セルマから50年
米国南部のアラバマ州セルマで行なわれた「血の日曜日」50周年記念式典の中継を見ました。1965年3月7日のセルマ。アフリカ系市民の投票権確立を求めて行なわれた公民権運動の一つの里程標です。
行進の行なわれた橋のたもとで開かれた式典では、ちょうどその年に生まれたアラバマ初の黒人女性議員 Terri Sewell さん、自らもその日に橋を行進したジョージア州選出議員の John Lewis さん、そしてオバマ大統領が話しました。公民権運動という反体制運動が社会をよい方向へ変えたこと。その努力は、近年のアラブの春やウクライナのユーロ・マイダン運動にまで勇気を与えたこと。そして、差別や偏見との闘いは、依然として道半ばであることが語られました。「私たちは歴史を大切にするが、過去に戻りたいわけではない」という言葉を聞きました。
私にはアメリカを手放しで賛美するつもりは全くないのですが、私たちの国の状況を振り返った時、その対比には絶望に近いものを感じてしまいます。私たちの周りで急速に高まる、権力に抗う者を冷笑する閉塞感、誇りを護ると称して過去の自分たちの過ちを糊塗しようとする不誠実さ、自分たちと異質な者に対する憎しみや不遜さは、いったいどうしたらよいものでしょうか。
Selma の Edmund Pettus Bridge の写真は Eneas De Troya さんが CC-by で公開しているもの。
2015年 3月 8日 午前 07:28 | Permalink | この月のアーカイブへ
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