猫の生活

　一昨日、天気が良いので山の上のパン屋さんまパンを買いに行きました。

　

　久しぶりの遠出で気分が良いので、パンを買った後、小別沢の方まで行って見ました。

　

　家を出て間もなく雪が降り始めましたが、小別沢に来るころには、また止みました。

　

　この辺りは一面野菜畑なのですが、今は完全に雪に埋まっています。

　

　秋口まではここまで来れば、農家の販売所で安くて新鮮な野菜を買えたのに・・・・・・。

　

　二の腕程もあるズッキーニとか、赤ん坊の頭ぐらいあるコリンキーとかが、百円で買えたのに・・・・・。

　

　この雪原を見れば、夢幻のようです。

　

　それにしてもいつもここに来たら思うのですが、この辺りの農家は昔は大変だったでしょうね。

　

　だってここは山の上なので、水の便は悪く水田は絶対作れません。

　

　だから畑ばかりなのです。

　

　今は大消費地札幌を抱えて、野菜だって良い値で売れるし、農園の一部を菜園として市民に貸したりしている農家もあります。

　

　しかし昔は野菜を売って生活を建てるのは難しかったと思います。

　

　そして昔は道路の除雪なんかなかったから、冬は街に出るのも大変だったでしょう。

　

　直販所で野菜を買える時は、野菜の事しか頭になかったけれど、こうして雪原になった畑を見ると、イロイロ考えてしまいます。

　

　雪の畑を歩いている内に日が傾き始めました。

　

　それでも冬至の頃に比べると日暮れは遅くなりました。　4時になっても十分明るいのですから。

　一昨日の午前中は綺麗な快晴でした。

　

　思い返せば昨年末から、快晴の日は数える程しかありません。

　

　朝起きて、窓の外を見たら綺麗に晴れていても、昼前から曇り始めて、やがて雪になる・・・・・。
　こんな日が延々と続いています。

　

　けれど一昨日は昼過ぎても、まだ晴れて居ました。
　だから久しぶりに少し遠出をする事にしました。

　

　目的地は山の上のパン屋さん！！
　丁度パンが無くなって来たのです。

　

　ところが家を出て30分もしないうちに、天気が怪しくなってきました。

　

　そしてパン屋を出た時には、もう完全に雪模様です。
　オマケにこの日はワタシの好きなレーズンラスクが売り切れでした。

　

　　それでも久しぶりの遠出だから、ついでに福井堰堤も見ていこうと思いました。
　しかし福井堰堤に向かい始めると雪がドンドン降って来ました。

　

　その上堰堤に向かう遊歩道は完全に埋まっていました。
　遊歩道は諦めて別の道路を行くしかありません。

　

　道路へ出ると太目のコーギーに出会いました。　彼は寒さなんかヘイチャラで、雪の上を転がってふざけてはご主人を困らせて居ました。
　太目の人は寒さに強いと言うけど、犬も同じなんですね。

　

　堰堤の近辺に来ると雪は益々酷くなります。

　

　堰堤にたどり着くと、滝は完全に凍っていました。

　

　と、いうか滝の表面に分厚い氷のカバーが掛かり、水はそのカバーの下を流れ落ちているのです。
　
　

　そして滝の向こうにあるはずの藻岩山も手稲山も全く見えません。

　

　堰堤から更に上の御別沢の方に向かうと、雪は止みました。
　しかしやはり手稲山は見えません。

　

　しかし海の方をみると、石狩湾の彼方の雄冬の山々が見えます。
　近くの手稲山は見えず、彼方の雄冬山系が見える。
　不思議な世界です。

　
　
　

　お正月からずっと札幌は寒い日が続いています。　
　殆ど毎日真冬日なのです。　今日も最高気温はマイナス5℃でした。
　よもちゃんはと言えば・・・・・・・。


　

　Ｚｚｚｚｚ・・・・・・。

　

　Ｚｚｚｚｚ・・・・・。

　よもさん、チョッと、何でまたご飯残したのよ？　何でちゃんと全部食べないのよ？

　　

　？？
　ご飯？　ああ、だって美味しくないんだもの？

　何言ってるのよ？　高級猫缶なのよ。
　何処か具合が悪いの？　だったらお医者さんへ行きましょう？

　

　あら、ワタシは元気よ。　でも不味い物は不味いのよ。

　
　またそんな贅沢言って！！
　北朝鮮の子供達を知ってる？　お肉も魚もお米さへも満足に食べられないまま餓死してるのよ。

　

　何でそんな差別をするのよ？

　差別？？　

　

　だって猫を朝鮮人と一緒にするなんて差別よ。　猫権侵害よ。

　よもさん、幾らなんでもその言い方は無いわ。　在特会の会員のわたしでも酷いと思うわ。

　

　酷いのは同居人よ！！
　何で猫が朝鮮人並に扱われなくちゃならないのよ？

　

　猫が日本人を拉致した？
　猫が不法入国して「強制連行された」なんて言った？
　猫が売春して、後から「強制連行されて慰安婦にされた」何て言った？
　猫が自衛隊から銃弾借りて、お礼も言わないなんて無礼な事した？

