展望
今回はその破局がどのように訪れ、世界はどのような方向に進んでいくかをアバウトに展望してみます。当然、定量的なことはあてになりませんから、定性的なことを中心に描いてみます。
先ず、残念ながら成長主義に冒された指導者の下、世界の環境はこれからもどんどん悪くなって行くでしょう。勘違いしていけないのは、現在の環境対策は、大局的に功を奏しているとは言えないと言う事です。大掛かりなものほど、環境対策としては逆効果で、ますます環境を悪化させています。その代表が二酸化炭素削減に的を絞った温暖化対策です。・・・この件に関しては今までに何度も言及していますし、また改めて書く予定ですので、今回は詳しい内容は書きませんが、兎も角、間違った愚かな環境対策によって、地球環境はこれからも暫くは悪化の一途を辿るでしょう。・・悲しい現実です。
現代社会には自然の摂理に対する正当な感覚を持っている人が少なく、金融業を典型例に、社会のシステムも成長経済を元に動かすと言う愚行を続けてきたので、これを止めるのには大きな困難が伴うでしょう。しかし一方、理性で考えれば限りない成長を続けた結果の帰結は破局である事は明らかですので、この破局に突き進む洗脳「成長主義」を疑う人々も(指数関数的に)増えています。今はほんの一握りでも、いつか脱成長派が主流になるでしょう。(・・今世紀中にはなると考えています・・・)。そしてそこからが、やっとまともな環境対策、社会改革が始まり、持続可能な社会へ移行するのです。・・・しかし悲しいかな、その方向へ進むのが遅過ぎるでしょうから、その前に非常に大きな犠牲を払う事になりましょう。
現代社会には、早急に解決しなければならない深刻な問題が放置されて山積しています。食料不足、ゴミ・廃棄物問題、生物の種の絶滅、森林の減少、大気・水質汚染・・・これらの問題が複合して人間社会をどっと襲ってきています。それらを原因として、戦争になる可能性も高いでしょう。
これらの問題を解決するには
〔人類の環境負荷の総量〕=〔人口〕×〔1人当たりの環境負荷〕
を現在よりも桁違いに・・・現在の十分の一以下のレベルまで・・・早急に落とさなければならないでしょう。しかし現在、そんな根本対策はまだまだ実施されず、現在の対策は殆ど対症療法的で場当たり的な愚策です。人類社会は破局に向かって加速度さえ増しています。
だから成長を目指している狂った現代社会は、制御不可な経済と人口のダウンが、大きな事故などをきっかけに突然大波のように押し寄せてくるでしょう。
天災よりは寧ろ人災と呼ぶべき非常に大きな事故が何度か起こった後に突然始まるでしょう。・・・油田の流出、原発事故、・・・そして戦争突入・・。そのきっかけも十分に悲惨ですが、その後の破局、崩壊も、これまでに人類が経験した事が無いくらい悲惨なものになりそうです。
そんな経験を通して、やっと人類は成長主義の愚かさを思い知って脱成長路線に方向転換をするでしょう。
・・・・・・以上がこれからの社会の展望です。定量的な事は当てにならないと書きましたが、21世紀の展望・・と言わせて頂きます。そして、これはオプティミスティミストの面もある私の大げさではない展望です。世界中で脱成長派が十分に増え、一刻も早く脱成長の方向へ進み、破局、崩壊のレベルが少しでも小さく済む事を望みます。
今回描いた展望のそれぞれの部分のより詳しい内容や根拠について、これから数回にわたって描いて行こうと思います。
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