フォト
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 『ジュリスト』でカスハラ特集 | トップページ | 欧州におけるセックス労働者の権利運動と労働組合@欧州労研 »

2024年12月29日 (日)

本の要約サービス flier(フライヤー)に拙著『賃金とは何か』登場

Asahishinsho_20241229102101 本の要約サービス flier(フライヤー)に拙著『賃金とは何か』が登場しました。

https://www.flierinc.com/summary/4049

おすすめポイントにはこうあります。

賃金の仕組みについて、どれだけ深く考えたことがあるだろうか。本書『賃金とは何か』は、賃金という私たちの日常に密接するテーマを通じて、日本社会や労働市場の成り立ちを鋭く照らし出す一冊だ。

特に興味深かったのは、日本型雇用システムの本質に切り込んだ分析である。ジョブ型雇用が職務ごとの「値札」を基準に賃金を決定するのに対し、日本では「人」を基準に賃金を設定するメンバーシップ型雇用が採用されてきた。これは勤続年数や年齢といった属性が重視される年功賃金制や定期昇給制度につながり、労働者と企業の長期的な関係を支える基盤となっている。しかし、変化し続ける人口構造や労働市場の課題に直面しているいま、賃金制度が単なる経済的仕組み以上のものであることが浮き彫りになる。

また、賃金制度の歴史的な展開がいかにして日本の賃金制度を特徴づけてきたのか、本書では丁寧に描かれている。その中で、「賃金ベース」の発想が、賃金を抑制する仕組みからベースアップという賃金引き上げのロジックに転じていく流れは、経済状況や労使間の駆け引きが生むダイナミズムを感じさせた。

ただ歴史を追うだけではなく、読者に今後を考えさせる余地を残している点が本書の魅力だ。長期雇用慣行が揺らぎ、非正規雇用の拡大が続く中で、賃金制度はどこへ向かうべきか。賃金の形を問い直すことは日本社会の未来を考えることであるという、静かな訴えを感じた。

労働や雇用について考えるすべての人にとって、自分自身の働き方や賃金観についても再考したいと感じさせる、多くの示唆に富んだ一冊だ。

ちなみに、要約した石渡翔さんは、ほかにもハラリの『サピエンス全史』やアレントの『人間の条件』、オルテガの『大衆の反逆』などを要約しているようです。

Gf7zkova4aa0rzr

« 『ジュリスト』でカスハラ特集 | トップページ | 欧州におけるセックス労働者の権利運動と労働組合@欧州労研 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『ジュリスト』でカスハラ特集 | トップページ | 欧州におけるセックス労働者の権利運動と労働組合@欧州労研 »