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夏の蔵出しシリーズ?訳あって秩父をブラリ散策!の巻 ③

今回も夏の蔵出しシリーズの続きです。今回は今年の3月に訳あって埼玉県・秩父郡横瀬町を訪問することになり、急遽西武秩父駅近くの宿に宿泊!夜と朝にブラブラ散歩を決行しました。

秩父市内をブラリ散歩
寺院装飾彫刻や近現代のレトロ建築物を満喫
「③ まるで立体絵画美術館・秩父神社!ほか」


撮影:2024年3月16日 Canon PowerShot SX710HS & iPhoneSE



秩父ブラリ散歩地図


1 番場通りから「秩父神社」にやっと到着ですっ!(^▽^;)
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※秩父神社は、創建2,000年の歴史を持つ屈指の古刹です。中世以降秩父平氏が奉じる「妙見信仰」と習合して「秩父妙見」として人気でしたが、明治の神仏分離政策により「秩父神社」の旧社名に戻ります。秩父夜祭はこの神社の冬の例大祭で、日本三大曳山祭りのひとつです(神社の装飾彫刻・若林純・日貿出版より)

2 立派な狛犬です!
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3 境内に入るとすぐに、素晴らしい「手水屋」がっ!
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4 同上
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5 同上
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6 同上
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7 秩父神社案内図です。見どことがすぐ分かる!とても素晴らしい案内板ですねっ
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8 鮮やかな「神門」です
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9 名水武甲山伏水流の「あまが池」
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10 秩父神社拝殿です。すでにワクワクさせる景色ですよ~(*^^*)
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※秩父神社の社殿は、江戸時代初期の建築様式で、拝殿・幣殿・本殿が一体となる権現造です。天正20年(1592)に徳川家康の援助を受け再建したのち、天和2年(1682)に増改築され、その時に現在の拝殿の彫刻は本殿から転用されて、本殿の彫刻を新たに付加したと推測されるそうです。子育ての虎、繋ぎの龍は左甚五郎作と伝わっています。(寺社の装飾彫刻より)
なお、「御鎮座2100年奉祝事業」として本殿改修事業が2019年から2023年10月まで行われ、今回ご紹介した鮮やかな彩色が行われて完成したばかりでした。



