万博
「博覧会の成功」って、一概には定義出来ないでしょうけれど、一応盛り上がりとか入場者数とかそんな俗世間的なものを基準にして、日本の例を考えた場合、高度経済成長時代の真っ只中で行われた1970年の大阪万博は、一応の成功でしょう。その後、何度も行われた博覧会は、直接「万国博」と言う名前は付いていなかったようですが、次第に成功しなくなっていった印象です。20世紀末には、万国博に限らず、地方でも様々な博覧会が行われましたが、どれも食傷気味で、あんまりぱっとしなかった印象です。丁度テーマパークも乱立し、博覧会もテーマパークも税金を浪費し、地元の環境を破壊し、負の遺産を残してきました。その為に財政破綻したり、破綻しそうな自治体も沢山あります。失敗の連続だったのではないでしょうか?・・そう、日本ではいまどき博覧会は時代錯誤でしょう。(・・・と言いつつまだやろうとしている自治体はあるようですが・・・)見本市のようなものだったらまだ意味はあるのでしょうけれど、現在、博覧会の開催意義は殆どないと思うのですが・・。
さて本日開幕となる上海万博に目を移してみましょう。・・と言っても上海万博関係のニュースなどは殆ど観てなくて知識に乏しいので、ネットでHPを見てみました。日本語のホームページで最初に目に入ったコピー文句は・・・えっ・・「より良い都市、より良い生活」です。いまどき、このベタなコピーには驚きです。数十年前の高度経済成長時代の日本のようです。中国は現在高度経済成長期である事は分かりますが、思考、発想も数十年前の日本のような感じなのでしょうか?人口の多い中国の事、万国博になど関心のない国民も沢山いるだろうとは思いますが、一方、多くの中国人が楽しみにして、万国博に出掛けて行くのでしょうか?
日本に限らず世界の人々はどの位見学に出掛けて行くのでしょうか?・・あんまりいないのではないかと思うのですが・・・
今朝、テレビで、日本館は環境技術を沢山展示する・・・みたいな事を言っていましたが、この博覧会を開催しなかった方が、よっぽど環境の為でしょう。上海万博は環境破壊も甚だしいと思います。次の万博あたりでは「失われた自然」が売りになるかも知れません。パビリオンの中に自然を再現・・・なんて言うお馬鹿な企画が為されるかも知しれません。
上海万博は、中国政府の経済発展、国力をアピールする為に開かれた・・・とも見られているでしょうけれど、それだけではなく、大きく利権が絡んでいる事でしょう。利権に群がる中国の実業家達と政府との癒着でしょうか?ぼろ儲けを企んでいる人、既にぼろ儲けした人達が沢山いるのではないでしょうか?
以後、もし、日本で万博開催・・・と言う話が持ち上がったら、私に限らず、日本国民の多くは、真っ先に事業仕分けの対象にして欲しいと思うのではないでしょうか?
博覧会の意義は、20世紀期には大体無くなったのではないでしょうか?
21世紀中に、博覧会が無駄な事業として、すたれて行くのではないでしょうか?・・この大いなる無駄、自然破壊は、是非とも無くなって欲しいものです。
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