雑草の言葉

脱成長元年

2011/01/05
Sustainability 26
21世紀も10年が過ぎました。一世紀を一区切りとする考え方はあまり馴染みませんが、21世紀がどんな世紀になるか21世紀に入って既に10年経った今考えてみます。
20世紀までの人類の歴史は膨張の歴史と言えましょう。そして20世紀に既に人間活動のフローが持続可能な限界を過ぎてしまいました。ストックが無くくなってきている21世紀はもう膨張を続ける事は出来なくなるでしょう。
つまり21世紀中には、人類の膨張の歴史は終わりを告げる事になりましょう。人類が有史以来初めて経験する、グローバルに縮小する世紀・・縮小の世紀・・と言う事になりましょう。人口も経済も物質消費レベルも・・・縮小する事になりましょう。資源もエネルギーも、もう持続可能なレベルをとっくに超えて、ストックを切り崩している状態ですから、縮小を始めるのは時間の問題です。・・それがいつからか…と言う事は定量的な話になりますから、はっきりは(誰も)わかりませんが、21世紀中と言う事は確実でしょう。・・・早ければ今年から始まるかも知れません・・後の時代から考えれば既に始まっていると言えるのかも知れません。日本など先進国と呼ばれる国々では、既に何年も零成長に近い状態を経験していますし、自由主義経済の市場原理主義にとって掟破りの国の補助や税制の優遇によってやっと見せかけの経済成長を続けている国は日本ばかりではないでしょう。・・少なくとも兆しは十分に現れています。
エネルギー開発とか新しいマテリアルの開発とか言われているものも、元々物質に関して閉じた系と考えられる地球にある資源の消費でしかありません。省エネ、省資源によって多少限界を伸ばせるかも知れませんが、せいぜい数日~数年レベルでしょう。【ただの資源の食い潰し】2010-07-25 【閉じた系】2009-03-09 で論じた通りです。

あとは、縮小の仕方の問題でしょう。・・・・ハードランディングか、ソフトランディングか?この事は【降り方を考える】・~ソフトかハードか~・ で論じました。
ストックまで使い果たして限界になって、突然の制御不可能な衰退を始めれば悲惨な結果になります。・・・現在のところその見通しが高いでしょう・・。しかしその前に人類が意図的に縮小を始めて、持続可能なレベルまでソフトランディング出来れば、持続可能な定常社会を構築出来る事になりましょう。持続可能なフローの限界を超えてここまで来てもまだ無理な成長を考えている現代社会では、完全なソフトランディングは無理でしょう。肥大し過ぎた経済規模と環境負荷により、環境破壊と回復の差し引きが環境回復のレベルまで降りるまでのこれから暫くはさらに環境は悪化します。ハードランディングにならざるを得ないでしょう。逆説のようですが、出来るだけソフトランディングする為には縮小の合意が決まったら急いで急激な縮小をする事が必要でしょう。ここのところは【降り方を考える】・~ソフトかハードか~・ で論じた通りです。上手くハードランディングさせて、墜落を防ぐ事が最重要課題となるからです。

早晩、人類は成長の限界を認め、これからは縮小の時代である事を受け入れる筈です。何故なら、それは極めて理性的な唯一の結論だからです。そして、希望が持てるのは、書物やネットにも脱成長、縮小の大切さを論じるものが確実に増えてきた事です。早く脱成長元年を迎えたいものです。21世紀の最大で最重要な問題は、脱成長が人類社会の崩壊に間に合うかどうかです。脱成長縮小路線は、望むと望まざると、人類社会に必然としてやってくるものですが、出来るだけ早く人類が選択する事を熱望してやみません。脱成長元年が今年ならば大変嬉しい事です・・・と脱成長元年まで言い続けたいと思います。これを持ちまして新年のご挨拶に代えさせて頂きます。
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Comments 26

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でなしNo.146

唯一の結論。

明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

唯一の結論はやはり,「縮小」になると思います。
ソフトでもハードでもどちらにしろ,人類がたどる道は規模の縮小しかないことは明白な事実です。

経済に関しても,調べれば調べるほど砂上の楼閣的な事実があぶりだされ,息も絶え絶えの感がいなめません。

連鎖倒産する寸前を連想させます。(あえて「連鎖倒産」を使わせてもらいました^^)


また今年も石油と食料品が高くなるんだろうな…と予想します。
おそらく、経済成長に疑問を持つ人がさらに増えていきますし、「何かおかしい」と気づける人もどんどん増加するはずです。
非常に楽しみな一年が始まります。

