よく言われることだがラモーンズの神髄はライヴにある。スタジオ録音ヴァージョンよりも速いテンポで立て続けに演奏される疾走系ロックンロールの波状攻撃は圧巻の一言だ。クラッシュのジョー・ストラマーが「エンド・オブ・ザ・センチュリー」DVDの中で語っていたように1つの曲が終わると間髪を入れずに次の曲が始まるから、聴いている方は息つく暇もなく、聴感上のスピード感に更に拍車がかかるという案配だ。
彼らはオフィシャルなライヴ盤を何枚かリリースしている。具体的に言うと、デビューして間もない頃の野放図なエネルギー放射を音盤に刻み込んだロンドン・レインボー・シアターでのライヴ「イッツ・アライヴ」(1977)、CJ 加入直後のスペイン・バルセロナでのコンサートの模様を収めた「ロコ・ライヴ」(1991)、サヨナラ・ツアーのハイライトとも言うべき地元ニューヨーク公演のダイジェスト版「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」(1996)、そしてロスのザ・パレスで行われた正真正銘のラスト・ライヴ「ウィーアー・アウタ・ヒア」(1996)の4枚だ。
ジョーイの艶のあるヴォーカルを楽しむなら初期の「イッツ・アライヴ」に限るが、私が愛聴しているのは多分ファンの間で話題に上ることが最も少ないであろうこの「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」なのだ。確かに他の3枚は30曲前後入っていてショー全体をカヴァーしているのに対し、この盤はその約半分の16曲しか入っていない。ボートラのスタジオ録音2曲を除けば時間にしてわずか34分、これではいくら何でもちょっと短すぎるし、せめてあと数曲入っていればなぁとも思うが、それでもやはり4枚のライヴ盤の中ではCDプレイヤーのトレイに乗る回数が圧倒的に多い。
一番の理由は抜群の選曲センスとその配列の妙である。この盤はそのタイトルが示すようにライヴ音源で構成したグレイテスト・ヒッツ、つまりベスト盤的な色彩が濃いが、数多く出ている彼らのライヴ盤、ベスト盤の中でもこのアルバムの曲の並べ方は “これしかない!” という感じで、小気味よいスピードで次々と演奏される2分前後の曲の連続が大きなうねりを生み出しているのだ。ラフでアグレッシヴな音録りも他のライヴ盤よりラモーンズらしさが出ているように思えるし、何よりも彼らのライヴ・アルバムの中で一番最初に買った(←大好きな「スパイダーマン」が入ってたもんで...)ということもあって、その演奏はもちろん、MC の一語一語までしっかりと覚えてしまっているというのも大きい。音楽は思い入れで聴くものだ。
オープニングSEの「夕陽のガンマンのテーマ」から①「デュランゴ'95」を経てジョーイの “Yeah... here we are, home sweet home New York City. This goes out to all of you. Take it, CJ!!!” という MC に被さるように CJ の “1-2-3-4” カウントが炸裂、一気に②「ブリッツクリーグ・バップ」へとなだれ込む一連の流れがめちゃくちゃカッコ良い。しかもこの②から立て続けに③「ドゥー・ユー・リメンバー・ロックンロール・レイディオ」、④「アイ・ウォナ・ビー・セデイテッド」、⑤「スパイダーマン」、⑥「アイ・ドント・ウォナ・グロウ・アップ」、⑦「シーナ・イズ・ア・パンクロッカー」、⑧「ロッカウェイ・ビーチ」と、目も眩まんばかりのスピードで演奏される名曲名演のアメアラレ攻撃が凄まじい(≧▽≦) ジョーイのドスの効いたヴォーカルで聴くラウドでキャッチーでノリノリのハイスピード・ロックンロール... これ以上何が望めるというのだろう?
ここからは CJ がヴォーカルを取る⑨「ストレンクス・トゥ・エンデュア」、⑩「クリーティン・ファミリー」の2曲が続く。「サイコ・セラピー」の二番煎じみたいな⑩も面白いが、90年代のラモーンズ・スタイルとでも言うべき⑨が何と言っても聞き物だ。そして再びジョーイが登場、 “Hey, are you ready... to DANCE?” からいきなり⑪「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」を歌い出すカッコ良さ!ホンマにシビレますわ。そして⑫「ウィーアー・ア・ハッピー・ファミリー」、⑬「ザ・クラッシャー」とオーディエンスを煽りまくり、1st アルバムに入ってたラアモーンズ・クラシック⑭「53rd & 3rd」、⑮「ビート・オン・ザ・ブラット」へと続く流れも完璧だ。この⑮のスタジオ録音ヴァージョンは空耳で “beat on the brat♪” が “ヴィトンのブランド♪” と聞こえていたのだが、ここでは “ヴィトンのバッグ♪” に聞こえるぐらい高速化されている。
ジョーイの “Now, you don't know this, but beneath this building lies the pet sematary!” という MC(←初めて聴いた時 “へぇ~凄い偶然もあるモンやなぁ...” と感心していた私は実におめでたい... 因みに下の YouTube 映像のように他所では beneath your feet って言うことが多いですね)がイントロの一部と化した⑯「ペット・セメタリー」もスタジオ・ヴァージョンを遙かに凌ぐ説得力でグイグイ迫ってくる。やっぱり彼らは最高のライヴ・バンドだ。尚、原題の「Pet Sematary」とは “ペットのお墓” という意味だが正しい綴りは cemetery。「セマタリー」と「セメタリー」を間違えたワケじゃないので責めたりしないで下さいね(笑)
RAMONES - Sheena Is A Punk Rocker - LIVE 03.16.1996
Ramones - Rockaway Beach & Strength to Endure
