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夏の蔵出しシリーズ?浅草・今戸~吉原あたりをブラリ散歩④

9月に入ったのにまだ暑い日が続き、外に出るのも危険です?!過去にため込んだ写真を「蔵出し」して当座をしのぐシリーズ(笑)をまだまだ続けますよ~(^▽^;) という事で 

浅草 今戸(いまど)~吉原(よしわら)あたりブラリ散歩 
④ 一葉記念館、吉原神社、吉原大門跡、見返り柳 など


撮影:2024年2月3日 Canon PowerShot G3X 


▼浅草今戸~吉原ブラリ散歩アクセスマップ (Googleマップより作成)

今戸吉原ブラリ散歩アクセスマップ


1 浅草から三ノ輪に出る大通りには、昔ながらの商店がありました。左は「提灯の今井商会」隣は「肥田野四郎商店 紙屋」さんです。
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2 「肥田野四郎商店」さんの看板建築は、「デンティル」と呼ばれる出歯のような装飾が施されていておしゃれでしたぁ!
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3 大通りから右斜めに入る道をしばらく行き、さらに左に入り北上すると、一葉記念館の前に一葉記念公園があり、石碑が建っていました。(ちなみに気づかなかったのですが、滑り台には人力車の絵が描かれ、ベンチも人力車の形をしているんでそうです!残念)
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4 もともとは、1938年(昭和13年)に「竜泉寺公園」という名前で開園しましたが、戦災で荒れ果てたので、1949年(昭和24年)に地元のみなさんが再整備して失われていた一葉記念碑を再建し、公園名も改められたそうです。この「一葉記念碑」は、再建されたもので撰文は菊池寛によります。
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5 こちらは「一葉女史たけくらべ記念碑」です。1951年に建てられたもので、小説「たけくらべ」の舞台となったのが、公園のある竜泉一帯だったそうです。
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6 公園内の解説板です
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7  公園の正面に、「台東区立一葉記念館」があります。
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※台東区立一葉記念館オフィシャルサイト


8  大人300円、開館9:00~4:30です。
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9 展示物の中に、昔の吉原の地図がありました。下谷竜泉寺町に「一葉宅」があります。
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10 こちらは館内の様子です
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11 これも展示物ですが「東京名所 待乳山の雨」というものですが、墨田川を渡し船が進んでいきますが左奥には待乳山聖天が見えていて、右手にはかつての吉原へ続く山谷堀が描かれています。
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12 樋口一葉と言えば、最近(平成16年でした)では5,000円札に描かれていて話題になりました?!展示されているお札は、日本銀行から寄贈されたもので、番号がA000002Aだそうです。ちなみに、1Aは貨幣博物館に収められているとか。
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13 こちらも展示物ですが、明治28年に発行された「文藝倶楽部」第1巻臨時増刊号に一葉が紹介されていました。
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14 一葉記念館が開館した際の、当時のポスターです
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15 一葉記念館の地図を見て、改めて「一葉の旧居跡」を訪ねてみました。反対側を歩いていたので、全く気がつかなかった看板です。
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16 「一葉記念館」近くにある「飛不動」を訪問しました。1530年に本山派修験僧の正山上人により開かれた修験系天台宗の単立寺院です。
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※飛不動オフィシャルサイト


17 奉納額です
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18 オフィシャルサイトには「空飛ぶお不動さま」「Fling Deity Tobihudou」なんて書いてありました。
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19 「飛不動」の云われは、昔住職が大和国大峰山に本尊を持って修行に行っていたら、一夜にして飛び帰り人々にご利益を授けた事によるそうです。なるほどお不動様が「飛んで帰って来た」から飛不動ですねっ。名前から、航空安全の守護神として有名になって、航空関係者の参詣が多いそうです(^▽^;)
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20 「飛不動」から「吉原神社」にやって来ました。こちらもこじんまりした神社です。
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※吉原神社オフィシャルサイト

