ブログ小説・恋「05幸せ」
シェアブログ1に投稿「お願いします!付き合って下さい!」
その言葉は、突然、発せられた。「私なんかでよいの?」と17回聞いた後に私達は付き合う事にした。
私の彼はカッコいい。別にノロケル訳じゃないけど、一瞬に歩いて、そう思う。一度、「どうして付き合おうって言ってくれたの?」と聞いてみると、照れて、答えてくれなかった。「私のどこが好きなの?」って聞くと、さらに照れて、「全部。」って言った。その日、彼と初めてキスをした…。あ、ノロケてるか…。
私の方はと言えば、キスまでしといて、何だけど、まだ、彼の事が「好き」という実感がない。と言うよりも、今まで「好き」と思った事がないのかも知れない。初恋はいつだっけ?あ、小学生の時か…。そんな風に考える時、自分が薄情、いや、情なんてないのかな?と思えてくる。
関係が深まるにつれ、私の中で疑問が膨らんでくる。だから、少し卑怯な聞き方をしてみた。
「ねえ、どうして、私の事、好きなの?」
「へ?」
「教えてよ。」
「また、その話?いや、それは、ちょっと、ホラ、照れるよ。」
「…ちゃんと言ってよ。付き合いだして、今もこうしてるけど、ちゃんと言ってくれないと、不安なんだよ。女は。」
不安と女を強調してみる。
「………。」
「………。」
しばらく沈黙が続いた後、沈黙を破ったのは彼だった。
「笑わない?」
「笑わない。」
「怒らない?」
「怒る?」
「いや、なんていうか。…あれは、小学生の時だった。」
急にに改まって、しかもナレーション口調だった事にいきなり笑いそうになる。
「俺は、鍵っ子だった…。」
「はぁ?」
「いや、だから、共働きで、学校から帰って1人だったんだ。」
いや、鍵っ子の意味は分かるのですが…。
「でね。小学生の時、親が出ている家って、それなりに需要があってさ。ホラ、たまり場というか…。」
「あー、うんうん。」
「でね。俺、こんな顔だから当時からけっこう、もてたんだよ。」
自分で言うか!?
「で、けっこう、女の子も遊びに来て、中には好きだって言ってくれる子もいたんだよ。」
「ふうん。」
「でもね、何か好きだって言われても実感なくて、高校の時とかも、付き合ったり別れたりあったけど、別に、なんともないというか、薄情なのかな?俺。」
「………。」
「うーんと、だからそんな感じ。」
そうか、そうだったんだ。って…
「それ、私の事好きな理由じゃないじゃない!」
「え?」
「いや、今の、ただの昔話。」
「あー………。だからね。俺、鍵っ子だったんだよ。」
また、鍵っ子かい!?
「でね。古田さんって、財布に鍵つけてるでしょ?キーホルダーで。」
「うん。」
「それ見たとき、あ、この人も鍵っ子だったのかなー?って思ったら、何か気になりだして、そしたら好きになってました。」
「はあ?」
「いやだから…素直に話したのだけど…。」
気がつけば私は笑い出していた。笑いは止まらなかった。今まで、私は難しく考えすぎていたのかも知れない。でもね、別に私は鍵っ子じゃないよ。彼も笑っていた。だから、私も笑った。笑い過ぎてお腹が痛くなったし、ちょっとだけ涙も出た。勿論、良い意味での涙だけどね!
END
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