世界革命を目指す独裁者
去る21日のエントリで紹介したすき家のゼンショー社長の小川賢太郎氏ですが、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-6e9f.html(「アルバイトは労働者に非ず」は全共闘の発想?)
ネット上にはまだインタビューの後編は載っていませんが、雑誌『日経ビジネス』には「革命家の見果てぬ夢 牛丼に連なる運命」という記事が載っていますので、そちらから興味深いところをご紹介しましょう。
吉野家を辞めて自分の会社を立ち上げたところから、
>「資本は小川賢太郎100%、意思決定も小川賢太郎100%。専制君主制でやる。なぜなら議論している時間はないからだ」
牛丼という武器を手に革命を目指す独裁者が生まれた瞬間だった。
・・・
>小川はゼンショーを設立したとき、創業メンバーにこう語っている。
「俺は民主主義教育を受けてきた人間。東大全共闘の名においても、いつまでも専制君主でやっているわけにはいかない。憲法を定めて立憲君主制にし、いずれ民主主義にする」
一方で小川はこうも言う。
「最初の頃から民主主義的な会社というのは、成長しないと思うんです。やはり強烈なリーダーが、俺が黒と言ったら黒なんだということで、その代わり全責任を負って、失敗したら俺の命もないと」
小川にとって国内での成功は、世界革命への序章に過ぎない。だから民主主義へはまだ移行しない。
世界革命を目指す独裁者!
世界革命がなった暁には、お前たちにも民主主義が与えられるであろう。
だが、革命戦争のまっただ中の今、民主主義を求めるような反革命分子は粛清されなければならない!
まさしく、全共闘の闘う魂は脈々と息づいていたのですね。
そして、歴史は何と無慈悲に繰り返すことでしょうか。
一度目は悲劇として、二度目は・・・、すき家の外部の者にとっては喜劇として、しかし内部の者にとっては再度の悲劇として。
« 道幸哲也『労働組合の変貌と労使関係法』信山社 | トップページ | 関東弁護士会連合会シンポジウム「労働と貧困」 »
コメント
« 道幸哲也『労働組合の変貌と労使関係法』信山社 | トップページ | 関東弁護士会連合会シンポジウム「労働と貧困」 »
リベサヨ、ネオリベの方々は、自分が「正義」「世界を幸福にする理念」とみなした一見崇高な、しかし地に足の着いた現実からは遊離した理念に邁進する一方で、多くの人々がまず配慮する自己の足元にいる人々には無関心、むしろ目的達成のための道具として冷酷に扱える点が共通しているように思います。ただその理念が前者は社会主義国家、非現実的な脱原発、過激な動物愛護運動、後者は新自由主義、過剰に割安なサービス等々、違いがあるだけで。
投稿: dermoscopy | 2012年6月17日 (日) 12時27分