公共職業安定署??
社労士の大河内満博さんがこんな疑問を呈しておられますが、
国立国会図書館のデジタルコレクションで「公共職業安定署」を検索すると、
56件ほどヒットしますね。ただし、その多くは単純な間違いのようです。
ただ、初めの方の「社会保障制度への勧告 : 米国社会保障制度調査報告書」における「公共職業安定署」は、もとの英文(Public Employment Security Office )を(既に労働省が分離独立した後の)厚生省が訳したもので、このときに法令上の「公共職業安定所」ではなく「公共職業安定署」という字になってしまったのがそもそもの原因のようです。
なぜ厚生省が「署」の字で訳してしまったのかというと、労働省が分離独立する直前の厚生省にあったのは「国民勤労動員署」改め「勤労署」であり、この「勤労署」のイメージを脳裡に残したまま、上記勧告を訳したので、「公共職業安定署」という実在しない官署名になってしまったのではないかと思われます。
« 欧州におけるセックス労働者の権利運動と労働組合@欧州労研 | トップページ | 新年明けましておめでとうございます »
コメント
« 欧州におけるセックス労働者の権利運動と労働組合@欧州労研 | トップページ | 新年明けましておめでとうございます »
気になったので社会保険事務所ならぬ社会保険事務署で国立国会図書館のデジタルコレクションを検索しましたが、明らかに誤記と思われる1件を除き、ヒットしませんでした。
まあ、こちらはずっと旧厚生省でしたし。
しかし、「国民勤労動員署」改め「勤労署」と言うのが現実に存在したと言うのは驚きですね。
投稿: balthazar | 2024年12月30日 (月) 16時13分