持続可能な社会の共通認識
今回は、持続可能な社会への移行を考えている意識の高い人の中で、持続可能な社会の為に必要だと考えられている共通項についてまとめてみたいと思います。書物、ネットのサイト、それからここにコメントを下さる方との意見のやり取りなどで感じる事は、脱経済成長・・・と言うディープな部分で一致している人の多くは、他の持続可能な政策についても結構一致している事が多い事がわかったからです。
持続可能な社会の構築・・と言っても具体的にどうするか?・・が問題ですが、まともに考えている人の間には多くの一致点がある事がわかり、方向が見えてきます。前提が同じだから、方策論も似てくる事はある程度当然かも知れませんが、絶妙な一致に、大局的な方向はしっかり決まっていると感じる事が多くなったからです。
1.脱経済成長、経済縮小;
この事はここのサイトの主題のひとつで散々述べてますから改めて書きませんが、持続可能な社会の必要条件に間違いないでしょう。ここの部分で一致している方々についての共通点を他に探した・・・とも言えます。
2.人口の安定、または縮小; 現在の人口でも継続不可能なドーピングによって支えられているので、人口増加策なんて愚の骨頂、もっと人口が減ってから安定すべきだという考え方。経済縮小を考えている場合、人口の縮小も考えているという事は、ある意味当然かもしれません。
・・・経済規模は (1人当たりのGDP)×(人口) ですから。
3.生態系の保全; 循環型社会とは、人間の工業的なリサイクル活動を主とするのではなく、生態系の循環をしっかり確保し、人間はそれを守り、補助的役割を果たす。
4.自給自足型の小自治体;国家単位ではなく、都市国家のような小自治体ごとの自給自足(いわゆる小さな政府ではありません。)自治体の規模も小さく抑える。反グローバル化として、輸出輸入は控え、物質的交流は必要最小限に抑える。小さなコミュニティ毎に自給自足の体制にする。
以上4つの他にも共通項はあるでしょうけれど(重要な共通項があればお知らせください。)大きく以上の4つによって、持続可能な社会のアバウトな全体像は掴めます。共通でない部分もありますが、自給自足コミュニティー毎にそれぞれ個別の対応を取ればいい部分もあるでしょうし、共通で決定しなければならない事も出てくるでしょう。
持続可能な社会を目指す方向性としては真新しくもない当然の方向だと思いますが、以上の4点はアバウトに共通認識する部分でしょう。大雑把ですが意外としっかりした方向になりますね。あとは、富の分配の問題だとか、コミュニティーが他のコミュニティーに征服されないようにはどうすればよいかとかそういう大きな問題も幾つか出てくるでしょう。そういう部分を解決しながら持続可能な社会に移行して行く事になるでしょう。
ここに挙げた事はまだまだアバウト過ぎますが、それでも検討の価値がある部分でしょう。今は検討の価値のない経済成長路線の洗脳から早く脱して、この手の検討に入って然るべき時でしょう。
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