shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ハードロック・ファンのための B'z名演集

2025-01-12 | B'z

 ヤフーニュースの下に表示される “タイムライン” 欄には AIがユーザーの興味関心に沿って選んだコンテンツが掲載されるらしいのだが、それまで大谷ドジャーズと F1関連のニュースばかりだったものが、大晦日以降は B'zの記事だらけになってしまった(笑) ファンとしてはまぁ嬉しいことなのだが、その内容はと言うと、NHKサプライズ演出の裏側だとか、「ultra soul」の掛け声 “ハイ” or “ヘイ” 問題だとか、どれもこれもしょうもないゴシップ記事ばかりで肝心かなめの音楽に言及したものがほとんどないのが残念だ。私は 70's 80'sのハードロックに拘り続ける彼らの音楽性が大好きで30年間ファンをやっているので、このブログで B'zのロック魂が炸裂している名演をいくつかピックアップしてみることにした。

①BAD COMMUNICATION 000-18(1995)
 B'zがブレイクするきっかけとなった名曲「BAD COMMUNICATION」はシングル曲ではなくミニ・アルバムのタイトル曲で、1989年当時の流行(←バナナラマとかカイリー・ミノーグとかのストック・エイトキン・ウォーターマン系)を反映したロック・ダンスビート・ナンバーだったが、その6年後、今度は打ち込みのデジタル・ビートを完全排除してアコギの高速ストロークでネチこいリズムを刻み、まるでトム・ジョンストン在籍時の全盛期ドゥービー・ブラザーズを想わせるようなグルーヴィーなロック・チューンにリメイクしてアルバム「LOOSE」に収録。縦横無尽にロックする稲葉さんのハイ・テンションなヴォーカルに絶妙なタイミングで絡みつくブルース・ハープがノリノリのグルーヴ感に拍車をかけている。尚、タイトルの 000-18 というのはこの曲で松本さんが弾いているアコギ「マーティン000-18」から取ったものだ。

②F・E・A・R(1999)
 私は B'zファン歴30年だが F1歴はそれより更に長くて、セナがチャンピオンを獲った1988年鈴鹿のレースを真夜中に偶然テレビで観てそのカッコ良さに痺れて以来37年間見続けてきたガチのファンである。B'zのロックも F1レースもその圧倒的なパフォーマンスが生み出す高揚感が私を虜にしているのだが、そんな私が狂喜したのが1999年から2年間 F1中継のテーマ曲にこの「F・E・A・R」が使われたことだった。アルバム「Brotherhood」の1曲目に収められたこの曲はキレッキレのギターとマシンガンのようなヴォーカルが絡み合いながらバンドが一体となって疾走する超強力なハードロック・ナンバーで、ガンズやスキッド・ロウにも通じるアグレッシヴなロック魂を感じさせる。これこそまさに B'zの真骨頂!と言えるキラー・チューンだ。
B'z 「F・E・A・R」 LIVE-GYM '99 -EXTRA-


③儚いダイアモンド(2003)
 B'zは90年代半ばから「LOOSE」(1995) 「SURVIVE」(1997) 「Brotherhood」(1999)とどんどんハードロック色を強めていき、ロック好きの私は大喜びしていたのだが、21世紀に入ると「ELEVEN」(2000) 「GREEN」(2002)とややポップなアルバムが続いたこともあって、“悪くはないけど、出来ればもっとロックなアルバムが聴きたかったなぁ...” と少々欲求不満な部分があった。しかし2003年に出た「BIG MACHINE」はそんな私の不満を吹き飛ばすように打ち込み音や管弦楽器の類を極力排したシンプルなバンド・サウンド中心のアルバムになっていて “ロックンロール命” の私は大満足... そんな中でも私が特に気に入ったのがこの「儚いダイアモンド」だ。アグレッシヴにガンガン攻めまくるギター、躍動感に満ちたドラムス、切れ味鋭いヴォーカルと、どこを切っても文句なしのカッコ良さ。“キャッチーなメロディーでギンギンにロックする” という高難度なことをサラッとやってのけてしまうから B'zは凄いのだ。
【B'z】儚いダイヤモンド-BANZAI IN NORTH AMERICA-


④FRICTION(2007)
 この曲との出会いは2007年にリリースされたシングル「SUPER LOVE SONG」の 3rd beat(←B面みたいなもの)としてで、初めて聴いた時から A面曲よりもこっちの方が断然気にっていた。この曲は元々「バーンアウト・ドミネーター」というカーアクション・ゲームのために書かれたアッパーなハードロック・チューンで、上記シングルの B面に採用された後、アルバム「ACTION」にギター・フレーズが異なる別ヴァージョンが収録されている。この曲は何と言っても猛烈な勢いでギンギンに突っ走るところが一番の魅力で、歌詞が全て英語ということもあってどんどん加速していくようなスピード感を存分に味わえるのがロック好きにはたまらない。尚、“Shouting out my name~♪” のラインが “シャリがウマいねぇ~♪” に聞こえてしまうソラミミ曲としてもファンの間では有名だ。
B'z - Friction


⑤Epic Day(2015)
 ハードロック・ファンならこの曲を一聴してすぐにディープ・パープルの「Burn」が思い浮かぶのではないか。イントロのギター・リフ、畳み掛けるような勢いでに疾走するヴォーカル、そして様式美とも言えるギターとオルガンのソロ・リレーと、聞きようによってはパープルよりもパープルらしい(?)1曲だ。アンチの連中はここぞとばかりにパクリだ!と言うだろうが、松本さん自身がインタビューで “パープルやレインボーを意識して作った” と語っていることからもわかるように、これは “リスペクトに溢れた遊び心” 以外の何物でもない。そもそもパクリというのはバレないようにこっそりと盗用することであって、インタビューで堂々と公表して、しかも “わざと” 似せて作るわけがないのは少し考えれば誰にでもわかることだ。全盛期パープルの “あの音” を21世紀の今、リアルタイムで聴きたいと願うロックファンは私だけではないと思うが、パープルが作り上げた “型” に現代的センスを融合させて応えてくれたのが B'zのこの曲であり、的外れなパクリ論争に対して “それがどーした ソー・ホワット?” と胸を張れるだけの完成度がここにあるのだ。

⑥SLEEPLESS(2022)
 「Epic Day」がディープ・パープルならこの「SLEEPLESS」はもう一方の雄であるレッド・ゼッペリンへのリスペクトに溢れるオマージュだ。具体的には「Physical Graffiti」の頃の、ハードロックの可能性を極限まで広げたゼップの “拡散美” を21世紀に再現したのがこの曲だ。曲想の根底にあるのは「Kashmir」だろう。空間を切り裂くようなイントロのギターは「Custard Pie」を想わせるし、稲葉さんのシャウトはまるでロバート・プラントが乗り移ったかのようだ。それでいて古さを全く感じさせない “2022年のロック” として屹立しているのが B'zの凄いところ。やっぱり B'zは最高やね(^o^)丿
B'z / SLEEPLESS