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医療事故8件が外部有識者に認定された赤穂市民病院=赤穂市中広
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医療事故8件が外部有識者に認定された赤穂市民病院=赤穂市中広

 赤穂市民病院(兵庫県赤穂市中広)脳神経外科の男性医師が関わった手術で、着任から1年のうちに8件の医療事故が起きていたことが16日、市などへの取材で分かった。このうち腰椎の手術中に神経の一部を切断され、両足まひなどの後遺症がある女性(76)について病院側は医療過誤を認めたが、死亡例を含む他の7件は「手術が直接的原因になったとはいえない」として内容を明らかにしていない。

 市によると、この医師は2019年7月に着任した。関わった手術の後、経過が良好とはいえない事例が続き、8件の医療事故報告書が医師から病院長に提出された。

 内規に基づき、いずれについても外部有識者が手術の映像などを検証。その結果、女性が神経を切断された手術には医療過誤があり、同病院の医療事故の区分で2番目に深刻な「レベル4」(障害や後遺症が一生続く場合)に当たるとされた。他の7件については「濃厚な処置や治療の必要性」が生じるなどした「レベル3」の医療事故に当たるが、過失による医療過誤ではないと判断されたという。

 医師は病院から20年3月に手術の執刀などを禁止され、21年8月末に依願退職した。

 一方、医療過誤を認定された女性と家族は、市と医師に慰謝料など計約1億1500万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁姫路支部に起こした。女性は自力で起立歩行ができないほどの障害が残り、家族は「病院は過失を認めて謝罪したが、医師は虚偽説明を繰り返すなど誠実さが感じられない」と憤る。

 病院側は神戸新聞の取材に「この件は係争中で答えられない」としている。

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