過去の入居者が事件や事故で亡くなっている物件のことを「事故物件」と呼んでいます。
周辺の相場よりも家賃が格安なマンションに入居したら、実は「事故物件」だったということがあるかもしれません。
しかし、「事故物件」の定義は曖昧で、管理会社による告知義務にも明確なルールが存在していません。
そこで今回は、「事故物件」と知らずに引っ越してしまった場合、どのような対処があるのかについて紹介します。
事故物件の定義は難しい
「事故物件」とは、殺人・自殺・自然死などで入居していた人が亡くなっていたことのある物件です。誰でも、人が亡くなった場所で寝泊まりするのは気が引けますよね。もし、そんな物件だとしたら、引っ越す前に知らせてほしいものです。
しかしながら、現実問題として事故物件を定義づけるのは難しいのです。例えば、全国ニュースにもなるような殺人事件が起きた後すぐに引っ越すとなれば、それは事故物件と言えるでしょう。
しかし、何十年も前に自殺があった部屋だけど、マンション全体が完全にリノベートされている場合はどうでしょうか?はたまた、病気などでその部屋で亡くなった人がいた場合には?
法律では、「心理的瑕疵(かし)」といって気分的に問題がある物件についても、宅地建物取引業法の「瑕疵担保責任」にのっとり、事前に告知することを義務付けています。とはいえ、この心理的瑕疵には明確な定義がなく、告知義務における期間は定まっていません。
そのため、入居者が亡くなった後に、別の人が一度でも入居した物件であれば、賃貸履歴を挟んだということで、告知されないケースもありうるのです。
事故物件と知らずに引っ越したら、家賃は値下げしてもらえる?
引越した後に、その部屋が事故物件だと知ったら・・・家賃を下げてもらったり、賠償金を支払ってもらうことはできるのでしょうか?「心理的瑕疵(かし)」の告知義務違反に基づいて、借り主が貸主や不動産仲介業者を訴えたという裁判はそれほど多くなく、家賃交渉ができるという確証はないようです。
もし、知らずに事故物件に引越してしまった場合は、一度貸主や不動産業者に相談してみましょう。
きちんと部屋をリノベートしているなど不動産会社側の対応にもよりますが、事故物件は劇的に家賃が安いという点をメリットに感じて住む人もいるため、各種費用の返却が必ずしも行われるとは言えなさそうです。
事故物件を見分ける方法は本当に通用する?
引っ越す前に事故物件かどうかを見分けるにはどうすれば良いでしょうか?
巷で一番良く言われるのが、「極端な家賃の安さ」です。実際に事故物件と告知されている物件は相場価格よりもかなり安い家賃が設定されています。しかし、事故物件ではなくても、家主さんがどうしても借り手がほしいという場合に家賃を下げている場合もあります。
また、「定期借家」も事故物件の可能性が高いと言われます。定期借家は1年や2年といった期限付きの借家のことです。賃貸として長期的に借りてほしいはずなのに期限付きというのは、何か理由があるのではないかと予想する人もいますが、実際は期限後に取り壊しなどが予定されている場合もあります。
「マンション名が変わった」という場合も、通常では考えられないので疑ってしまいますが、オーナーが変わっただけというケースもあります。
このように、巷の噂レベルでは、その物件が事故物件かどうかは分からないものです。
事故物件に絶対に住みたくないという人はどうすればいい?
事故物件に住まないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
事故死や事件死があった場合、オーナーには告知義務があるので、過去の記録をさかのぼってもらえれば、その部屋が事故物件なのかが分かります。
ところが、オーナーや仲介業者が変更になった場合は、引き継ぎがきちんと行われていないケースもあり、その場合は、事故物件かどうかについては分かりにくくなるでしょう。
事故物件を避ける方法の1つとして、①新築物件を選ぶ、②新築以降オーナーおよび管理会社が変わっていない物件を選ぶと良いでしょう。
不動産業者はできるだけ、地元密着型の昔からある不動産業者を選ぶと良いと言われます。地元の情報に精通している不動産業者は、大家とも懇意にしている場合が多いので告知義務を守る傾向にあります。
また、インターネットで調べるというのも一案です。マンション名で検索すると過去の事件が出てくる場合もあります。
変わりつつある事故物件への意識
ここまで、事故物件について紹介してきましたが、いかがでしたか?
「事故物件」に対処していくのは、なかなか難しいのが実情です。一般的なケースでは、自殺や殺人などが起きた事故物件であっても、告知義務の期間は2~3年程度が目安というのが通例になりつつあります。
事故物件に住んでしまわないためには、不動産業者への確認や相場よりも極端に安い物件を選ばないようにすることが大切でしょう。
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