21 吉原神社は、前回ご紹介した「吉原弁財天」の本宮でもあります。かつての吉原遊廓にお祀りされていた五つの稲荷神社と遊廓に隣接する吉原弁財天の合計6つの神社が祀られています。
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22 九郎助稲荷(縁結び・五穀豊穣・所願成就の神さま)、吉徳稲荷(家内安全・商売繁盛・五穀豊穣の神さま)、榎本稲荷(家内安全・商売繁盛・五穀豊穣の神さま)、明石稲荷(火災除け・町内安全の神さま)、開運稲荷(開運・幸運・幸福を招く神さま)で、吉原の遊郭の大門と四隅に稲荷が配置されていました。+吉原弁財天ということで、もう吉原の神様の総元締めみたいなもんですね。
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23 境内にあった、「大岩」!さて、これは何?少し焼けたような跡があるような気もするのだけれど?どなたかご教示ください。
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24 こちらの石造物は何?これもはて?鬼のようにも見えるし・・・
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24b ※分かりましたぁ!!この石像は、奈良市にある法相集宗大本山興福寺所蔵の鎌倉時代の木造彫刻で国宝の「点燈鬼・龍燈鬼立像」でしたぁ。どっかで見たような気がするはずです!四天王に踏みつけられる邪鬼を独立させて仏前を照らす役割をもたせたものだそうです。右側の点燈鬼は、二本の角と三つの目を持ち、左肩に燈籠を乗せて左手で支えています。左側の龍燈鬼は、腹の前で左手で手首を握り、右手で上半身に巻き付いた龍の尻尾を握って頭上に乗せた燈籠をにらんでいます。健保三年(1215年)に運慶三男が作ったという書付が内部にあるそうです。吉原神社の石像は、「燈籠」部分が欠落していたので、何だか訳が分からない像になっていたのですねぇ。謎が解けて気持ちいいなぁ(*^^*)
点燈鬼
(画像は、興福寺サイトよりお借りしました)


25 吉原神社の狛犬「阿形」 
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25b 想い人に逢えると伝えられてきた「逢初桜(あいぞめざくら)」。吉原神社の御神木として崇信されていたが、明治44年(1911)の大火で焼失し、2013年に100年ぶりに復活したそうです。まだ、ちいさな「しだれ桜」でした。
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25b 吉原神社から前の道路「仲之町通」を「吉原大門」方向へ歩きます。途中、千束4丁目辺りで雰囲気のある家屋がありましたが、意外に通りぞいには古い建物は無いようですね。(多分路地裏に入れば古い建物があったのだろうなぁ?先を急いでしまいましたぁ)
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26 旧町名由来の看板です。この辺りあちらこちらに、この看板が立っていました。新吉原京町1丁目は、元和4年にできた町で、そこで営業していた者の多くが京都出身者であったことに由来すると書いてあります。
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27 さあ、いよいよ旧吉原遊郭のあった街並を歩いてみました。あらためて歩いて驚いたのですが、いわゆる「●ープランド」と呼ばれる店舗がたくさんあり、なんてことはない「日本最大の風俗街」なんて呼ばれちゃっているのね。それらしい建物は、お兄さんやお姉さんが入口に立っていたりするので撮影はやめました(^▽^;) これはチトデザインが面白い建物でした
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28 「吉原大門跡」です。道路の両側に高いポールが立っているだけの、「大門!!」というには、少々物足りないオブジェでしたぁ(^▽^;)
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29 不思議だったのがこのお宅。左側の屋根の上に段々の壁(オレンジ色)がありますが、いったいこれは何なのでしょう?左のビルからの目隠しのようでもありますが、屋根を目隠ししてもなぁ??謎でした(◎_◎;)
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30 なんとなく緊張して速足になっちゃったので(笑)、あっという間に「吉原大門」交差点に出てしまいました。
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31 同上
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32 交差点の角に、有名な「見返り柳」があります。とはいえ、現在の木は、もう何代目??何だか細くて元気のない可哀そうな柳でしたぁ
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33 「見返り柳」解説板
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34 かつての日本堤、現在の「土手通り」に出て三ノ輪方面に歩きます。すぐ目の前に堂々とした古い店舗が並びます。右が「天ぷら伊勢屋(土手の伊勢屋)」、左が「桜なべ中江」です。土手の伊勢屋さんは、創業128年の老舗。建物は登録有形文化財指定です。桜なべ中江は、創業110年の老舗。昔は「蹴飛ばし屋」と呼ばれた桜肉専門店です。建物は吉原大火で焼失、関東大震災で倒壊、東京大空襲でも焼け残ったそうです。こちらも有形文化財指定です。
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※土手の伊勢屋オフィシャルサイト
※桜なべ中江オフィシャルサイト


