生態系の維持
簡単に言えば、 環境問題=生態系の問題 環境破壊=生態系の破壊
と言えるという事です。
人間が生態系を破壊しない事、即ち生態系が維持される条件をしっかり守れば、環境問題はすべて解決と言っても過言ではないでしょう。逆に言えば、人間が生態系を破壊する行為そのものが環境破壊なのです。
種の保存と言った、そのままの問題は言うに及ばず、食料問題、汚染問題、気候変動の問題、全て生態系の問題に帰着出来るでしょう。
環境問題はあくまで人間にとって生活しやすい環境の問題だ・・人間以外の生物の事は関係ない・と言う反論もあるでしょうが、生物は全てつづれ織りのように繋がっています。生態系がしっかり維持されなければ結局人間も滅びるのです。生態系を破壊しても人間は生きていける・・・と言う人がいますが、かなり軽率といえましょう。生態系の破壊された都会が維持出来ているのは、その周りの広大な自然、生態系があるからで、その周りとの交流(・周りから食物などの物資を取り入れ、ゴミなどを周りに廃棄する・・)が絶たれれば、生態系が破壊された都会は持続不可能で、数日でパニックに陥り崩壊するでしょう。
食物の事を考えてみても、生態系の食物連鎖が断ち切られたら、人間も生きていけません。現在人間は食物連鎖のピラミッドの頂点にいる・・と考えられていますが、人間が食べる他の生物がいなければ人間も滅んでしまいます。その人間が食べる生物自身も生きる為の条件・・・自分たちの食料が生態系にしっかり確保されなければ生存できません。・・・こうやって食物連鎖を辿っていけば、連鎖の途中のどの生物も連鎖の中の役割を担っていて、どの種も抜け落ちればその循環が途切れてしまう危険性を孕んでいます。
食物連鎖の事ばかりでなく、生態系の維持は人類が生存出来る為の必要条件です。
環境汚染物質とは、生態系にとって有害な物質の事を云います。
砂漠化が何故問題かと言えば、生態系が破壊されてしまうからでしょう。砂漠とは、ただ熱い土地を指すのではなく、生態系が破壊されてしまった土地を指す言葉です。いくら暑くても生態系豊かな熱帯雨林のジャングルを砂漠とは言いません。逆に都市部は周りとの交流を絶たれれば人間を含む生態系は破壊され、コンクリート砂漠になるのです。
元来、エコロジー[ecology]とは、生態学を指します。そして、人間も生態系の一員であるから、人間生活と自然との調和、共存を目指す考え方がエコロジーの基本です。
環境問題と言えば、生態系の維持を何より優先して考えるべきでしょう。
経済の為に生態系を破壊するなんて事は本末転倒もいいところでしょう。
生態系破壊の巨大工事は全て許されざるものです。
生態系に循環しない放射能、化学合成物質は全て使用禁止にして然るべきです。
二酸化炭素は生態系の循環になくてはならぬ物質です。多過ぎると地球が温暖化して確実に生態系が破壊される・・と言うのなら排出量を考慮すべきでしょうが、そこのところが曖昧です。
以上のように生態系の維持は人類が最も心掛けなければならない事であり、生態系に優先する人間の行う事業なんてものはないのです。世界で行われている生態系破壊の巨大事業は全て環境破壊であり、逆効果です。
以上の事から帰着出来る環境対策の基本は
生態系の維持は全てに優先させるべき
と言う事でしょう。これがサステナビリティ革命の大きな柱の一つでしょう。
(もう一本は脱成長です。)
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