なぞの100万円おじさんって、ホントにいるの?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100807-00000005-yom-soci
大阪市住之江区のラーメン店で先月27日、男性客が「これで子どもたちにラーメンを食べさせて」と100万円を置いて立ち去った。
店は6日まで、1杯650円のラーメン計1540杯を高校生以下の子どもたちに無料で提供。子どもたちは男性客を「100万円おじさん」と呼び、「お礼を言いたい」と似顔絵をもとに探している。
店は「麺(めん)匠味冨久(みふく)住之江本店」。男性客は午後3時頃にラーメンなどを食べて、料金と一緒に新札の束を置いていったという。30歳代で眼鏡をかけていた。
店側は拾得物として住之江署に届けたが、翌28日に電話があり、「子どもに食べさせてやって」と念押し。届け出た拾得物は、落とし主が3か月現れない場合以外には拾った人に戻らないが、中川一郎店長(35)は「暗い話題が多い中、良い話。希望に応えたい」と2日から、店の負担で無料サービスを始めた。
ステルスマーケティングでないのか?
捻くれ者の私は、このニュースを知り、「随分と堂々ステルスマーケティングやってるな?」と感じた。"ステルスマーケティング"とは、Wikiによると、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることとある。消費者を騙す類の"やらせ"とは、基本的に違う。線引きが難しいが、例えば、アルバイトを雇って行列の出来る店を演出するのは"ステルスマーケティング"で、味や価格に嘘偽りが基本的に無く、ただ話題を作るのが目的だから。一方、テレビ取材などで、店内のお客に強引に「美味しい」と言わせるのは"やらせ"。味や品質の正確性を欠くから。その目線で見ると…
準備と手際が、計算されているような気がする…
"なぞのおじさん"の来店が7/27(火)。そのまま100万円は遺失物として警察に届け、7/28(水)に"なぞのおじさん"から「子どもたちにラーメンを食べさせているか?」との電話があり、その5日後の8/2(月)から8/6(金)の5日間のセール。
詳細はテレビ報道からしか知り得ないが、あの「1540杯 高校生以下タダ」の大きな看板を発注・取り付けや、今何杯目かを示すカード(紙)の印刷や内装、それに肝心の材料の仕込みなど、企画立案から実行までの準備と手際が良すぎやしないか。それに、準備期間が5日間ってのが、如何にもビミョーなわけで…
店長は本社の取締役?、本社はアッコさんの店のプロデュース…
話題の麺匠味冨久(めんしょうみふく)住之江本店(地図)は、株式会社未知インターナショナルのチェーン店で、"企業概要"に、中川一郎と言う店長と同姓同名の取締役がいるのがわかる。 また、この会社は、和田アキ子さんのお店『お菜屋&わだ家』のプロデュースでも有名。この辺にマスコミが乗ってくる原因も見え隠れする。
夏休みだからこそ、子ども相手の効果的なPR戦術だ
現金100万円は必要だが、もし仮に想像通りなら、定価1杯650円のラーメン、1,540杯分の原価で、全国的にPRできたことになる。原価率3割として220円でも33万円。しかも、子どもと一緒に来店した親御さんの売上が加わるから、どれだけ費用対効果が大きいかは想像できる。
違法でもなんでもない。バレなきゃ映画化だって…
事実がどうであれ、今のところ全く違法性は無いと思う。警察に嘘の拾得物届を受理させた程度で、誰も損はしていない。むしろ、このままバレずに美談で済めば、"一杯のかけそば"同様に映画化だって目論めるかも(笑)
事実の程は定かではありませんが、これがステルスマーケティングなら、「してやったり」と言ったところでしょう。やはり、やったもん勝ちです。少し前なら「やらせか!」と怒号が飛び交いそうですが、今や「そんなに目くじらを立てなさんな」と言う世の中の空気を感じます。それに、意外と世間が、"なぞのおじさん"に好意的なのも時代なのでしょうか。偏屈な私は、「こんな上手い話が転がってるはずは無い」としか思えませんが(笑)
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