ひねもすのたのた

とりあえず日常かな

教科書に寺田寅彦を

リアルでしだいに追いつめられてきて、
そうするとなぜか逃避に走りはじめる私…
ゴメンナサイ、やりますやります。

といいつつ、寺田寅彦なんかを手にとってしまったりして。

窓のガラスに結露し、ついには水滴が下へ伝わり落ちる様子を彼は観察し、
その水の樹枝状の流れが合流するパターンは
統計的に示すことができそうだと考える。

そのパターンはどんな条件で変化していくのだろうか、
樹枝状の形にはどんな物理法則が関与していくのだろうか、、と疑問を次々に発していく。

コンペイトウの角がどうやって生まれたのかもまた、彼が興味をよせたもののひとつだ。

こうして考察を重ねていく姿は、ある意味シャーロック・ホームズのよう。
誰もが見ているはずなのにあたりまえのものとして受け止めているものを
科学の言葉で(それも杓子定規にではなく)解き明かそうとする。
ひとつの解答が見えてもそこでやめず、そこで見えてきた次の階段を昇ろうとする。

寺田寅彦は、よく知られているように夏目漱石の弟子でもあり、
『我が輩は猫である』の寒月先生のモデルといわれている。

理科離れといわれるけれど、彼の文章が教科書になれば、もう少し科学に興味が
もちやすいかもしれないのにね、などと思った。
国語でも理科でもいいから。

それとも、どこかでもう使っているのかしらん。だといいのにな。

☆阪神淡路大震災の日。
被災して家を失い、関東に越してきたという老婦人に鎌倉で出会ったことがある。
「それでも生きていたから」
すべての遺族の方、被災者の方がいやされる日が来ますように。
  • [No Tag]

Comment[この記事へのコメント]

形の形成への関心 

  • Ladybird 
  • URL 
  • at 2008.01.18 10:30 
  • [編集]
 寺田の門下には雪の結晶を研究した中谷宇吉郎とか,キリンのまだら模様が水田のひび割れに似ていると言って生物学者に叱られた平田森三とか,いろいろ面白い人がいますね.寺田自身,形や模様ができる仕組みには関心があったのでしょう.「生物の形づくり」研究の先駆をなす着想,と言うと少し誉めすぎかな.

「生物の形づくり」研究の先駆 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.01.18 21:14 
  • [編集]
いやん、寺田寅彦ファンの私としては、
そう言われるとなんかうれしい~(←自分がほめられてるわけじゃないって^^;)

中谷の随筆(岩波少年文庫の…)で、寺田寅彦が
線香花火がどうしてあのような火花を出すのか、という研究を
学生にしつこくしつこくふって、でも誰もやらなくてついに爆発した、
というエピソードがほほえましくて^^

生物のまだら模様とか、縞模様とか、だんだん解き明かされているようですよね。

そうだ、伝記を買おうと思っていたんでした。
原爆開発の問題とかも気になっているし。

NoTitle 

  • 書を守るもの 
  • URL 
  • at 2008.01.20 09:49 
  • [編集]
ある科学史家が「科学とは正しい問いを立てることである。正しい問いを立てれば正しい答えはどこかで得られる。」と言ってまして、寺田寅彦はまさしく正しい問いを立てたと思います。

学校教育で取り上げられているかどうかは知らないのですが(私自身は授業で寺田寅彦の名前を聞いた覚えはありません)、根強い人気はあるかと思います。
こちらのコメント欄で軽く話しを振りましたら、
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20071024/1193215157
ブログ主さんから思いもよらぬレスをいただきました。

正しい問い 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.01.20 22:11 
  • [編集]
書を守るものさん

>寺田寅彦はまさしく正しい問いを立てた
おお、彼にぴったりの言葉ですね。
私も寺田寅彦のものを読むたびにこんなに
ぴったりの言葉ではありませんが、そう感じました。
そして、自然界を“眺める”、のではなく、“見る”ことのできる人だなあ、と。
うまく表現できませんが。

彼が戦後の物理学者であれば、日本でももう少し早い段階で彼の研究を
追及したのかな、と考えることもあります。

リンク先、のぞかせていただきました。
寺田寅彦は複雑系の先駆かなあ、となんとなく思っていましたが、、、
そうですよね、非線形物理(と、ちょっとうれしい)。

ところで、ファインマンはエピソードをいくつか
読んだことしかないんですが、それだけでも魅力を感じる科学者だなあと
思っています。と、おまけ。

火山の名まえの話とか 

はじめまして。

私も、寺田寅彦が大好きです。
立ち止まってゆっくる考える事を忘れているような日が続くと、ふと思い出して拾い読みしたくなります。
その昔「どんぐり」の一部を読んだのは、教科書だったような気がします・・・。
全文を読みたくて図書室で探した、思い出・・・懐かしいなあ。

大好きなえあしゃさんとの共通点を見つけて、(ひょっとして、もうひとつありそう?)きょうは、いい日です。(^^♪

それでは、また。

いらっしゃいませ~ 

  • えあしゃ 
  • URL 
  • at 2008.06.30 22:24 
  • [編集]
油揚げさん

いろいろなところでお会いしていますよね!
今後ともよろしくお願いします。

>ふと思い出して拾い読みしたくなります
私もそうなんです!
自分に余裕がなくなって「あ、まずい」って感じるときに。
火山の名前の話、先日読んだばかりです。
北海道に住むようになってアイヌの地名になじんでから読むと、
以前とはまた違った印象を受けました。

>「どんぐり」の一部を読んだのは、教科書だった
教科書でも使っているんですね^^
文学に関する随想なんかも好きです。

>大好きなえあしゃさんとの共通点を見つけて
…思わず赤くなっちゃいました@@
うわーウレシイです。油揚げさんとはお話したいなあ、って思っていたし。
もうひとつはたぶん「えのさん」ですね^^

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