ハードランディングさせなければならないにしても、できるだけソフトにシフトさせたいものです。

2011/01/05 (Wed) 13:04

雑草Z

Re:唯一の結論

    でなしNo.146さん

 こちらこそ今年もどうぞよろしくお願い致します。

>ソフトでもハードでもどちらにしろ,人類がたどる道は規模の縮小しかないことは明白な事実

そうですね。そこの議論無しに「経済成長」を連呼する政治家や財界人達は狂っています。人類を崩壊の方向へひた走らせていますね。そこが「洗脳」「フェティシズム」と呼ぶ由来です。

>経済に関しても,調べれば調べるほど砂上の楼閣的な事実があぶりだされ

経済の専門家ではない人々がその事に十分に気がついても、経済の専門家たちがその事実に気が付かないとは、まさに狂気の経済学者たちと言えましょうね。

>連鎖倒産する寸前を連想

おお、上手い例えですね。細々と持続する事の方が、膨張しようとして倒産するより遥かに賢い選択である・・と言う事をしっかりわきまえるべきですね。

>マスコミはどんな言い訳を使ってくるのだろう。 非常に楽しみな一年が始まります。

マスコミやマスコミに登場する評論家達は、経済成長路線に対する疑問を抱かない時点で論外ですね。正月のテレビやラジオの番組で景気回復を討論しあっている様には呆れます。きっと将来「恥ずかしい映像」と言う事になるでしょう。

2011/01/06 (Thu) 01:03

上々

縮小経済社会の展望

将来、安定的には太陽光エネルギーMAXの定常社会しかないのですが、(宇宙空間の太陽光まで集めてと言うのは無し)そこに至るまでは紆余曲折でしょう。しかし、MAXが決まってしまえばその最大構成人数もおのずと決まって来るし、できることも決まってしまいます。まあかなり閉塞感の強い社会でしょうが、仕方が無いでしょう。

現在の産業社会ですべてが同率に縮小していくことはあり得ず、すぐに止めるべきもの、最後まで残すべきものはあると思います。
今ある産業の中で何を残すか、今の政治にその選択ができるはずもないのですが、市場原理に任せるとだいたい最悪のものが残りそうですので、なんとかそれができる政治にしなければいけないところです。

FAOの統計で、全世界の食品価格が昨年12月は史上最高値を記録したそうです。
だんだんとそこに向かっている。それが判っていれば納得できるのですが。

2011/01/06 (Thu) 12:15

Anthony

明けましておめでとうございます。

今年も勉強させてもらいに、ここに来させてもらいます。


2011/01/06 (Thu) 20:51

ぴのこ

雑草Zさん、あけましておめでとうございますv-237
今年もよろしくお願いしますi-261

年末は、中身のないコメントで失礼しました><。
今回は、コメントさせて下さい~!!

もう限界が来ていることは誰しも感覚的には知っていると思います。でも、洗脳された旧い観念のつまった頭では、それに変わる可能性が見つからず捨象してしまうしかないのだと思います。だから、不安ばかりが募っていく。女が子どもを産まなくなった(産めなくなった)のも、その表れだと思います。

実際に、限界がきた時どうなるのでしょうか?
略奪戦争になるのか?それとも、日本人は縄文体質を色濃く残しているから争いにならず助け合えるのか?

何度想像してみても、イメージが沸きません。。

もちろん、私もすこしでもソフトランディングできるようにと願います。
きっと“縮小したら、もっと充足できそう”というイメージが必要なんでしょうね。
こういう充足イメージを考えるのは楽しいですね^^
大量生産・大量消費の贅沢に変わる可能性☆たくさんありますもんね♪

雑草Zさん、実現させるために発信し続けて下さってありがとうございます♪


ちなみに、私は大阪の自然の摂理ブログメンバーです。
(以前かっし~さんが送ってくれたメッセージカードにも写真を載せていただいています。お花と一緒に写していただいたかと思います。)
本格的に追求をはじめたのはまだ一年目のひよっこi-274でまだまだ勉強不足ですが、本年もよろしくおねがいしますi-267

2011/01/06 (Thu) 21:25

雑草Z

Re:縮小経済社会の展望

    上々さん

>安定的には太陽光エネルギーMAXの定常社会しかない

これ、非常に大切な部分ですね。物質に関しては閉じた系である地球は、エネルギー保存則とエントロピーの法則から出てくるこの結論をしっかり踏まえてエネルギー政策について考えていかなければなりませんね。我々の間では合意出来ているこの結論を考えられない科学者は似非科学者と考えるべきでしょう。似非科学者が蔓延り過ぎです。

