坂本貴志『ほんとうの日本経済』
坂本貴志『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること』(講談社現代新書)をお送りいただきました。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000398892
人手が足りない!
個人と企業はどう生きるか?
人口減少経済は一体どこへ向かうのか?
なぜ給料は上がり始めたのか、経済低迷の意外な主因、人件費高騰がインフレを引き起こす、人手不足の最先端をゆく地方の実態、年間労働時間200時間減のワケ、医療・介護が最大の産業になる日、労働参加率は主要国で最高水準に、「失われた30年」からの大転換……
10万部突破ベストセラー『ほんとうの定年後』著者がデータと取材で明らかにする、先が見えない今こそ知りたい「10の大変化」と「8つの未来予測」――。
【目次】
プロローグ――人手不足の先端を走る地方中小企業の実情
第1部 人口減少経済「10の変化」
変化1 人口減少局面に入った日本経済
変化2 生産性は堅調も、経済成長率は低迷
変化3 需要不足から供給制約へ
変化4 正規化が進む若年労働市場
変化5 賃金は上がり始めている
変化6 急速に減少する労働時間
変化7 労働参加率は主要国で最高水準に
変化8 膨張する医療・介護産業
変化9 能力増強のための投資から省人化投資へ
変化10 人件費高騰が引き起こすインフレーション
第2部 機械化と自動化――少ない人手で効率よく生産するために
建設 現場作業の半分はロボットと
運輸 自動運転は幹線輸送から
販売 レジ業務は消失、商品陳列ロボットが普及
接客・調理 デジタル化に伴いセルフサービスが広がる
医療 非臨床業務の代替と専門業務への特化
介護 記録作業から解放し、直接介助に注力する体制を
第3部 人口減少経済「8つの未来予測」
1.人口減少経済でこれから何が起こるのか
2.人口減少局面における社会選択
労働市場の視点から見た日本経済論ですが、第1部が現状の概観であるのに対して、第2部は現場で起こっている機械化、自動化の動きを生々しく伝えていて、大変面白く読めます。
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明石順平さんが言うようにアベノミクスはやはり効果なかったんだなあ、と目次を見て思いました。
だって、低金利にして通貨の供給量を増やしたけど、イノベーションは起こりませんでしたからね。
もっともこれから人口減少が加速すれば省力化のためのイノベーションが起こる可能性は高いですが。
投稿: balthazar | 2024年10月15日 (火) 19時25分
権丈善一慶応義塾大学教授が東洋経済オンラインに人口減少している地方の医療機関でイノベーションが起きつつある、と書いておられます。
https://toyokeizai.net/articles/-/848513
いずれ都市圏にも広がっていくのでしょう。
医療費は増える一方で、医師の労働条件の改善など問題が山積しておりますから。
投稿: balthazar | 2024年12月26日 (木) 07時58分