雑草の言葉

万博

2010/05/01
都市/文明 10
「万国博覧会」と言う言葉を久々にテレビや新聞で頻繁に見掛けるようになりました。「まだやっていたんだ」って感じです。
「博覧会の成功」って、一概には定義出来ないでしょうけれど、一応盛り上がりとか入場者数とかそんな俗世間的なものを基準にして、日本の例を考えた場合、高度経済成長時代の真っ只中で行われた1970年の大阪万博は、一応の成功でしょう。その後、何度も行われた博覧会は、直接「万国博」と言う名前は付いていなかったようですが、次第に成功しなくなっていった印象です。20世紀末には、万国博に限らず、地方でも様々な博覧会が行われましたが、どれも食傷気味で、あんまりぱっとしなかった印象です。丁度テーマパークも乱立し、博覧会もテーマパークも税金を浪費し、地元の環境を破壊し、負の遺産を残してきました。その為に財政破綻したり、破綻しそうな自治体も沢山あります。失敗の連続だったのではないでしょうか?・・そう、日本ではいまどき博覧会は時代錯誤でしょう。(・・・と言いつつまだやろうとしている自治体はあるようですが・・・)見本市のようなものだったらまだ意味はあるのでしょうけれど、現在、博覧会の開催意義は殆どないと思うのですが・・。

 さて本日開幕となる上海万博に目を移してみましょう。・・と言っても上海万博関係のニュースなどは殆ど観てなくて知識に乏しいので、ネットでHPを見てみました。日本語のホームページで最初に目に入ったコピー文句は・・・えっ・・「より良い都市、より良い生活」です。いまどき、このベタなコピーには驚きです。数十年前の高度経済成長時代の日本のようです。中国は現在高度経済成長期である事は分かりますが、思考、発想も数十年前の日本のような感じなのでしょうか?人口の多い中国の事、万国博になど関心のない国民も沢山いるだろうとは思いますが、一方、多くの中国人が楽しみにして、万国博に出掛けて行くのでしょうか?
日本に限らず世界の人々はどの位見学に出掛けて行くのでしょうか?・・あんまりいないのではないかと思うのですが・・・

今朝、テレビで、日本館は環境技術を沢山展示する・・・みたいな事を言っていましたが、この博覧会を開催しなかった方が、よっぽど環境の為でしょう。上海万博は環境破壊も甚だしいと思います。次の万博あたりでは「失われた自然」が売りになるかも知れません。パビリオンの中に自然を再現・・・なんて言うお馬鹿な企画が為されるかも知しれません。

上海万博は、中国政府の経済発展、国力をアピールする為に開かれた・・・とも見られているでしょうけれど、それだけではなく、大きく利権が絡んでいる事でしょう。利権に群がる中国の実業家達と政府との癒着でしょうか?ぼろ儲けを企んでいる人、既にぼろ儲けした人達が沢山いるのではないでしょうか?


 以後、もし、日本で万博開催・・・と言う話が持ち上がったら、私に限らず、日本国民の多くは、真っ先に事業仕分けの対象にして欲しいと思うのではないでしょうか?

 博覧会の意義は、20世紀期には大体無くなったのではないでしょうか?
21世紀中に、博覧会が無駄な事業として、すたれて行くのではないでしょうか?・・この大いなる無駄、自然破壊は、是非とも無くなって欲しいものです。
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Comments 10

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上々

デジャヴ

1970年の大阪万博のときは高校1年だったんですが、自分は行かなかったものの周りには行ってきたという人が数多く、噂は聞きました。
ここまでの日本はあそこで示された未来図が実現したということが言えるのかも知れません。

上海万博の熱狂振りを見るとあの当時の日本そのままのようなデジャヴ感がつきまといます。
まあそれはいいんですが、その後の進展が日本の跡を辿れるかというと、さすがにもはや無理でしょう。
資源制約が常につきまとい、それは中国ではさらに10倍の人口を抱えていることを見れば影響が強く現れるでしょう。
石油はまったく下がらず、鉄の値段も高騰しているようです。
中国が需要を増やし購入を増やせばすぐに資源が高くなりブレーキがかかります。
そういった経過をたどっていくんでしょうね。

2010/05/01 (Sat) 07:29

雑草Z

1970年の日本?