>宇宙空間の太陽光まで集めてと言うのは無し

このような事を実行しようとしている科学者が多い事も困ったものです。狂気の沙汰です。

>現在の産業社会ですべてが同率に縮小していくことはあり得ず、すぐに止めるべきもの、最後まで残すべきものはある

そうですね。直ぐに止めるべきものは、縮小と言うよりも即座にストップすべきですが、抵抗も大きいでしょうね。

>市場原理に任せるとだいたい最悪のものが残りそうです

おっしゃる通りです。市場原理主義は「適正」を反映しているのではなく、「エゴ」を反映している部分が大きいでしょうね。

 縮小に関する様々な展望有難う御座います。これからの考察の参考にさせて戴きます。  

2011/01/06 (Thu) 22:05

雑草Z

    Anthonyさん

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

 勉強と言うわけではなくても、興味をもって読んで戴ければ幸いです。・・・ってあんまり面白いとは言えない記事かな?

2011/01/06 (Thu) 22:10

雑草Z

成長の限界

    ぴのこさん

 あけましておめでとうございます。
1つ前の記事【狂気の沙汰】へのコメント返しを受けてのコメント、わざわざ有難う御座います。

>もう限界が来ていることは誰しも感覚的には知っていると思います。でも、洗脳された旧い観念のつまった頭では、それに変わる可能性が見つからず捨象してしまうしかないのだと思います。

なるほどそうですね。とても参考になるご意見です。例えて言えば、花火が無くなって来た時、寂しくなる不安から、残りの花火をかき集めて来て花火を打ち上げ続けているのが現在の状況と言う事になりましょうか。
 その不安を捨象して旧態依然とした経済成長路線にしがみつくのは本当に愚かですね。・・・みんな(・・とは言わずとも十分に多くの人が・・)感知しているのなら、方策はありますね。希望がちょっと見えてきました。新たな記事を書くときのヒントとさせて戴きます。有難う御座います。

>実際に、限界がきた時どうなるのでしょうか?

持続可能なフローの限界はとっくに過ぎていますから、ストックも限界が来ると言う事ですね。・・・これはとても悲惨でしょう。制御不可能な崩壊が始まりますね。・・・だからその前に自らの意思で縮小路線に入るのが人間の理性であると思います。犠牲無しの完璧なソフトランディングは無理でしょうが、ハードな難着陸を犠牲を最小限に抑えて切り抜けたいものです。

>何度想像してみても、イメージが沸きません。。

誰もまだ経験していない事なので、想像出来なくても当然でしょうね。グローバルな限界ではなくて、局所的な限界に突き当たった過去の社会は沢山あります。イースター島とか・・その地球規模現代版・・・とでも言いましょうか?・・まあそれでも漠然としてますね。

それを切り抜けた場合、

>大量生産・大量消費の贅沢に変わる可能性

これは可能性と言うよりも確実にあるでしょうね。大量生産大量消費の物質レベルの過剰を「豊かさ」なんて言ってる(現代)社会はかなり発想の貧しい社会と言えるでしょう。

これからお互いポスト成長社会を考えて行きましょう。
そう言えば、先日の「なんでや劇場」もそんな話題になりましたね?。そこでも言わせて戴きましたが、そちらの共通認識の(代表氏の)考える潮流は、「日本の人々は1970年代以降はそれ以上の物質的豊かさを追求しなくなった」と言う事でしたが、それはそれである程度まで当たっていると考えます。しかし一方、限りない物質的欲望を追及している人間も現代日本にもごまんと存在します。だからやはり当日も言及したように、そこには成長の限界からの環境圧力が大きく存在しましょう。つまり、成長の限界によって望む望まざるに関らず、人類は全体として物質レベルの豊富さを追及できない・・と言う厳然たる事実・・環境圧をしっかり考慮しなければ片手落ちになりましょう。・・そこまで含めて『潮流』と考えれば考える事も出来ましょうか・・。

       +  +++    +++++    +++  +

HN『ぴのこ』とは手塚治虫の漫画のキャラクターからですね?そのキャラクターが好きなのですか?それとも、雰囲気とか似ていてそう呼ばれていらっしゃるのですか?
私の家にも手塚治虫の漫画の単行本は結構あります(笑) 
今年も宜しくお願い致します。
 

2011/01/06 (Thu) 23:21

上々

脱成長宣言

たびたび取り上げますが、石井吉徳先生のHPでもヨーロッパで脱成長宣言が出され、NGOだけでなく政府内でも検討が始められているとの報道の紹介がありました。
まあここで話し合われているような定常状態までの縮小というようなところまでは考えていないでしょうから、かなり進んでいると思って良いでしょう。

