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神戸市西区の6歳男児がなくなったことを受け、記者会見する市こども家庭局の丸山佳子副局長(右)と市こども家庭センターの高橋顕副所長(左)=23日午後、神戸市中央区加納町6、神戸市役所(撮影・長嶺麻子)
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神戸市西区の6歳男児がなくなったことを受け、記者会見する市こども家庭局の丸山佳子副局長(右)と市こども家庭センターの高橋顕副所長(左)=23日午後、神戸市中央区加納町6、神戸市役所(撮影・長嶺麻子)
6歳男児の遺体が見つかるなどした事件で、母親に対する監禁傷害事件で逮捕された容疑者4人の自宅の庭。冷蔵庫などが散乱していた=23日午前、神戸市西区玉津町居住
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6歳男児の遺体が見つかるなどした事件で、母親に対する監禁傷害事件で逮捕された容疑者4人の自宅の庭。冷蔵庫などが散乱していた=23日午前、神戸市西区玉津町居住
事件が報じられた23日夜、亡くなった穂坂修ちゃんが住んでいたとされる集合住宅にはブルーシートが張られ、花が手向けられた=23日午後8時10分、神戸市西区玉津町居住
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事件が報じられた23日夜、亡くなった穂坂修ちゃんが住んでいたとされる集合住宅にはブルーシートが張られ、花が手向けられた=23日午後8時10分、神戸市西区玉津町居住
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 神戸市西区の穂坂修(なお)ちゃん(6)が遺体で見つかった事件は、市が生前にあざの情報を把握した後、母親から修ちゃんの一時保護を求められるなど、虐待を疑う兆候はあった。幼い命を守れなかったことに専門家は「行政がリスクを正確に把握しないまま、状況が急速に悪化していった」と対応の不十分さを指摘する。

 市は母親の沙喜容疑者(34)を出産前から「特定妊婦」として支援しており、修ちゃんは「年明けまでは毎日保育園に通い、発育も順調」と認識していた。

 ところが2月以降は園を休みがちになり、久々に登園した4月、体にあざが見つかる。その際に沙喜容疑者は「育てにくさがある」と区職員に一時保護を要望したが、区と市こども家庭センター(児童相談所)は家族が翻意したこともあり、保護を見送っていた。

 元児童相談所長でNPO法人児童虐待防止協会の津崎哲郎理事長は一連の対応について「客観的に見れば異変が続いている。課題を抱える家庭と認識していたのなら、要望が取り下げられても積極的な実態把握を行うべきだった」と話す。

 当時は叔父の大地容疑者(32)が同居し始めた時期とされ「他者が入ってきたことはリスクと判断すべき情報だった。それで家庭が一変することはままある」と指摘。ベランダで泣く修ちゃんの姿を目撃した近隣住民もおり「民生児童委員を通じた情報収集もできたのではないか」とみる。

 市は当時のリスク判断として「『職権』で介入する一時保護は困難で、家庭との関係性を重視しながら養育状況を見極めていた」と説明。これに対し津崎氏は「状況の悪化を認識し、職権での保護を視野に情報収集をしていなかったことが原因と言える」と語った。

 市は今後、学識者らによる第三者委員会を設けて対応を検証する方針。(井沢泰斗)

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