んでくれたのですが、フィード配信とかはあまり評価してくれませんでした。もっと実務に関わってくれればいいのに、と思っていたのでしょう。
というわけで、罪滅ぼしのために、現在、以前作った校正支援ツール(バグがあります)の改訂と、事務方がファイルを受け取った際に行なう点検(いわゆる「青空文庫形式」の書式の整合性とか、機種依存文字の混在とか)の自動化ツールの作成に取り組んでいます。文字コード(符号化)の深淵をのぞき込んで、立ちすくんでいます…
2015年 1月 29日 午後 01:35 | Permalink | この月のアーカイブへ
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» 第十二回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト 第4分野 最優秀賞 「永遠にゼロ」 トラックバック 政治Ⅱ
高校2年生の方のエッセイです。
素晴らしいです。転載します。是非読んでみて下さい。
今の社会情勢を考えると、審査員の方々にも敬意を表したいです。
第十二回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト
第4分野 社会の中の「どうして?」
最優秀賞 「永遠にゼロ」
多くが「感動した」と言う。私はすっきりしない。本のタイトルは『永遠の0』。
「急降下の直前、三人の搭乗員は私...... 続きを読む
受信: 2015/02/26 10:22:16
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