一足飛びに定常状態の社会といっても無理ですし、少なくとも石油はこれまで使った量と同じくらい、石炭はもっと多く残ってはいますので、それを徐々に使って行きながら下げて行くイメージです。
問題はあとどれだけのエネルギーをいつまで使って行くかの計算根拠と世界的同意です。

石油も石炭も劣悪な品質のものまで入れると莫大なものになり、量的な試算が難しくなります。石油では比較的まともなものだけだとあと1兆バレルと言われていますが、タールサンドのようなものまで入れると7兆バレルと言う話もあります。しかも人類は低品質のものから使うと言うことは絶対にしませんので、結局後世代に付けを回すのは一緒になってしまいます。
また埋蔵量の推定もこれまで極めて恣意的に、また政治的に有利なように操作されているということですので、(だいたい実際を上回るように)本当の埋蔵量は不明確です。

また高速増殖炉と核融合の話は棚上げしておかないと話が進みません。本当にできるようになったら入れてあげるねということにしておかねば。

そこまで決めても肝心の「あと何年で使い果たすか」については同意が得られる可能性は薄いでしょう。まだ産れていない世代に残すエネルギーを誰が決めるのでしょうか。
自身の話だけで言えばあと40年持てばもう良いや、なんですが、まあ子供の世代まで入れればあと60年。
孫が生まれればもっと長くと思うようになるかもしれません。
この期間が長くなればなるほど今使えるエネルギーは少なくなります。

とはいえ、このような話が各国の思惑を乗り越えて決まるなどと言う可能性は全くないでしょう。完全無欠の独裁的世界帝王になれば別ですが。

2011/01/07 (Fri) 13:55

guyver1092

日本の支配階級

 日本の支配階級が、年始にいろいろ言っていますが、少なくとも私の理性から考えると気違い沙汰のことを言っています。まあ、彼らの価値判断基準からすれば私の(ここの常連の)言うことは気違い沙汰なのでしょうが。

 現実問題として縮小経済を実行するには、江戸時代の振袖火事後の幕府の経済政策が参考になるのではと考えています。この火事までは江戸の日本は経済成長していたはずですから。すべてにわたって質素倹約しろとの命令が出されていたので、生活が一変したはずです。実際には物価も上がったのかもしれません。石川英輔氏の本のどれかに乗っているかもしれませんね。(ちなみに私は探してもいませんし、学校で習ったことも忘れきっています。)
 その他キューバも参考にできるでしょう。人類の英知の見せどころと考えています。見せてもらえる確率は非常に低いと思いますが・・・・

2011/01/07 (Fri) 20:17

雑草Z

Re:脱成長宣言

    上々さん

 脱成長の国際会議は
第一回が、2008年にパリで開かれ、
第二回が、2010年にバルセロナで開かれたようですね。
そして、第三回、第四回のホスト(国とは限らない?)を募集しているようです。
これに日本も名乗りを上げるようなら素晴らしいのですが(先見性もあります)、名乗りを上げるどころか、過去の2回の会議もまともに取り上げていませんね。(・・私は日本の新聞、テレビなどで取り上げられているのを見た事がありません。昨年ひょうんな事から知ったブログで知りました。)上々さんはマスコミなどで取り上げられているのを見た事などありますか?
 パリやバルセロナで行われた会議もあまり大きくは無かったようですね。国際気候変動会議(COP)なんか開くよりもよっぽど有意義だと思うのですが・・。

>NGOだけでなく政府内でも検討が始められているとの報道の紹介がありました。

それは頼もしいですね。フランスで結構活発に議論され、それがイタリアやスペインなどヨーロッパの他の国々にも広まってきているようですね。
 ラテンアメリカの国々も経済成長主義に反旗を翻す人々が増えてきているようですし、国家としても脱成長が根付いてきているようです。それに比べ、日本やアメリカ、中国は、まだまだのようです・・が、全く駄目・・とも言い切れませんね。我々のように発信したり、草の根運動している人達は大なり小なりどこの国にもいる事でしょう。日本では政党もありますし・・まだ国会議員は排出していませんが・・)

一方どこの国にも、失業対策の唯一の方策は経済成長である・・・と洗脳されている方々が主流でもあります。しかし確実に脱成長派が市民権を得ようとしていますね。理性的な唯一の結論ですから当然の帰着です。

