マンションや一戸建てを購入する時はもちろんのこと、近年では、引越しの際にも「地震に強い家」を意識する人が多くなりました。間取りや専有面積も大切ですが、安全性はある意味もっとも大事なポイントとも言えるでしょう。
地震に強いマンションや家の構造には「耐震」「免震」「制震」などがありますが、実際のところ、どれが一番効果的なのかご存知でしょうか?今回は「耐震」「免震」「制震」の違いやメリット・デメリットについて紹介します。
耐震構造とは?
世界有数の地震大国である日本は、大きな地震が起きるたびに「建築基準法」が見直されてきました。国土交通省では、東京オリンピックが開催される2020年までに建築物の耐震化率95%以上を目標としています。「耐震構造」と聞くと、地震に耐えられるほどの頑丈な建築構造を思い浮かべる人が多いかと思います。その通り、「耐震構造」とは建物を構成している「壁」をとにかく頑丈にして、建物の強度を向上させます。例えば、学校や古いマンションなどの大型建築物は建て替えるのが大変です。
そこで、「耐震ブレース」という梁や柱などを補強する工法がとられることがあります。また、耐震壁の新設などを行うことで、建物全体を補強する場合もあります。
家の新築やリフォームにおいても、耐震壁を使うことが多くなってきました。現在の新耐震基準では震度6~7程度の地震が起きても倒壊や損壊がないように補強されることが目標となっています。
- 【耐震構造のメリットとデメリット】
- <メリット>
・従来の設計構造を変える必要がないので、リフォームにおける制限がほとんどない。
・台風などの強風で建物が揺れることが少ない。
・建物が倒壊する可能性が低くなる。
<デメリット>
・地震の際、揺れがダイレクトに伝わるので家具などの転倒や落下の危険性が高くなる。
・上層階になるほど揺れが激しくなる。
・地震があるごとに建物が損傷していく可能性があるので、修繕費用が高くなる。
免震構造とは?
日本国内の工法で最も使われているのが「耐震構造」ですが、東日本大震災のような想定外の巨大地震では建物が倒壊してしまう可能性もあります。そこで、注目を集めるようになったのが「免震構造」です。免震構造とは、地面と建物の間に「免震装置」を挟むことによって、地震の揺れを建物に伝わりにくくするシステムです。よく使われている「免震装置」は積層ゴムと呼ばれるゴムが主流となっています。
これらは、巨大地震が起きても地震の振動を50~80%近くも吸収すると言われています。高層マンションなどの耐震構造では上層階の揺れが激しくなりやすくなりますが、免震構造により高層マンションやビルの建築もより安全に建てられるようになりました。
- 【免震構造のメリットとデメリット】
- <メリット>
・地震の際に建物の揺れが大幅に抑えられるので建物の損傷が少ない。
・高層階の揺れも耐震構造の約3分の1程度で済むと言われるので安心感がある。
・建物内での家具の転倒や損壊被害が少なくなる。
<デメリット>
・台風などの強風の場合、建物が揺れやすい。
・縦揺れの場合は効果が発揮されにくい。
・工費や定期点検などのメンテナンス費用が高い。
制震構造とは?
建物の揺れを抑えることができる「免震構造」が被害を最も少なくさせる構造だと言われています。しかし、免震構造であっても、縦に激しく揺れる直下型地震においては横揺れの地震ほど効果を発揮できない場合があります。また、強風に弱いというデメリットもあります。
そこで、近年、導入が増えつつある「制震構造」にも注目が集まっています。制震構造とは、耐震構造の建物の柱や壁などに、地震や強風による揺れを吸収する制震装置を導入するものです。制震ダンパーなどと呼ばれる制震装置は、オイルやゴムによる弾性を利用した装置で、建物自体に「しなり」を与えるものです。最近では一般的な住宅にも普及しつつある地震対策法で、超高層ビルなどにも有効とされています。
- 【制震構造のメリットとデメリット】
- <メリット>
・地震による建物の損傷を抑えられる。
・耐震構造よりも揺れが抑えられ、くりかえしの揺れにも強い。
・地震だけじゃなく台風など強風による被害にも効果的。
<デメリット>
・地震の揺れを抑える効果は免震構造ほどではない。
・耐震構造より費用が高くつく。
・後付の制震ダンパーの場合、効果が薄れる可能性がある。
まとめ
このように、地震や台風による建物の揺れから家を守る技術には、それぞれメリットとデメリットが存在します。地盤の状態や建物の高さ・構造、コストなど、総合的な判断から、地震対策がきちんと行われているかを確認することが、引越しの際の重要なポイントとなりそうです。
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