製造工程における品質管理と安全性向上を目的とした手法を紹介しています。高感度ATP法による微生物検出や、残留塩素濃度の測定、フリーズドライ工程の監視、排水処理設備のpH測定などを通じて、食品の製造環境とプロセスの効率化と最適化に貢献します。
ビール由来のバックグラウンドATP*を洗浄処理によって低減することで、ビール中の汚染微生物由来のATPを検出できます。迅速な検査によって即日出荷の判定が可能となり、市場への迅速な出荷や在庫管理費の低減に貢献します。
* ATP (Adenosine triphosphate):アデノシン三リン酸
野菜の洗浄に用いる洗浄水の殺菌効果を確認するには、洗浄水の残留塩素濃度およびpH値のモニタリングが重要です。残留塩素濃度モニター UP-400CLのセンサは、独自の測定技術(特許出願済み)により、野菜からの溶出物による影響を受けにくく、野菜洗浄中も安定して測定できます。
* ホウ素を添加した導電性ダイヤモンドです 。高感度、高い耐久性を有した電極です。慶應義塾大学 栄長泰明教授との共同研究の成果に基づくものです。
残留塩素濃度モニター
フリーズドライ工程では、水分を含んだ原料を急速凍結させ、その後減圧し、真空状態で水分を昇華させ、乾燥状態にします。このため、一連の工程を行う乾燥機において、内部(チャンバ)の真空・乾燥状態の監視は品質管理の重要な要素となります。
食品製造工場では、効率的な排水処理のためにpHの測定がおこなわれています。処理前の排水(原水)は有機物が多く、電極が汚れやすいため、洗浄頻度が高い、電極が短寿命になるなどの課題が挙げられます。
【食品工場の排水処理設備の事例】
既設のpH電極の場合、有機物を含む試料で覆われた一方、セルフクリーニングpH電極はpH応答ガラス膜及び液絡部周辺に汚れの付着が見られず、防汚効果を発揮しました。
無補充式セルフクリーニングpH電極