>一足飛びに定常状態の社会といっても無理ですし、

確かにそうかも知れませんが、本文にも書きましたように、資源の枯渇と言う要因以外に環境負荷と言う要因も大きいので、出来るだけ早くシフトするのが理想でしょうね。

 資源が大量に残っていても、環境が破壊されて社会が崩壊する可能性も大いにあり得るでしょう。・・・放射性廃棄物や塩素系科学物質などその典型例でしょう。

上々さんのおっしゃるように量的な試算も大切でしょうが、資源の限界に挑むのは利口とはいえません。余裕を持って縮小すべきでしょう。

「あと何年で使い果たすか」ではなくて、余裕を持って、
「あと何年で封印するか」を議論すべきでしょう・・理想論過ぎますか?
 でも、現実問題としては、エネルギーがどこまで使えるかと言うのは大問題になってくるでしょうね。

>肝心の「あと何年で使い果たすか」については同意が得られる可能性は薄いでしょう。

確かに現在の状況から見れば可能性は低いかも知れませんが、それは今後の持って行き方次第でしょうね。

兎も角、脱成長路線は21世紀最大のイベントであり、問題でしょうね。
1000年先の事を考えてもあまり意味はないでしょうけれど、これから何代も何代も人類社会が続いて欲しいとは思います。

これからの社会の動向[トレンド]について記事にしようと考えていましたが、上々さんが今回ヒントを下さった脱成長宣言も踏まえて、書きたいと思います。 

2011/01/07 (Fri) 21:40

雑草Z

Re:日本の支配階級

    guyver1092さん

>日本の支配階級が、年始にいろいろ言っていますが、少なくとも私の理性から考えると気違い沙汰のことを言っています。

そうそう、支配階級だけでなく、評論家もマスコミも(・・支配階級の犬、または太鼓持ち・・と言う事になりましょうか・・?)猫も杓子も、経済成長の方法を提案している様は情けないの一言です。本当の理性が欠如しているとしか思えませんね。

>現実問題として縮小経済を実行するには、江戸時代の振袖火事後の幕府の経済政策が参考になるのではと考えています。この火事までは江戸の日本は経済成長していたはず

江戸時代が持続可能な社会の理想の一つである事は、槌田敦さんの書物にも度々でてくるところですが、

>すべてにわたって質素倹約しろとの命令が出されていたので、生活が一変した

と言う事は初耳です・・・ちょっと調べてみたいですね。
現代人も本当に崩壊の危機を感知できたなら、脱成長に同意するでしょうね。

>人類の英知の見せどころ

そうです。その通り。持続可能なレベルまで経済縮小、脱成長をどうやって成し遂げるかが21世紀最大の課題です。その合意が早く得られます事を!! 

2011/01/07 (Fri) 22:05

上々

封印

余裕を持って封印するというのはすごいですね。
そこまでは考えが及びませんでした。
まあ私は人類の英知と言う物をまったく信じていませんので、そういうことは思いつかないのでしょうが。

使い果たすまでの年数を考えると残余数量の算定で侃々諤々というか、まあ勝手放題の論争になりまとまらないのは目に見えていますからかえって「封印」という方がすっきりするかもしれません。

しかし、そのようなことができる世界だったらそもそもこんなことにはならなかっただろうと言うことですが。

2011/01/09 (Sun) 09:26

雑草Z

Re:封印

 地球上の資源をあるだけ全部使った場合、環境負荷の問題はその資源の埋蔵量に大きく影響をされますね。エネルギー資源として石油、石炭、天然ガス、メタンハイドレート・・その他鉱物資源、レアアース・・と次々に開発(=消費)していくと、環境汚染もどんどん大きくなりますから、その環境負荷に生態系、人間社会が耐えうるかどうかが問題です。廃棄物の問題はかなり深刻です。現在地球上にある低エントロピーの物資を資源として利用できるだけ利用しようとする試みは狂気の沙汰でしょう。地球上を熱死状態に近付けます。


>人類の英知と言う物をまったく信じていません

そうですね。私もそこは共感する部分も大きいです。上々さんよりは少しオプティミスティックに可能性を考えているのかも知れません。でも今までの人類の歴史を鑑みれば

>そのようなことができる世界だったらそもそもこんなことにはならなかっただろうと言うこと

と言う事になりましょうね。

>勝手放題の論争になりまとまらないのは目に見えていますからかえって「封印」という方がすっきりする

おっしゃる通りかと思います。実際「封印」しても秘密で採掘する団体も次々に現れるでしょうね。・・・パンドラの箱は、一度開けたら封印出来ないのでしょうか?原子力も封印出来ていませんし。これからは、更にどんどん人類を滅亡させる威力のある科学技術が出てくるでしょうね。憂鬱感がありますね。色々悪魔の科学技術を封印出来るかどうかが人類の存亡にかかわってくるでしょうね。

