ひねもすのたのた

とりあえず日常かな

『いちばん長い夜に』

乃南アサの小説を昨日読み終わった。
前科もちの2人の女性の物語でシリーズ3作目の完結編。
たんたんとした日の明け暮れとその中の人間と心の変化が描かれてきた…と思っていた。
(作者本人も、何も起こらない物語の予定だったと後書きに書いていた)

そしたら突然、あの日の話になった。3.11
その表現があまりにリアルなので、
彼女(作者ね)は仙台に住んでいたのかと思った。
うねる道路、くり返す余震、空っぽの警察所…
知らなかったら絶対書けないのでは。

後書きを読んだら、彼女は「その日にかぎって」(中の短編タイトル)
仙台に取材に行ったそうだ。
主人公のはこちゃんの経験は、彼女の経験でもある。
それで文庫発売をこの時期にしたのね…

この本を読んで、ひとりひとりの経験はあまりに異なっていたのに、
その誰もが大きな衝撃を受けたことを改めて思い知らされた。
何もできなかったという思いも。
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