発生から半世紀以上たってもなお被害の全容が見えない食品公害「カネミ油症」。23日には全国油症治療研究班が、被害者の子や孫らに先天性異常の口唇口蓋裂が生じる割合が一般よりも高いなどとする調査結果を報告。直接油を食べた世代だけでなく、次世代への健康被害が示された。被害者の渡部道子さん(67)=兵庫県姫路市=の長男潤一さん(37)=たつの市=が初めて報道機関の取材に応じ、心境を語った。(小尾絵生)
カネミ油症は、カネミ倉庫(北九州市)製の食用米ぬか油に化学物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)やダイオキシン類が混入して健康被害が発生。約1万4千人が健康被害を訴えたが、認定患者は全国で計2370人にとどまる。
渡部道子さんは、小学生の時に転居先の長崎県・五島列島でPCBが混入した米ぬか油を食べた。極度な虚弱体質になり、中学生で卵巣がんを患うなど、病気と闘う人生を歩んだ。
潤一さんは予定日より2カ月早く、1460グラムの低体重で生まれた。就学前は発熱とけいれんによる入院を繰り返し、1年の半分を病院で過ごした時期もある。病弱でアトピー体質の子どもだった。
道子さんは2011年から油症被害者関西連絡会の代表を務める。ただ潤一さんに対しては、申し訳なさや避ける気持ちから、油症の詳細を語ることは避けてきた。潤一さんもなんとなく知っている程度で、はっきりとした認識はなかったという。
「おかあがくらったのは、大変なことだったのかも」。潤一さんがそんなふうに思うようになったのは最近のことだ。21年に子や孫世代への健康調査が始まったことや、建築関係の仕事に必要な資格試験の勉強をする中で、公害としてのカネミ油症を改めて知った。
現在大きな健康問題はないが、心臓の検査で再検査になるなどし、「心配はいつも頭の隅にある」という。小学生の子どもが2人おり、下の子は病気の疑いのため生後数カ月で髄液検査を受け、最近も健康診断で心臓の精密検査が必要になった。
「何がカネミ油症の影響か明確な線引きは難しいが、子どもたちへの影響は今後も注意深く見ていかなければならない。何世代にもおよぶ健康問題を無視しないでほしい」と語った。

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