35  有形文化財の建物の横にも、古い「看板建築」の建物が並びます。
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36  土手通りを行くと、突然道路の向かいに「あしたのジョー」が立っていました。後ろ姿しか見えませんでしたが、カッコイイ(笑)
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37 さらに進むと、食指が動く建物ですねぇ。こちらも看板建築ですが、おしゃれな装飾が施されています。こちらも大好物。
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38 こちらは壁の縁取りの装飾彫刻が見事ですねぇ。いいなぁ(◎_◎;)
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39 なんて、楽しんで歩いていたらもう三ノ輪についてしまいました。時間も遅くなり、周囲も薄暗くなってしまいましたので、ここで散歩はおしまいにします。(^▽^;)
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40 さて、帰り道をどうするか?南千住にも出る事ができますが、今回は懐かしい都電荒川線をチョイスしました。「三ノ輪橋」駅に向かいます。
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41 都電荒川線は、三ノ輪橋駅から王子駅を経由して早稲田駅まで延びています。
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42 夕方の都電に乗り込みます。ワンマン運転ですね~
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43 torikeraの実家は、王子駅から赤羽岩淵方面へ延びる都電沿線にあったので、子ども時代は映画や買い物も都電、高校の通学も都電を乗り継いで通いました。その頃は、チンチン電車といって、車掌さんがいて、発車の合図に車内のひもを引くと鐘がチンチンとなっていました。懐かしい思い出ですねっ。
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※浅草・今戸~吉原あたりブラリ散歩 最終回までお付き合いいただき大変ありがとうございました。まだまだ、蔵にしまってある写真がたくさんあって焦っていますが、今日あたりはだいぶ空気も涼しくなってきました。さて、この後はどうしようかなぁ?💦

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コメント

Re: No title

大原かずのりさん!こんばんは!

元々の吉原は、元和3年(1617年)日本橋葺屋町あたりにあって「元吉原」と呼ばれるようですが、その後明暦3年(1655年)に、現在の浅草寺の北の千束村に移転し「新吉原」と呼ばれるようになったそうです。現代の歓楽街もほぼ新吉原あたりに集中しているようですね。

早稲田のホテルですねぇ!ご苦労様でした。昔は都内のあちらこちらに路面電車が走っていたのですが、自動車中心の道路になって、結局専用路線を走るところが多かった、三ノ輪橋駅~王子駅~早稲田駅の区間だけが生き残ったというしだいでした。

仕事ではなく、ユックリ都内散策を楽しんでいただけたらと思います。(*^^*)

No title

こんばんは!
吉原ってどの辺にあるのかいまいち分かってませんでしたが、これではっきりしました!浅草寺から北側だったんですね。
しかし今日も濃い盛りだくさんの街並みで。
都電!夏に客をリーガロイヤルに送ったとき、まさにチンチン電車が走ってて驚きました!この電車知らなかったんですよね。どこか懐かしい街並みですが知らない部分も多い東京、今後自分もいろいろ歩いてみたいですね^^

Re: コメントありがとうございます

ぶらつと遡上探索 さん!こんばんは!

樋口一葉の記念館に寄っただけで、まるで文学探求にはなっておりませんねぇ(^▽^;) やばいやばい!

土手の伊勢屋さんと、桜なべの中江さんは、道路の反対側から写真を撮影しただけでしたぁ。この日はかなりたくさんのポイントを回って来て最後の場所でしたので、時間も遅くなり、帰路につかないと家族に叱られてしまう!!という状況でしたので、店内取材はパスでした。

まあ、お金と時間があれば、ランチ位だったらいけそうですが(;´・ω・)

地方の鉱泉宿は、地味ですが、ちょっと淋しくらいが雰囲気があったりして良いのですが、都内となると存続が難しいのでしょうね。情報ありがとうございます。

暑いのに結構探索に出ていますね。これからは、バッチリOK牧場ということで記事を楽しみにしておりまする!