The Ramones - Pet Sematary The Last Show 1996
Ramones - Beat on the brat Live at The Palace (last concert)
彼らはオフィシャルなライヴ盤を何枚かリリースしている。具体的に言うと、デビューして間もない頃の野放図なエネルギー放射を音盤に刻み込んだロンドン・レインボー・シアターでのライヴ「イッツ・アライヴ」(1977)、CJ 加入直後のスペイン・バルセロナでのコンサートの模様を収めた「ロコ・ライヴ」(1991)、サヨナラ・ツアーのハイライトとも言うべき地元ニューヨーク公演のダイジェスト版「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」(1996)、そしてロスのザ・パレスで行われた正真正銘のラスト・ライヴ「ウィーアー・アウタ・ヒア」(1996)の4枚だ。
ジョーイの艶のあるヴォーカルを楽しむなら初期の「イッツ・アライヴ」に限るが、私が愛聴しているのは多分ファンの間で話題に上ることが最も少ないであろうこの「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」なのだ。確かに他の3枚は30曲前後入っていてショー全体をカヴァーしているのに対し、この盤はその約半分の16曲しか入っていない。ボートラのスタジオ録音2曲を除けば時間にしてわずか34分、これではいくら何でもちょっと短すぎるし、せめてあと数曲入っていればなぁとも思うが、それでもやはり4枚のライヴ盤の中ではCDプレイヤーのトレイに乗る回数が圧倒的に多い。
一番の理由は抜群の選曲センスとその配列の妙である。この盤はそのタイトルが示すようにライヴ音源で構成したグレイテスト・ヒッツ、つまりベスト盤的な色彩が濃いが、数多く出ている彼らのライヴ盤、ベスト盤の中でもこのアルバムの曲の並べ方は “これしかない!” という感じで、小気味よいスピードで次々と演奏される2分前後の曲の連続が大きなうねりを生み出しているのだ。ラフでアグレッシヴな音録りも他のライヴ盤よりラモーンズらしさが出ているように思えるし、何よりも彼らのライヴ・アルバムの中で一番最初に買った(←大好きな「スパイダーマン」が入ってたもんで...)ということもあって、その演奏はもちろん、MC の一語一語までしっかりと覚えてしまっているというのも大きい。音楽は思い入れで聴くものだ。
オープニングSEの「夕陽のガンマンのテーマ」から①「デュランゴ'95」を経てジョーイの “Yeah... here we are, home sweet home New York City. This goes out to all of you. Take it, CJ!!!” という MC に被さるように CJ の “1-2-3-4” カウントが炸裂、一気に②「ブリッツクリーグ・バップ」へとなだれ込む一連の流れがめちゃくちゃカッコ良い。しかもこの②から立て続けに③「ドゥー・ユー・リメンバー・ロックンロール・レイディオ」、④「アイ・ウォナ・ビー・セデイテッド」、⑤「スパイダーマン」、⑥「アイ・ドント・ウォナ・グロウ・アップ」、⑦「シーナ・イズ・ア・パンクロッカー」、⑧「ロッカウェイ・ビーチ」と、目も眩まんばかりのスピードで演奏される名曲名演のアメアラレ攻撃が凄まじい(≧▽≦) ジョーイのドスの効いたヴォーカルで聴くラウドでキャッチーでノリノリのハイスピード・ロックンロール... これ以上何が望めるというのだろう?
ここからは CJ がヴォーカルを取る⑨「ストレンクス・トゥ・エンデュア」、⑩「クリーティン・ファミリー」の2曲が続く。「サイコ・セラピー」の二番煎じみたいな⑩も面白いが、90年代のラモーンズ・スタイルとでも言うべき⑨が何と言っても聞き物だ。そして再びジョーイが登場、 “Hey, are you ready... to DANCE?” からいきなり⑪「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」を歌い出すカッコ良さ!ホンマにシビレますわ。そして⑫「ウィーアー・ア・ハッピー・ファミリー」、⑬「ザ・クラッシャー」とオーディエンスを煽りまくり、1st アルバムに入ってたラアモーンズ・クラシック⑭「53rd & 3rd」、⑮「ビート・オン・ザ・ブラット」へと続く流れも完璧だ。この⑮のスタジオ録音ヴァージョンは空耳で “beat on the brat♪” が “ヴィトンのブランド♪” と聞こえていたのだが、ここでは “ヴィトンのバッグ♪” に聞こえるぐらい高速化されている。
ジョーイの “Now, you don't know this, but beneath this building lies the pet sematary!” という MC(←初めて聴いた時 “へぇ~凄い偶然もあるモンやなぁ...” と感心していた私は実におめでたい... 因みに下の YouTube 映像のように他所では beneath your feet って言うことが多いですね)がイントロの一部と化した⑯「ペット・セメタリー」もスタジオ・ヴァージョンを遙かに凌ぐ説得力でグイグイ迫ってくる。やっぱり彼らは最高のライヴ・バンドだ。尚、原題の「Pet Sematary」とは “ペットのお墓” という意味だが正しい綴りは cemetery。「セマタリー」と「セメタリー」を間違えたワケじゃないので責めたりしないで下さいね(笑)
RAMONES - Sheena Is A Punk Rocker - LIVE 03.16.1996
Ramones - Rockaway Beach & Strength to Endure
The Ramones - Pet Sematary The Last Show 1996
Ramones - Beat on the brat Live at The Palace (last concert)