2011/01/09 (Sun) 13:25

上々

南十字星

例のリックタナカさんの南十字星通信の最新によると、現在の石油価格の状況は2008年の原油高騰時と似通った状況になってきているようです。
喉元すぎれば忘れたかのように何の報道もありませんが、1バレル90ドルに張り付いたまま、暴騰を待っているかのようです。
前回はこれよりはるかに下の価格からの高騰だったのですが、90ドルから出発したらどこまで行くのでしょうか。

それでなくても大方の良心的科学者の言うように非常に厳しい寒さの冬で燃料用の石油が大量に必要となり価格も上がっているということです。
これが引き金になるのか、どれがそうなるのか。

そうなる前に封印できる方策を決めなければ間に合わないのでは。

2011/01/11 (Tue) 11:24

雑草Z

Re:南十字星

上々さん


情報有難う御座います。

>現在の石油価格の状況は2008年の原油高騰時と似通った状況になってきているようです。

言われてみればそんな感じがしますね。おっしゃるように前回よりも高騰する可能性が高そうですね。

>これが引き金になるのか、どれがそうなるのか。

これが引き金か、次が引き金か、はたまたその次か・・・でも石油文明の終焉は近付いていますね。

>そうなる前に封印できる方策を決めなければ間に合わないのでは。

その通りですね。石油に対して現代社会はべったりと依存してますから、このままならば、石油文明ばかりではなく、文明そのものが崩壊してしまいますね。現状では封印は非常に困難で不可能に近いでしょう。・・・崩壊の恐怖を目前にしなければわからないのでしょうか?。

2011/01/11 (Tue) 20:36

上々

引き金

起こるべき事象が次々と若干の訪れの差はあってもやって来るのは引き金とは言えないですね。言葉の使い方が少し間違っていたかもしれません。

それでも石油の需要の急激な増加はやはり何かの条件で起こってくるでしょうからそのきっかけとしては厳冬と言うのはいかにも歴史の先行きを暗示しているようで詩的ではあります。
インドや中国の自動車ブームでも良いんですけど、それじゃちょっと当たり前過ぎて。

文明崩壊は予想されるが、早めに対処すればさほどひどくはならないと言う道筋を建てて説明していくことが唯一のソフトランディングへの道でしょうね。
そのためにも1000年先なのか、100年先なのか、10年先なのかをはっきり言っておくべきなんでしょうが。
私の主観ではどれでも一緒なんですが、普通の人では100年先のことでもどうでも良いやなんでしょうね。10年先といってもあまり現実感はないのかも。
その割には今世紀末に5℃上昇なんて言う話にはすんなり乗せられるのはどういう心理状況なんでしょう。
今世紀末には石油は無いよというのがはるかに起こり得る現象なのに。

2011/01/12 (Wed) 14:40

雑草Z

Re:引き金

    上々さん

もう引き金は引かれたのかも知れませんね。今のところ特定は出来ませんが、後からあれだった・・と思い当たるのでしょうか。

>そのきっかけとしては厳冬と言うのはいかにも歴史の先行きを暗示しているようで詩的ではあります。

『詩的』ですか?歴史に精通された上々さんならではの表現ですね。

>文明崩壊は予想されるが、早めに対処すればさほどひどくはならないと言う道筋を建てて説明していくことが唯一のソフトランディングへの道

そうですね。ここのサイトの主題です。現実的には、ソフトランディングは無理でも、墜落ではないハードランディングを目指すべきでしょう。

>1000年先なのか、100年先なのか、10年先なのかをはっきり言っておくべき

未来について定量的な事を確実性を持って予測する事はかなり特殊な場合でなければ無理ですが、それでも今世紀中の事である事は確実でしょう。だから今回の記事の内容になるわけです。

>私の主観ではどれでも一緒なんですが

上々さんは以前よりそのような事をおっしゃっていますが、常人にはあまり理解出来ない感覚ですね。特殊な才能ですね。その感覚は非常に興味深いです。

>その割には今世紀末に5℃上昇なんて言う話にはすんなり乗せられる

複雑系カオスの地球でそんな予測は無理に違いないのですが 専門家、権威 がそう言っているのだからそうだろう。・・と思ってしまうのでしょうね。言うほうが無責任ですね。

>今世紀末には石油は無いよというのがはるかに起こり得る現象なのに。

あはははっ・・・笑ってる場合ではないですね。そんな100年も先の不確実な事の為に膨大なお金と資源と労力を投入しているのですから本末転倒も甚だしいですね。特に封印されかかった原発がまた復活して来た事の罪は許される事ではありません。まさしく狂気の沙汰・・です。

