食品中に混入する無機物、有機物、昆虫、金属などの異物を特定する技術を紹介します。蛍光X線分析を用いることで、異物の成分や性質を迅速かつ正確に解析し、食品の安全性と品質管理を支援します。
軽元素測定が可能なXGT-9000 Expertなら、これまで複数の装置を用いて分析する必要があった有機物や酸化物、窒化物などの分析をこの一台でできるため、食品に混入した金属以外の樹脂などの異物分析にも役立ちます。また、試料室は大気環境下での測定が可能なため、含水試料や含油試料の分析も可能です。
製品に混入したハエなどの昆虫には、カリウム(K)や硫黄(S)など、多くの元素が含まれています。これらの元素の測定結果から昆虫が製品に混入した時期を推定できる可能性があります。ビールに3週間浸漬したハエを分析し、カリウム、硫黄の溶出状況を比較し、浸漬後にハエ体内の元素量が減少していることを確認しました。
目視や顕微鏡観察では判別が難しい表面の異物も、蛍光X線を用いた元素分析により、それが金属異物かどうかを判断することができます。また目視では確認できない埋没している異物も、透過X線を使用して可視化することもできます。
元素分析の結果、粒子Aは鉄粉(Fe)であり、粒子Bは金属異物ではないことがわかりました。
意図的に異物を埋めたソーセージを測定した事例を紹介します。 試料によって蛍光X線が吸収されるため、蛍光X線だけでは見つけられない食品に埋没している異物も透過X線により可視化できます。
微小部X線分析装置 (X線分析顕微鏡)
パックされた食品を開封せず異物の元素分析ができます。異物の元素が鉄(Fe)であることが判明し、金属がパック内に混入していることがかりました。
卓上型蛍光X線分析装置