    上々さん

 1970年の大阪万博は、当時の日本の中では画期的なイベントであり、時代背景的にも、国をあげて盛り上がった事でしょう。大阪万博に行く事が、大人も子供も海外旅行に行く以上の大きな楽しみであったであろうと思います。
 冷めた目で見ていた人はよっぽどの人でしょう。

 上海万博は、日本では一部のテレビ局などが無理に盛り上げている感もありますが、中国の盛り上がりは1960~1970年代の高度経済成長時代の日本の盛り上がりを彷彿とするものでしょうか?上々さんが
>デジャヴ
と表現されるほどですからね!

>その後の進展が日本の跡を辿れるかというと、さすがにもはや無理でしょう

そうですね。おっしゃる通りです。あの人口12億以上の中国が、これ以上高度経済成長すると言う事は、今までの何倍もの環境負荷を地球に与えます。今でさえ酷い環境状態なのに、非常に末恐ろしい状態です。
 この上海万博は、これからの発展の象徴ではなく、これからさらに酷くなる環境破壊、破滅の前の宴でしょう。歴史に証明されるでしょう・・・そのときに「もう手遅れ」とならなければいいのですが・・。

2010/05/01 (Sat) 09:51

guyver1092

万博

 万博とは土地ころがしの別名というのを聞いたことがあります。大阪万博前、会場は見渡す限りの森だったとか。いまは見渡す限りの団地ですね。安い森を切り開いて高く宅地で売る、というぼろい商売だったとか。
 愛・地球博も海上の森を切り開いて団地として売ることが計画にあったようです。(主催者にとっては)残念なことに、環境破壊して会場を作ることは万博のテーマにそぐわないとの大反対を受けて、計画の大幅な変更を余儀なくされたそうですが。
 上海万博は土地ころがしの点でどうなんでしょうね? 万博後、大阪万博の後の日本のように高度経済成長するとは、上々氏、雑草Z氏と同じく私にも考えられないですね。経済成長の毒に侵されていない人なら当然の結論でしょうが。

2010/05/02 (Sun) 00:01

上々

上海の熱狂

テレビ報道ではかなり力を入れて流されていますが、デジャヴ感が強いのは見る側の熱気です。
大阪万博の映像と重ねて報道している番組もあるように、その雰囲気は似たものがあるのかも知れません。

しかし、中身は相変わらずロボットですか。40年前のロボットは夢だったかもしれないけれど、今見せるものではないでしょう。
少なくとも20年先の社会を見せるものではないのでしょうか。

ということは皆20年先は無いものと思っているということなんでしょうか。

2010/05/02 (Sun) 08:24

雑草Z

>万博とは土地ころがしの別名

    guyver1092さん

>大阪万博前、会場は見渡す限りの森だったとか。

そうですか!?さもありなん・・・ですね。結局、利権に群がる人々が推進したものなのでしょうね。

上海万博も結局利権で開催のほうに進んだのでしょうね。中国では土地の所有に関してはまだはっきり認められていないのでしょうが(一応共産主義国ですから・・)それでも土地ころがしに準ずるような利権構造はあったのではないでしょうか?