2011/01/12 (Wed) 21:05

上々

100年先は関係ないか

生物の種というものはDNAのプールのようなもので、たまたまそれが一つの個体となり限られた生命を生きますが、種全体としてはDNAが残っていくという考え方があります。
人間の個体一つ一つの寿命はせいぜい100年で、今生きている人間には100年先と言うのはほとんど関係がないとは言えるのですが、人間という種にとっては100年先も1000年先も同様です。
場合によっては種全体の生存も脅かされる事態ですから、1000年先、1万年先の種の生存のために現在するべきことを決めると言うのは大切なことです。

他の動物がこのようなことを考えるはずもないのですが、人間は不幸にも自分達の行ないで自分たち自身の生存を危うくする方策をいくつも作り出してしまいました。
その行き着く先のことですので、やはり自分たちで考えなければいけないのでしょう。

なお、私自身はあまり詩的な人間ではないのですが、慣れない雪景色の中で真っ白い風景を見ていると柄にもなく詩的と言う言葉を思い出してしまいました。

2011/01/13 (Thu) 16:23

雑草Z

Re:100年先は関係ないか

    上々さん

 先ず、当方の前回のコメント[2011/01/12(Wed) 21:05]
の上々さんのコメントの引用箇所と当方がコメントする部分の場所の呼応関係がずれて、内容が誤解されて伝わったかもしれない部分がありましたので、ご説明させて戴きます。

>そんな100年も先の不確実な事の為に膨大なお金と資源と労力を投入しているのですから本末転倒も甚だしい

とは、かなり不確実で信憑性の薄い

>今世紀末に5℃上昇なんて言う話

の地球温暖化説の事です。100年先に石油は枯渇に近付いていると言う話は有限の資源のお話ですから信憑性は高いでしょう。

>種全体としてはDNAが残っていくという考え方
>人間という種にとっては100年先も1000年先も同様です。

この辺り、時間の壁を超越して物事を洞察出来る上々さんならではの御指摘かと思います。アメリカインディアン(NA)は、7代先の事を考えて物事を決めたと言いますから、現代人の大抵の人よりも遥かに先を見ていた事になりましょう。
ただ、環境破壊によって人類が滅亡する可能性が出てくるのは、数万年先(人によっては数百万年、数千万年先・・と言います。)とお気楽に考えられても困りましょう。今世紀中にグローバルな文明崩壊、破局の危機がやってくる可能性が非常に高い事を認識しておくべきでしょう・・・つまり、未来任せではいられないと言う事です。

>人間は不幸にも自分達の行ないで自分たち自身の生存を危うくする方策をいくつも作り出してしまいました。

人間は、DNAのプログラムミス、ガイア地球の癌化した細胞ではないかと感じる部分が沢山あります。

歴史の先行きを暗示する重要転換期の事件を『詩的』と表現された上々さんは十分に詩的だと感じました。

2011/01/13 (Thu) 22:08

上々

こちらこそ

言葉足らずに書き散らし、しかもあちこちに話題を飛ばせていますので、判りづらいのも仕方ないですね。
フツーの人達は100年先のことと言ってもほとんど現実感がないようで、しかも最近は会社経営など1年ごとに成果を出さねばならないようなひどさで、全く短期眼のみのように見えます。
やはり、1000年先まで見据えた定常化社会成立までの道のりを提示できるような方策を示し、なおかつ現在の政策・技術・社会現象等ですぐにでも廃止しなければならないことは何かと言うことをきめるべきでしょう。

食品安全情報ブログのUNEYAMAさんのところで、NATUREにトンデモ論文が出されたとの情報です。2050年に90億人の食料供給まで大丈夫というフランスの研究者の論文です。
細かくは読んでいませんが、どうせ大きな抜けだらけでしょう。
http://www.nature.com/news/2011/110112/full/news.2011.14.html

2011/01/14 (Fri) 11:28

雑草Z

>定常化社会成立までの道のりを提示できるような方策

    上々さん

>最近は会社経営など1年ごとに成果を出さねばならないようなひどさで、全く短期眼のみのように見えます。

そうですね。会社ばかりでなく最近の政治家も企業人も誰も彼も短期の成果しか考えない人で溢れているから、社会が破局へ向かって進んでいる事を止められないのでしょうね。民主主義の悪い面が如実に現れていますね。

>1000年先まで見据えた定常化社会成立までの道のりを提示できるような方策を示し、なおかつ現在の政策・技術・社会現象等ですぐにでも廃止しなければならないことは何かと言うことをきめるべきでしょう。

