21世紀に文明が崩壊する根拠
人類が地球に加えてきた環境負荷は、(超)指数関数的に増加して、20世紀の後半に持続可能な限界を超えたと考えられています。そして21世紀に入った現在でも、更に環境負荷は増え続けています。地球環境が、持続可能な限界を超えた事は、地球の生態系が年々破壊され、縮小されているのを見れば明らかです。人間や家畜を除く殆どの動物や、農作物や園芸植物などを除く殆どの植物も・・森も、陸の野生動物も海洋生物も年々減少しています。・・生態系の繋がりを考えれば、一部の増え過ぎた種(=人類)が減り始めるのも時間の問題でしょう。
現代の人間社会が環境にかける負荷(・・エコロジカル・フットプリント・)を過去と比べてみます。いつの時代と比較してもいいのですが、ほんの100年前と比べても、その差・・・倍率に驚きます。紀元前と比べれば物凄い倍率になります。
紀元前の世界の人口や環境負荷の推定値などはかなりアバウトなもので、一桁違い(10倍や10分の1倍)くらいの誤差は当然でしょうが、そんな違いも気にならないようなアバウトな試算を行ってみます。
先ず、100年ほど前の西暦1900年頃と現代(西暦2000年ちょっと過ぎ・・)を比べてみます。
西暦1900年の人口は16億~17億と推定されています。(1900年でさえもそんなに正確な数値は出せません。)現在の4分の1以下です。また、1人当たりの環境負荷は、10分の1から100分の1と考えられます。(・・当時はまだ、いわゆる「未開」の民族が沢山いました。彼らの環境負荷は紀元前の人々とそれほど変わらないでしょう。)
地球に対する人類の環境負荷は
(人口)×(一人当たりの環境負荷)
と考えられますから、現在の人類の 環境負荷=環境破壊 の速度は、1900年当時と比べて現代を小さ目に見積もっても
(人口)4倍×(1人当たりの環境負荷)10倍=40倍
です。たった数世代(・・3~6世代・・)前の1900年頃の人類が1年かけて消費していた資源を、現在は10日以下で 消費=浪費 しているのです。
まあ、20世紀の100年間は、人口も経済も超指数関数的に増加した”特異な世紀”でしたので、ほんの100年でもこれだけ物凄い倍率になりました。・・その意味で20世紀は、異常なまでに破局への加速度を増大させた世紀と言う事になりましょう。そして、その延長線上に21世紀があるのです。
次に紀元前と現代とを比べてみます。
紀元前1万年くらいの世界の人口は100万人から1000万人くらいの間と推定されています。(・・相乗平均を取って、300万人くらいとしてもいいでしょう。・・指数関数的なお話ですから平均も相乗平均が理に適っているでしょう。・・)
そうすると現在の人口は当時の人口の700~7000倍です。
現在の人間が一人当たり消費している資源やエネルギーは、当時の人間の100倍から1000倍と考えられます。
以上から、現在の人類の 環境負荷=環境破壊 の速度は、紀元前10000年と比べて、少な目に見積もっても
(人口)700倍×(1人当たりの環境負荷)100倍=70000倍
です。
現代の人類が1年で破壊する地球の自然環境は、紀元前1万年の人類は7万年以上もかかたのです。(このくらいの数値になると、1桁くらいの誤差は気にならなくなるでしょう・・)言い換えれば、
紀元前1万年くらい前の人類 7万日=200年 分 の環境破壊を、現代の人類は1日もかからずに破壊するのです。(計算のアバウトさを考え、小さ目に見積もれば、現代の人類は、たった1時間で破壊するとも計算出来ます。)
かなり恐ろしい事を現代の人類は行っている事になりましょう。こんな単純な計算でも十分に現代人類の無節操な暴挙がわかるというものです。だから、昔の人間が無限に大きいと考えても大丈夫であった地球に対する環境負荷も、20世紀に持続可能な限界を超えてしまったのです。そして、その負荷は全然減っていません。減るどころか、いまだに増えているのです。流石に20世紀のような超指数関数的増加は物理的にもう無理でしょう・・・もう資源が枯渇しつつありますから・・それなのに、不足している物を無理に消費し続け、経済成長を続けようとすればどうなるか・・・それは破局しかないでしょう。指数関数的特徴から考えて、【地球の再生能力】はこれから100年は持たないでしょう。だから21世紀は文明崩壊の世紀なのです。人類も含んだ地球の生態系を全体で考えた、ガイア地球は、21世紀中に、生態系の活動の停止を始めるのです。人間の(経済などの)活動も制御不可能な崩壊を始めるでしょう。もうその兆候は世界の至る所で現れています。
・・・こんな預言はしたくはないですね。だから最後に文明崩壊しなくてすむ方法をかきます。・・・それは勿論、脱成長、縮小路線です。人口も経済も工業も・・人間活動の殆どを縮小して、十分に余裕のあるところで、安定するのがいいのです。
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