コメントありがとうございます

こんばんはトリケラさん、拍手コメントありがとうございます。
今回は、文学散歩ですか、チョツト苦手な分野です。おっ、点燈鬼に龍燈鬼立像は凄いですね、読む元気が湧いてきました(笑)。吉原神社の狛犬も見応えがあります。最後の桜肉鍋屋さんと天婦羅屋さん、美味しそうだけど、高そうな雰囲気ですね。入店は無しですか?

森ケ崎鉱泉街は、都内最古の湯で賑わっていましたが、第二次大戦で鉱泉街は軍需工場の宿舎や戦災者などの寮となり、次第に衰退したそうです。
先月2回、今月は8回遡上探索、一昨日までは暑かったですが、今日は寒いですね。

Re: 都電がルーツ

BUSYBEE-GAEI さん!こんにちは!

デンティルというのは、厳密には古代ローマやギリシャ建築のコーニス(軒や壁のてっぺん)の一部として、歯のようにならんだ「正方形(長方形)」のブロックのことをいうのだそうです?!建築用語は難しいです(笑)

私も一葉の作品には全く触れた事もないので、どちらかというと関心は薄いのですが、まぁ、一度は覗いておいても良いかと・・・吉原との関係の方が興味がありました。

吉原神社は、あまり観るところがないので(失礼ながら)境内の石造物に目が行っちゃいましたぁ(^▽^;) 皆さん、どこかで見たことあるなぁという感想を記事に書いている方が多いのですが、「正体」までたどり着いている記事は無かったので、面白い追跡になりました。分かって良かったです(*^^*)

以前、東京芸大の「吉原展」を観てきましたが、江戸の文化を考える上では避けて通れない場所ですから、それが、現在も尾を引いている(大風俗街?!に化けましたが)何なんだろうと思います。

確かにこの辺り、独特のエリアになっていますね。

チンチン電車の鐘の音は、(諸行無常の音ではありませんが)今でも記憶の中で鳴り続けていますよ~(*^^*)

都電がルーツ

出歯のような装飾は、デンティルというのですね。昭和には近所でよく見かけました。語源は、“歯”でしたか🦷🦷🦷 一葉記念館にはずっとずっと前に一度だけ行ったことがあるのですが、興味関心アンテナが反応せず、「行った」ということしか覚えていません(苦笑)。「空飛ぶお不動さま」も有名ですが、このエリアは私にはちょっと不便なので、ほとんど足を運ぶことがないです。鷲神社に行っているのに吉原神社はスルーでした。「点燈鬼・龍燈鬼立像」までご紹介いただき、ありがとうございました。京町の名前の由来など全く知りませんでした。
映画『吉原炎上』は80年代に話題になりました。女優さん達、綺麗でしたね。伊勢屋さんとか馬肉店とか、超レトロ!!三ノ輪といえば商店街が懐かしい。何度か“わざわざ”出かけました。三ノ輪まで来ると泪橋、南千住駅はすぐ近くなのでしょうね。この辺りは平成になっても未だ、一人で歩くには怖いエリアでした。tori様のご実家は都電沿線だったのですね。鐘の音、いい響きだったでしょう。

Re: No title

たいやきさん!こんにちは!

初吉原でしたが、新旧様々な吉原の「顔」を観る事が出来充実した散歩になりました。

「焼けた石」のいわれは、宿題ですね。気にかけて置けばいずれどこかでヒントが出てくるかもしれません。まぁ、神社関係者に聞いちゃえば早いのですが(笑)

あしたのジョー!ぜひなり切って土手通りを闊歩してみてください。楽しみです(*^^*)

No title

吉原の散歩、なかなか見どころが多いですね。
焼けた石、気になりますね。
もしかすると、大火の痕跡かもしれません。
あるいは空襲の痕跡なのでしょうか。
結構古い建物も残るので空襲ということはなさそうな気がしますが。
あしたのジョーの街だったら歩いてみたいです。
なりきって歩くのも楽しいかもしれません。

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Author:torikera
季節の野草や身近な自然の写真のご紹介、トレイルランやポタリング、マウンテンバイクの記事、掘り出しモンCDアルバムなど音楽の話題、美味しい日本酒や蕎麦について、最近は庚申塔・石仏・富士塚・力石など石や塚などにも興味津々!とりとめのない記事ばかりですがよろしくお願いします。

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