私はザ・フーは大好きだがロック・オペラはどうも苦手である。「ア・クイック・ワン」や「ラエル」のように1曲だけならまだいいが、1枚丸ごとオペラ形式のコンセプト・アルバムとなると正直しんどい。だからアメリカで大ヒットしたアルバム「トミー」は一応CDで持ってはいるものの滅多に聴かない。コンセプト・アルバムというタガがはめられたせいか、私がザ・フーに求める野放図なエネルギーの爆発が希薄なのだ。そもそも何でロックにオペラなどというクラシックもどきの要素を取り入れにゃならんのか理解に苦しむ。私がザ・フーに求めているのは一にも二にも “ロックの初期衝動” であって、 “アタマで考えて精緻に作り込まれた音楽” というのはザ・フーには似合わない。
そういう意味では世評の高いロック・オペラ第2弾アルバム「クアドロフェニア」も私的にはビミョーである。まぁ「トミー」よりは数段マシだが、それでも「フーズ・ネクスト」を聴いた耳にはイマイチ物足りない。もちろん曲単体ではめっちゃ気に入ってるものもあるし、随所に顔を覗かせる演奏技術の高さはさすがザ・フーと言えるものなのだが、アルバムとして考えた場合どうしてもロック・オペラ的な(というか映画のサントラっぽい...)構成がしんどくて、この2枚組を丸ごと通して聴く気にはなれないのだ。1枚に絞り込んで普通のロック・アルバムとして出ていたら愛聴盤になったかもしれないが...(>_<) 結局いつも好きな曲を何曲かだけ “つまみ聴き” しているのが現状だ。
そんな中でも特に「ザ・リアル・ミー」はザ・フー名曲トップ10に入れたいぐらいの愛聴曲。ウネウネと上昇下降を繰り返しながら凄まじいグルーヴを生み出すジョン・エントウィッスルのリード・ベースが圧巻(←これホンマに凄いです...)で、信じられないような手捌きで縦横無尽に暴れ回るキース・ムーンの爆裂ドラムとの絡みがめちゃくちゃスリリング! この曲だけは何としてもアナログの良い音で聴きたいと考えた私は eBay でシングル盤を狙うことにした。
いざ検索してみるとUS盤とフランス盤が5アイテムほど出てきたのだが(← UK ではシングル・カットされてない)、その中に何とステレオとモノラルが片面ずつに入った US盤プロモ・シングルがあった。1973年にモノラルって??? 一般的に言うと、モノラル・ミックスが作られていたのは1969年頃までで、ビートルズでいうと「ホワイト・アルバム」、ストーンズでは「レット・イット・ブリード」あたりまでということになり、それ以降はステレオ・オンリーになっていくのだが、1973年という時期を考えればザ・フーのこのモノ・ミックスにはめちゃくちゃ興味をそそられる。
というのも私が持っているゼッペリンの「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ / コミュニケイション・ブレイクダウン」の USシングルがモノラルで(←ゼップのモノラル・ミックスってめっちゃレア。ブラジル盤とかでは色々ありそうだが...笑)、それがもうエゲツナイぐらいのド迫力サウンドだったからだ。ゴリゴリ度ではゼップに引けを取らないザ・フーのこと、しかもこの「ザ・リアル・ミー」もバリバリの疾走系ロック・チューンなので、是非ともモノラルのガツン!とくるサウンドで聴いてみたい。幸いなことに BUY IT NOW で $9.75 だったので即ゲット、送料を入れても1,200円という超お買い得価格である。
それからちょうど1週間ほどしてアメリカからブツが届いた。ワクワクしながらオルトフォンのモノ針を落とす。このモノ・ミックスはプロモ盤オンリーで通常盤には入っていないレア音源なのだが、耳に馴染んだ CD ヴァージョンよりもヴォーカルが前面にグイグイ出てくる感じ。ジョンの超絶ベース・プレイをクリアな音で楽しむならステレオに限るが、スピーカーから迸り出るエネルギーの奔流を味わうなら断然このモノ・ヴァージョンだろう。しかも “Can you see the real me me me me...” とヴォーカルをリピートしながらスパッと断ち切るように終わるアルバム・ヴァージョンとも普通に演奏が終わるサントラ盤ヴァージョンともエンディングの処理の仕方が違っていて、こちらは演奏がフェード・アウトしていく。コース料理ではその食事全体の印象は最後に出てくるデザートの一皿で決まると言われるが、曲のエンディングもほんのちょっとした違いで全体の印象が変わるから面白い。私の場合、このようにミックス違いで楽しませてくれるのはビートルズとザ・フーぐらいだ。
せっかくなので YouTube にアップして聴き比べてもらおうと思ったのだが、心の広い UMG さん(笑)の妨害で動画がブロックされてしまい断念。しゃあないので趣向を変えて1996年ハイド・パークでのリユニオン・ライヴ(←ピートが難聴でアコギ弾いてた時のヤツ)と、トリビュート・バンド(←めっちゃ似ててワロタ...)がこの曲を演ってる動画を貼っときます。