　してないわ・・・・・・。

　

　ホラ！！　猫は朝鮮人みたいなことはしないわ。

　
　でも猫も朝鮮人も自己中で気まぐれで恩知らずよ！！

　

　でも猫が幾ら恩知らずでも、自衛隊から銃弾を借りて、お礼を言うどころか「緊急じゃなかった」とか「遺憾の意を示す」とか最低の嘘と恥知らずを繰り返して「チョッパリの恩なんか受けないニダ！！」って言い張るような事はしないわ。

　そ、そりゃあそうだけど・・・・・。

　

　そもそも同居人は猫は自己中で恩知らずって言いながら、何でワタシと一緒に暮らしてるのよ？

　
　そ、それは・・・・・・。

　

　それは、ワタシが可愛いからでしょう？

　そ、それは認めるしかないわ。

　

　そうよ！！　猫は可愛いのよ！！
　で、朝鮮人は可愛い？

　ま、まさか！！

　

　そうでしょう？
　猫は我儘で自己中で恩知らずで、人の言う事なんか聞かないけれど、可愛いから何をしても良いのよ。
　だから朝鮮人とは違うわ。

　

　だから猫と朝鮮人を一緒にするのは、猫権侵害なのよ。

　わかったわ。　それだけ好き放題言える所を見たら、体の具合が悪くて食欲が無いわけじゃない事は確かね。
　そうやって一日ストーブの前で寝転がっているんだから、食欲だってないわけだわ。
　もう勝手に刷れば良いのよ！！

　

　同居人はネットばかりしていて運動不足のクセに、食欲前回だから太るのよね。

　五月蝿い！！！

　

　Ｚｚｚｚｚｚ・・・・・・。


　外は寒いので、よもちゃんはストーブの前で寝てばかりいます。
　これじゃ食欲もないですよね。
　でもその割には結構食べているんですよ。

　買い物を終わってスーパーを出ると、もう日が暮れ始めて居ました。

　

　そして雪が降り始めました。

　

　今年は年明けから「これでもか」と思うほど雪の日が続いています。

　

　そのためか、それとも原発の停止で原油高が続くためか、野菜が滅茶苦茶高いです。

　

　それでもスーパーで安いホウレンソウを見つけたので、喜んで買いました。

　

　帰り道に続く店先に明かりがともります。

　

　明かりの前を通る度に、そこに引き寄せられそうになりますが、もう買う物はないので、頑張って通り過ぎます。

　

　商店の無い街並みは暗く沈みます。

　

　帰り道は遠くないのですが、それでも何か哀しいです。

　

　そしてまた明かりを見て、あの明かりの中に居る人々を想像します。

　

　歩道の脇に雪の山が高く積もっています。

　

　小さな店は雪の壁に隠れて並びます。

　

　そして切なく輝きます。

　

　明かりの中へ入っていく人は喜びに輝くように見えます。

　

　それでも我が家はもうすぐそこなのです。

　

　だから暗い道へ入って行きます。　家ではよもちゃんが待っているのですから。

　
　

　

　大雪の夜、わたしは庭の灯油タンクからストーブの灯油を補充する為に外にでました。　よもちゃんも付き合って外に出たのですが、勝手に遊んでいるウチにわたしの姿を見失いました。
　さあ大変！！
　よもちゃんは、必死にわたしを探します。


　

　同居に～～ん！！　何処に居るの～～！！

　

　ゆ、雪が深くて進めない！！

　

　このままじゃワタシも遭難するわ！！

　

　で、でも諦めない！　ワタシは同居人を助けるわ！！

　

　アイツが幾らバカで能無しで不細工で、どうしよもないダメ人間でも、ワタシのたった一人の同居人なんだから・・・・・。

　

　ああ、神様、どうか同居人を助けて下さい！！
　神様が同居人を助けて下さったら、ワタシは一生神様に感謝します。

　

　ああ、こっちにもいない！！

　

　同居に～ん！！　返事をして～～！！

　

　同居に～～ん！！

　よもさん、呼んだ？

　

　同居人！！！

　

　ど、同居人？？　何処にいたの？

　どこって家の中よ。　

　

　な、何て勝手に一人で家に入るのよ？

　だって灯油は入れ終わったし、よもさんは外で遊んでるって言うし・・・・・。

　

　あら、雪が少し収まったわね。　さっきまで凄い吹雪だったのに嘘みたい。

　

　同居人なんか大嫌い！！　雪の中で遭難すれば良かったのよ！！

　よ、よもさん！！


　カワイソウなよもちゃん。
　でもよもちゃんの気持ちはわかります。　わたしだってよもちゃんが居なくなって散々心配して捜した後に、ノンキな顔をして出てきたら、ムカつきますからね。　

　
　

　
　でもよもちゃんは直ぐに機嫌をなおしてくれました。
　それから直ぐに寝てしまいました。


　　　

　Ｚｚｚｚｚ・・・・・・。


　さっきの遭難救助で疲れ果てていたのですね。