doppeltX稽古日記17~集中力を爆発的に高める稽古
6月17日の稽古。
この日は、オフィシャルには稽古はお休みの日だったのですが、北青少年活動センターに部屋を取っていた関係で、個人練習をする事にしました。さらに、稽古場として借りていたけど、稽古が出来ない日をキャンセルしたり…。それ以前に、押さえてあったはずの今日の稽古場がキャンセルされていたので、確認をして、19時から使わせて貰う事に。
今日は、兼ねてからやろうと思っていた集中力を爆発的に高める稽古をやってみようと思っていた。やることは単純で、夏目漱石先生の作品、「坊ちゃん」をノンストップで読みつづけるという事だ。
実は、先日ブックオフで買った「坊ちゃん」がカバンの中に入ってなかった。どっかに落としたのか?と思い、京大に言ってみるが、先日稽古した所には落ちてない。
だから、その足でブックオフ三条京阪店に行き、105円で買う。
で、19時から北青少年活動センターで開始。途中に邪魔が入ると嫌だから、携帯は切る。やることは…、「坊ちゃん」をノンストップで読む。大声で、さらに、立ちっぱなしで。稽古場は二時間しか使えなかったので、最後まで読むことは出来ないだろう。だから、二時間で読める所まで読んでみる。
今回の芝居は、二時間、ずっと出っぱなしの役だ。二時間くらい大声朗読出来ないと絶対に駄目だ。
しかし、この稽古は、集中力はもとより、自分に自信を持つための自己啓発的な意味合いがあり、テレビでやっていたのを以前見て、「いつかやろう」と思ってた事だ。
二時間、声を、基本を大声を出しつづける事はマラソンに近い。座っても駄目だ。しかし、声を出して「坊ちゃん」を読むというのは、黙読では絶対に味わえない感覚がある。文学を体で味わえるのだ。
一時間を過ぎた頃、冗談抜きで体力勝負になってくるから、体力をセーブしながら、読み方をゆっくりにしたりして、自分をやりくりしながら、読み進める。
噛んだり、読み間違えたり、意味がわからなかったり、漢字が読めなかったりで、一瞬止まることはあっても、休憩のために休む事は許されない。まさに、マラソンだ。
しかし、どれだけ、セーブをしながら読んでいても、声を出さずにはいられない熱い下りがある。それは、坊ちゃんの正義に関する部分だった。「世の中、嘘をついたり騙したりして渡って行く事が正攻法であるなら、学校で道徳なぞ教えるな。」という一説があったと思う。
気が付けば、声が大きくなっていたし、涙も流していたし、鼻水だって流れていた。声を出さずにはいられないのだ。まさに、文学を体感している瞬間だ。
次は、山嵐が坊ちゃんを弁護する所。やっぱり気が付けば、声が大きくなっていたし、泣いて、鼻水が出ていた。
生き方が不器用で、正義を問いつづける人間は、坊ちゃんを音読すると絶対に泣く。音読と言っても、一時間以上はぶっ通しで読まないと駄目だろうな。
二時間、ノンストップで読みつづけて、90ページまで読めた。最後まで読みつづけるには、4時間くらい必要か?次にやるときに、リセットすると、多分、またタイムオーバーになるから、続きからやる。
今回の読書感想文は、「何か分からないけど、でかい声を出したい衝動に駆られて、気が付けば号泣していた。」って感じだ。
なお、今回こそ、90ページで終わったが、トレーニングとして、この先も…
①「坊ちゃん」を最後までノンストップで読む。
②「三四郎」を最後までノンストップで読む。
というように段階はあるし、人を背負って、宮沢賢治さんを朗読するとかも、効くらしい。
今回の稽古は、「マンガの夜」で相方を出し抜くために行ったのだが、実は相方にもやって欲しい。しかし、彼は、京大生だし、演劇で夢を見ているぽいけど、リアリストだし、頭が悪そうだけど、頭良いし、なんだかんだで器用だから、やらないだろうな。
こういう目からウロコ的な体験は、不器用で頭の悪い人間しか出来ないし、多分、そんなに、芝居の出来とは関係ない。しかし、演劇を続けていて、夏目漱石を全力で音読する事は、そうそう、ないだろうし、それは人生のスパンで考えてもそうだ。やってみた感想は、「こんなに素晴らしい事は早くやっておいたら良かった!」って感じだった。
とまあ、これくらい、挑発しておけば、やるのじゃなかろか?
ちなみにちょうど、二時間、つまり終了間際に、坊ちゃんに「外食禁止」が言い渡された上に、「天麩羅蕎麦」やら「団子」やら、食べ物の話も出てくる。二時間声を出していると、お腹も空いてくる。そのあたりは、ものすごく共感出来たのじゃなかろか?なんとなく、頭に「マクドナルド」のチーズバーガーが思い浮かんだので、稽古後食べに行った。
今日の稽古で、2時間「坊ちゃん」を読み続けるという「やったった感」を味わえたし、体で文学を味わうという満足感も得た。また、京都に演劇関係者は多かれど、二時間「坊ちゃん」を読み続けるという事をやったのは、僕くらいじゃないか?という優越感も。
最近の演劇関係者を見聞きしていると、頭も良くて、器用だけど、馬鹿な事や、効果のない事を信じられない人間が多いと思う。変にクオリティを求めたり、恥ずかしくない事を考えたり、分かりやすい馬鹿をやろうとしているのではないだろうか?その辺を突き詰めるとファブリーズとかに行き着く。
さて、今回の稽古で、精神力が鍛えられたと思う。しかし、精神力の向上=将来の安定や、卒業とかではない。何より、こういった活動が私から一般性を揮発させて、彼女とかが出来にくくなる。
でも、今日得た満足感は、そういった事から超越していた。今回の公演期間中に4時間くらい時間を作って、「坊ちゃん」を読破してやろう。絶対に、やってやる。
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