ロシアの侵攻を受けるウクライナの現状を訴えようと、神戸市内に住むウクライナ避難民らの集会が28日、神戸・三宮のサンキタ広場であった。女性を中心に約30人がスピーチをしたり歌ったりして、通行人に平和の大切さを呼びかけた。
一般社団法人「神戸国際支縁機構」(同市垂水区)の主催。ウクライナの憲法が施行された1996年6月28日にちなんで開いた。侵攻1年の2月にも同広場で追悼の集いを開催した。
集会では、国旗と同じ青と黄の衣装を身にまとい、「日本ありがとう ウクライナに平和を」と記した横断幕を掲げて主張。愛国歌を響かせたり、母国へ平和の祈りをささげたりした。同機構が寄付も呼びかけ、8万円余りを集めた。
戦争孤児が暮らせる施設整備のため、今月、ウクライナに5度目の訪問をした同機構の佐々木美和事務局長(31)は「犠牲になっているのは何の罪もない子どもたち。私たちは何ができるでしょうか?」と声を詰まらせ、訴えかけた。
昨年4月、南部オデッサから姉らと避難してきたクロコバ・ヴィクトーリアさん(58)は「毎日ニュースを見て心が痛む。若い人も亡くなっているのがすごくつらい」と明かす。侵攻の長期化に「明日さえどうなるかわからない。早く終わってほしい」と願った。
南東部ザポロジエから昨年10月、娘と一緒に避難したインナ・フェードロワさん(45)は、首都キーウ(キエフ)に残る夫と学生の長男が心配で毎日電話しているという。「心はずっと向こう(母国)にある。どこの国もいつ戦争になるか分からない。自分の事として感じて」と語った。
集会を見守った神戸電子専門学校2年の三好航馬さん(19)=同市中央区=は「戦地の生々しい現状を実感した。人ごとと感じられないので、早く戦争が終わってほしい」と話した。(井川朋宏)
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