 環境技術を展示しようが、環境保護を訴えようが、兎も角、万博は環境破壊ですね。中国の経済成長政策は、地球環境を致命的なまで破壊しそうな勢いです。地球のキャパから考えても高度経済成長は、近い将来頭打ちに成らざるを得ないでしょうね。

2010/05/02 (Sun) 18:37

雑草Z

Re:上海の熱狂

    上々さん

 上海の熱狂は、大阪万博を凌ぐ勢いに見えます。利権構造で儲けようとしている連中にいとも簡単に踊らされているのでしょうか。日本のテレビも太鼓持ちしなくてもいいのに、乗っかってますね。

>ということは皆20年先は無いものと思っているということなんでしょうか。

・・なかなかの皮肉ですね。彼らは20年先がないとは考える余地もないのでしょうが、結果的にそんな感じになるのでしょうか?これも一つの預知でしょうか?(・・・預言の『預』の字を使わせて頂きました。・・)20年後に万博を開いている余裕はない可能性が高いですね。・・・これは「預言」・・かな?

2010/05/02 (Sun) 18:49

上々

大阪万博

テレビでは盛んに大阪万博当時の映像を流しています。
NHKでやっていたのでは、当時の入場者の半分は国内からの団体で、特に中高年の団体が多かったようです。
その当時50歳位としても今存命でも90歳くらいという年代ですが、興味深いのは男性は皆一張羅の背広にネクタイ姿(ほとんど農家の人でも)女性は中年以上の人達は和服という服装であったことです。

そういえば、自分が子供の頃の年寄り、ちょうど祖父母の年代の人達はみなそういったいでたちだったなと懐かしく思いました。

それからの40年ですが、その半分はバブルに向けての成長、あとの半分はバブルがはじけたあとの不況です。もはや景気循環の中での不況でもなく、世界の中で競争力が衰えての不況でもなく、成長の限界を迎えての不況と言うことが判らないと言うこの不思議。
そういえばローマクラブの成長の限界も奇しくも大阪万博とほぼ同時期の発表でした。

2010/05/03 (Mon) 11:03

雑草Z

構造不況

    上々さん

>もはや景気循環の中での不況でもなく、世界の中で競争力が衰えての不況でもなく、成長の限界を迎えての不況と言うことが判らないと言うこの不思議。

全く以て仰る通りだと思います。成長の限界での不況・・・と判って然るべきですね。これからさらに経済が成長を続けたらより大変な事態をもたらすでしょう。


>ローマクラブの成長の限界も奇しくも大阪万博とほぼ同時期の発表

言われてみればそうですね。あんな時代でしたから、成長の限界を真摯に受け止める人は少なかったでしょうね。
 その成長の限界に達するのは、確か今頃・・2012年頃でしたよね?

2010/05/03 (Mon) 23:08

BEM

北海道だけでも『北海道博覧会』『小樽博覧会』『世界食の祭展』というものがあって、若気の至りで3つとも行ってみました(^^;

食の祭典というのはもう北海道の汚点とも言うべき、巨額の赤字を生んでしまい、衆院議長である元横道知事の退陣にも繋がった愚の骨頂の博覧会でした。
私は無料になった最終日に出掛けるついでに行ったのですが、赤字の理由が一目瞭然のしょうもないものでした。

インターネット時代の現代、上海万博が見せる新しい技術はどんなものがあるんでしょうね。
中国バブル崩壊に一歩進んだだけでしょうか。

日本で博覧会の話が出たら絶対にやめさせなければいけませんね!

2010/05/03 (Mon) 23:32

雑草Z

かつて地方でも沢山の博覧会

    BEMさん

 北海道だけでも、3つもあったのですね?・・どれも20世紀の終わりの頃(1980年~2000年)でしょうか?

 同じ頃、東北地方の各県でも色々あったようです。
全国では、一つ一つ覚えていないくらい沢山あったのでしょうね。そしてどれも「地域の活性化」などの名のもとに利権がらみで推進されたのでしょう。その「利権」は税金が大部分でしょう。税金が沢山無駄に消費され、一部の人の手元に流れ、会場となる場所の森林伐採などの自然破壊も沢山なされたのでしょうね。

「博覧会 開催するほどの 馬鹿じゃなし」

2010/05/04 (Tue) 09:18
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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