やすだ 😺びょうたろうのブログ(仮)

安田鋲太郎(ツイッターアカウント@visco110)のブログです。ブログ名考案中。

現実逃避

サイバーグノーシス主義について、その他

幾人かの、このブログを読んでくれそうな人たちの顔を思い浮かべながら書いている。 じつは、今回でこのブログも百本目になるので、ちょっとした反省をまず書いておきたい。このブログは、少々かたちを整えすぎている。そのせいで書くのも読むのも堅苦しくな…

ヒトは虚構と現実の区別が苦手である/アントン症候群、その他の事例

アントン症候群、というのは2017年の報告によれば世界で28例しか報告されていない、まあ奇病中の奇病と言っていいだろう。 この症候群はひとことで言えば、失明したにもかかわらず失明したことを認識出来ない疾病である(まれに聴覚についても同じことが起こ…

飲み、打ち、買い、そしてヒトは狩る

神話学者のジョルジュ・デュメジルは、ある時、日本の文化人類学者である船曳建夫に次のように語ったという。「インドの神話では、英雄たちは四つの楽しみを持っている。それは酒、博打、女、狩猟だ」。 船曳はデュメジルに対し、「日本では"飲む・打つ・買…

夜の鮮烈さを以て……

恐れる必要などない。他人のブログを読んだところで何も変わりはしないのだから。 休み明けの通勤、駅に向かう途中にふと超能力が使えたら、たとえば時間を巻き戻せる能力があったならば、すべてのミス、それも仕事だけではなく人間関係上のトラブルや失敗し…

秘かな時間を持つこと

時には誰もが寝静まった夜に、ひとり起きていたい。 そういう時間を、ツイッターを始める前は多く持っていた。独身の頃はさらに多く。 それは確かに、孤独と隣り合わせではあった。人の集まりに顔を出す、しばらく会ってない友人には連絡を取るといった社交…

真実の夢、共有される夢、眠りなき夢

J-B・ポンタリス『魅きつける力』は一九九〇年、リヨン近郊のトマス・モア文化センターで行われた同氏の講演を元に加筆修正された比較的薄めの本である。そのなかで、書名にもなっている夢の牽引力 force d attraction (すなわち「魅きつける力」)について…

貴族たちの現実逃避

ホイジンガの描く、晩期中世の貴族たち。現実に打ち破れ、いそいそと夢やまぼろしのような宮廷に引きこもって、絵空事に明け暮れる、その逃避のさまを愛惜するのは当然の感情のように思える。 しかしこのシンパシーは信用に足るものなのだろうか。そうはいっ…