中国・上海市中心部の繁華街、南京東路にある中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)の旗艦店。クリスマス商戦でにぎわう2024年12月中旬に店舗を訪れると、多くの来店者が最新のスマートフォンを試していた。

 4日に発売した旗艦スマホ「Mate 70」シリーズだ。最大の特徴はOS(基本ソフト)として新たに「ハーモニーOS NEXT」に対応すること。これまでのハーモニーは米グーグルのOS「アンドロイド」をベースに独自開発していたが、新OSは一からつくり上げた。ファーウェイは24年内に新OSの対応アプリの数が5000に達する見込みとしている。現時点では、アンドロイドベースのOSと比較すると新OSは対応アプリの数が限られるため、ユーザー自らが購入後にアップデートする必要がある。

 今回のMate 70シリーズは、新OS対応のスマホ第1弾となる。ファーウェイ自身、販売に力を入れているもようで、店舗内の展示では「ハーモニーOS NEXT」の文字がアピールされていたほか、新OS搭載のスマホを紹介するインフルエンサーの姿もあった。

 旗艦スマホということもあり、販売は上々のようだ。中国メディアの報道によると、発売初週(2~8日)における中国のスマホ販売ランキングでファーウェイは25%のシェアを獲得し、首位になったという。12日にはアラブ首長国連邦でも折り畳み型スマホ「Mate X6」を発表。OSの詳細については触れられなかったが、脱アンドロイドを達成し、米国の規制への懸念を完全に排除したことで、海外再進出を本格化する可能性が高い。

半導体の微細化は進まず

 米国の制裁で窮地に陥っていたスマホで反転攻勢に出るファーウェイ。ただ今回のMate 70シリーズでは、もう1つ注目点があった。半導体チップだ。

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