1)測定値の評価
まず1つ目に測定値の評価の難しさです。
「何dB以上であれば問題」といような規定が一般的にありません。よって、仮に上階からの歩行音が何dBか測定できたとしても、それが受忍限度を超えていると主張するのは難しいと思われます。
川崎市の「生活騒音対策に関する指針」では数値を示していますが、大まかにその内容は建物の床衝撃音の遮音等級を測定した上で、上階から伝わる歩行音等を測定し、指針の値と照し合せるというものです。よって、この指針に基づいて床衝撃音の遮音等級の測定を実施するには上階居住者の協力と周辺住戸の承諾が必要です。
2)上階からの音の特定
2つ目は対象の部屋で聞こえた音が上階で発生した音かどうか特定することの難しさです。対象の部屋で聞こえる音は上階だけでなく、周辺住戸からも伝搬してくるからです。居住者や測定員が聞いた音を上階だと思ったとしても、「個人の印象」でしかないので、証明のしようがありません。音の到来方向を測定する測定器として、弊社ではノイズビジョンという機器を開発していますが、マンションの場合、仕上げ材の影響を受ける為、上階の発生音に対して必ずしも天井を示すとは限りません。よって、ノイズビジョンによる上階の音の特定は困難です。
以上のように測定には「難しさ」が伴いますので、測定をした方が良いのかどうかも含め下記のようなところに、ご相談されることをお勧めします。
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター
(公財)マンション管理センター
楽器の種類や設置場所、建物の構造など様々な条件により仕様や価格が異なります。
弊社の音響室は、フルオーダーメイドになっており、物件毎にお客様のご要望をお聞かせいただきながら、様々な条件にフィットするようご提案します。
音響性能に関しても単に防音だけではなく「良い響きのある音空間」の提供も合わせておこなっております。そして、音響的な知識や経験を持った専門のスタッフが対応をさせていただき、音響内装に特化した専門の職人が丁寧につくりあげていきます。
参考で挙げますと、標準的なピアノ練習室約6畳で、建築音響内装および照明や換気などの設備関係もあわせて400万円からとなります。
工事期間に関しては、建物の工事条件にもよりますが、着工から約1カ月~1カ月半ほど期間をいただいております。
※各種条件によっても価格・工期の変動がありますので、ご了承ください。
長く・気兼ねなくお部屋を使っていただくために、条件に合わせた最適な仕様のご提案が重要と考えます。また、音響室は一般的な内装工事とは全く別物であり、材料の固定方法や配置など見えない部分も音に影響を及ぼします。まるで「大きな楽器」をつくるような作業なのです。私たちはこのように一つ一つ丁寧につくりこんでいくことで良い響きのある快適な音空間づくりを行っています。