The Who - The Real Me
The WHO -The Real Me w/bass WCSX by LIVE THE WHO Tribute
そういう意味では世評の高いロック・オペラ第2弾アルバム「クアドロフェニア」も私的にはビミョーである。まぁ「トミー」よりは数段マシだが、それでも「フーズ・ネクスト」を聴いた耳にはイマイチ物足りない。もちろん曲単体ではめっちゃ気に入ってるものもあるし、随所に顔を覗かせる演奏技術の高さはさすがザ・フーと言えるものなのだが、アルバムとして考えた場合どうしてもロック・オペラ的な(というか映画のサントラっぽい...)構成がしんどくて、この2枚組を丸ごと通して聴く気にはなれないのだ。1枚に絞り込んで普通のロック・アルバムとして出ていたら愛聴盤になったかもしれないが...(>_<) 結局いつも好きな曲を何曲かだけ “つまみ聴き” しているのが現状だ。
そんな中でも特に「ザ・リアル・ミー」はザ・フー名曲トップ10に入れたいぐらいの愛聴曲。ウネウネと上昇下降を繰り返しながら凄まじいグルーヴを生み出すジョン・エントウィッスルのリード・ベースが圧巻(←これホンマに凄いです...)で、信じられないような手捌きで縦横無尽に暴れ回るキース・ムーンの爆裂ドラムとの絡みがめちゃくちゃスリリング! この曲だけは何としてもアナログの良い音で聴きたいと考えた私は eBay でシングル盤を狙うことにした。
いざ検索してみるとUS盤とフランス盤が5アイテムほど出てきたのだが(← UK ではシングル・カットされてない)、その中に何とステレオとモノラルが片面ずつに入った US盤プロモ・シングルがあった。1973年にモノラルって??? 一般的に言うと、モノラル・ミックスが作られていたのは1969年頃までで、ビートルズでいうと「ホワイト・アルバム」、ストーンズでは「レット・イット・ブリード」あたりまでということになり、それ以降はステレオ・オンリーになっていくのだが、1973年という時期を考えればザ・フーのこのモノ・ミックスにはめちゃくちゃ興味をそそられる。
というのも私が持っているゼッペリンの「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ / コミュニケイション・ブレイクダウン」の USシングルがモノラルで(←ゼップのモノラル・ミックスってめっちゃレア。ブラジル盤とかでは色々ありそうだが...笑)、それがもうエゲツナイぐらいのド迫力サウンドだったからだ。ゴリゴリ度ではゼップに引けを取らないザ・フーのこと、しかもこの「ザ・リアル・ミー」もバリバリの疾走系ロック・チューンなので、是非ともモノラルのガツン!とくるサウンドで聴いてみたい。幸いなことに BUY IT NOW で $9.75 だったので即ゲット、送料を入れても1,200円という超お買い得価格である。
それからちょうど1週間ほどしてアメリカからブツが届いた。ワクワクしながらオルトフォンのモノ針を落とす。このモノ・ミックスはプロモ盤オンリーで通常盤には入っていないレア音源なのだが、耳に馴染んだ CD ヴァージョンよりもヴォーカルが前面にグイグイ出てくる感じ。ジョンの超絶ベース・プレイをクリアな音で楽しむならステレオに限るが、スピーカーから迸り出るエネルギーの奔流を味わうなら断然このモノ・ヴァージョンだろう。しかも “Can you see the real me me me me...” とヴォーカルをリピートしながらスパッと断ち切るように終わるアルバム・ヴァージョンとも普通に演奏が終わるサントラ盤ヴァージョンともエンディングの処理の仕方が違っていて、こちらは演奏がフェード・アウトしていく。コース料理ではその食事全体の印象は最後に出てくるデザートの一皿で決まると言われるが、曲のエンディングもほんのちょっとした違いで全体の印象が変わるから面白い。私の場合、このようにミックス違いで楽しませてくれるのはビートルズとザ・フーぐらいだ。
せっかくなので YouTube にアップして聴き比べてもらおうと思ったのだが、心の広い UMG さん(笑)の妨害で動画がブロックされてしまい断念。しゃあないので趣向を変えて1996年ハイド・パークでのリユニオン・ライヴ(←ピートが難聴でアコギ弾いてた時のヤツ)と、トリビュート・バンド(←めっちゃ似ててワロタ...)がこの曲を演ってる動画を貼っときます。
The Who - The Real Me
The WHO -The Real Me w/bass WCSX by LIVE THE WHO Tribute