全くおっしゃる通りです。上々さんがここに書かれている事がこれから為されるべき政策の中心であり、根幹ですね。それと比べ、現在政治で騒がれている事の多くは枝葉末節な部分ですね。・・そんなことやってる場合じゃない・・ですね。


>2050年に90億人の食料供給まで大丈夫

もしこの研究が信頼性があるとしても、2050年の段階で90億人大丈夫と言う事だけで、それが持続出来る保証は全然ないでしょうね。上々さんのおっしゃるように色々大きく抜けている穴だらけの楽観的な予測でしょうね。

確かに100億人くらいまでは人口を養えると言う研究は結構あるようです。しかしそれには数々の楽観的な仮定が必要になるでしょう。例えば、石油はずっと安定して供給されているとか、農地の収穫率は下がらない、下がるどころか科学技術の発達でもっともっと上がる、技術革新が飛躍的に伸びる・・とか、そのような楽観的な(短い経験から判断した)仮定がバンバン入るのでしょうね。

このような楽観をもとに人口増加を放っておいたら大変な事になってしまうでしょう。そうなっても誰も責任はとらないでしょう。無責任に膨張の余地を示して、実際限界まで膨張してしまったら、その後が非常に大変です。

2011/01/14 (Fri) 21:33

上々

もう一回強調

90億人維持といってもとにかく石油をはじめとするエネルギーがあってのことで、そこが崩れればあっという間に崩壊します。崩壊の過程でそこに居る人間の数が多ければ多いほど悲惨なことになります。

しかし、人類(に限らず動植物すべて)はこれまで産児制限なんてしたことはないんですね。条件のまま産めるだけ産んで、食べるものがなければそれだけの話です。
幸か不幸か、一応技術的にもそれができる可能性はできました。しかし、現人類の相当数は賛同していません。
どっちがましか、その選択ということです。

2011/01/15 (Sat) 09:17

雑草Z

Re:もう一回強調

    上々さん

 確かに何度でも強調したくなりますし、一般の人々がしっかり現状把握して理解するまでは何度でも強調するべきでしょう。

 ある一定の土地で、何かのきっかけで生存競争に勝ち続けて増えた生物は、それが適正量を超えても増え続けた場合、あるときを境に悲惨な急減少を遂げるということは当然の帰着ですね。
 現在の人類の場合、鳥類や哺乳類などの高等と言われている生物の中で一人勝ちしている状態です。そして、限られた土地とは地球全体です。だから、ここで悲惨な減少を遂げるということは全世界を巻き込んで制御不可能な悲惨な減少が始まるということでしょう。
 一人勝ちしている人類は自らの意思で膨張を止めなければ多くの人間が 悲惨な縮小=飢え死にや戦争など、を経験しなければならないことを理解すべきでしょう。

人類は自ら膨張を止められないくらいお目出度い存在なのでしょうか?

2011/01/15 (Sat) 21:46

上々

肥満と膨張

食べるものがぎりぎりの状態では肥満できるのは金持ちだけでしたが、食糧価格が比較的安くなり、特に穀物と脂肪分の価格が極めて低下したために誰でも簡単に肥満できるようになりました。
これすら止められない人が大半であるのに、経済の膨張を自ら止まられるわけないですよね。

ダイエットするというのがほとんどの女性の念願ですが(その意味はほとんどの人が間違えていますが)実際に体重減少できる人はごく一部です。肥満する状態はとても安楽で気持ちがよい。一方節食し、運動するのは辛いことです。

それができずに悪化すると個人では成人病等になり、経済では破綻に向かう。極めて似通った運命をたどります。

2011/01/17 (Mon) 14:59

雑草Z

Re:肥満と膨張

    上々さん

>これすら止められない人が大半であるのに、経済の膨張を自ら止まられるわけない

これは一見そのような感じも致しますが、経済の膨張には努力が必要です。怠けていれば経済は膨張させられません。「努力しないで楽する」と言う意味では、
好きな物を食べる事と脱成長も共通点がありますね(笑)・・否、冗談でなく、脱成長は実は「禁欲」的な感じではなくて、逆にゆったりのんびりしたものではないでしょうか・・・・特に人口が少なくて自然の恵みが十分な場合・・。

>それができずに悪化すると個人では成人病等になり、経済では破綻に向かう。極めて似通った運命をたどります。

そうですね。やはり破局の恐怖を想像出来る事が予防策として効果があるでしょう。
 多くの人が地球規模での資源の枯渇と環境破壊・・と言う破局の恐ろしさを実感出来、悲壮感を持てば、脱成長も無理ではないでしょう。やはり恐怖を煽るべきでしょうかね?・・・決して大げさではありませんからね。

2011/01/17 (Mon) 22:07
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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