11 ほらほら、これこれ、スゴイでしょう?Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
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12 向拝(こうはい)下から、もう最高です。上部に「大黒&恵比寿」、その下には酒の瓶を抱える「猩々(しょうじょう)」!!しかも、下からよじ登って来る猩々もいる(笑)思わず私かと!(^▽^;)v なお、この題材は「高風(こうふう)」という酒買男の孝行から、仙界の猩々が汲めども尽きぬ酒の瓶を持ってきてくれたところだそうで、左で踊っているのが「高風」なんだそうだ!(能の「猩々」から採られたものだね)猩々だけ描かれる事が多いけど、高風付きは珍しい!?
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13 木鼻(きばな)もご覧の通り、鮮やかで楽しくて、まるでテーマパークに来たみたいじゃないかい? ちなみに左側は、龍ではなくて「麒麟(きりん)」でござるよ。
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14 「扁額(へんがく)」周りもとにかくメデタイ、めでたい!鶴と亀に松だもの(゚Д゚;) なお、これは「蓬莱山(ほうらいさん)=極楽浄土」をイメージしているのだそうだ。
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15 同上
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16  「手挾(たばさみ)」もボタンの花の美しいこと!(*^^*)
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17 さてここから見どころ満載の装飾彫刻たちをご紹介していきますね。まずは、こちら拝殿南面正面の「子宝・子育ての虎」左甚五郎作と伝わっているそうな。徳川家康の本殿再建に由来し、家康は寅にまつわる人物で寅の年、寅の日、寅の刻生まれだというのだから、どんだけだ?(おまけに関東入国も庚寅年(かのえとらどし)(笑))
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17b 現地解説板
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18 同上 子宝・子育ての虎は、母虎は「豹柄(ひょうがら)」で彩色表現されているけど、当時の狩野派が、虎の群れの中に必ず1匹の豹を描くことがお約束だったからだそうですね。大阪のお母さんかな?虎の上の方に放射状に竹の葉が出ている様に描いているのは、江戸初期の表現技法なんだそうだ。
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19 同上(拝殿向かって右側の虎)
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20 同上(拝殿向かって右側の虎)
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21 拝殿西面に回ります。鮮やかな鳳凰です。花は桐の花でしょうか?
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22 同上 鳳凰は松の絵を挟んで対になっていました
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23 上部の題材は、鶴に乗る仙人!鶴に乗る仙人は「鶴仙人」といわれ、「王子喬(おうしきょう)」や「黄鶴楼(こうかくろう)」「費長房(ひちょうぼう)」など、何人かいるのだけれど、これは何(お経か?)か読んでいるので「費長房(ひちょうぼう)」ではないかな?
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24 「瓢箪から駒が出る」は、「ひょうたんからこまがでる」と読み、1 意外な所から意外な物が出ること。ふざけて言ったことが実現することのたとえ。2 (多く打消しの語を伴って)とうていありえないことのたとえ。(デジタル大辞泉・小学館より)何だそうです。ただし、前回も同じ題材が出てきましたが、原典では「瓢箪(ひょうたん)」は使っていません。
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25 この怪しい動物は何???ひずめがあってシカやウシのようだけれど、背中には甲羅を背負っています(゚Д゚;) 「水犀(すいさい)」と呼ばれ、当時の人々が見たことも無い動物(これは)「サイ」なんだけれど。文献で紹介されていたサイを建物の防火の願いを込めて、彫刻の題材にしている訳ですね。
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26 同上
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27 秩父神社は、拝殿の後ろに幣殿(へいでん)があり、本殿へと続く「権現造」です。幣殿というのは、拝殿と本殿をつなぐ、渡り廊下的な建物になりますが、ここも手抜かりなく、しっかり装飾されていました。この彫刻は、「相撲」
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28 実に鮮やかな彩色でしょう! 
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29 拝殿の後ろ、本殿をつないでいるのが「幣殿(へいでん)」と呼ばれる建物です。この幣殿の壁にも装飾がありました。中国では桃の実を食べた仙人は、不老不死となることから桃を「仙果」なんて呼ばれるそうです。女仙「西王母(せいおうぼ)」は不老長寿を司る女神で、桃園を管理しています。そこには、不思議な力を持つ仙桃、三千年に1度だけ実る「三千年の桃=非常に珍しくてめでたいもの」があるそうですよ。
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30 本殿の装飾です。西側には、「元気猿」、「キジ」があります!あれっ?そうですこれって「桃太郎」出てくるメンバーじゃぁないですか?(笑)
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31 左下にサルの彫刻がありました。これは「三猿」ですが、有名な「見ざる聞かざる言わざる」ではありませんね。秩父神社の祭神である「妙見様」は神仏の中心で、人間の元気な命を司る神だそうです。不老長寿のご利益があることから「お元気三猿」と呼ぶようになったそうですよ~(^▽^;)
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32 現地解説板
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33 「キジ」の親子です(*^^*)
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34 防火の「水犀(すいさい)」です
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35 「脇障子(わきしょうじ)」は、「鹿と紅葉」です。シカ肉のことを隠語で「紅葉」(イノシシは「牡丹」ですね)と言います。由来は、花札(安土・桃山時代の「天正かるた」が元)、江戸中期には現在の花札が生まれたと言われますが!
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36 こちらの「脇障子」は「仙人と滝」
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37 本殿の北側には「北辰(ほくしん)の梟(ふくろう)」があります。社殿にフクロウの彫刻というのは時々見られますが、秩父神社の祭神「妙見様」は北極星を中心とした星の信仰で、このフクロウも北を見ていることから妙見様と縁があるものと言われています。
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38 現地解説板
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39 本殿東側の彫刻です。
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40 左甚五郎作と言われている「つなぎの龍」です。おおっ、良く見ると木彫の龍に鎖が絡んでいるではないですかぁ!!(゚Д゚;) 鎖に繋がれた龍という訳ですね。由来は、その昔、秩父札所15番少林寺近くの「天ケ池」に棲みつく龍が暴れた際にこの彫刻の下に水たまりができていたことから、この彫刻の龍を鎖で繋ぎ止めたところ、龍は現れなくなったという伝説です。
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41 現地解説板です
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42 同じく東面の彫刻「タンポポにウサギ」です(*^^*)
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43 同じく東面彫刻から「ヤマドリ」
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44 東面の幣殿の彫刻です。上は「雷神」、下に「波に飛龍(ひりゅう)」。ちなみに、鯉は鯱(しゃち)になり、翼が生え飛龍となって、最後は龍になるという中国の伝説があります。 
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45 防火の「水犀(すいさい)」ですねっ!
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46 「鉄拐(てっかい)仙人」です。「李鉄拐(りてっかい)」とも言われ、自分の口からフウ~っと息を吐くと、小さな自分(魂)が出てくる!!という妖術を使ったそうです。
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47 こちらは「蝦蟇(がま)仙人」です。「青蛙神」(ガマガエル)を従え妖術を使うことから、日本ではとても人気者!?
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48 拝殿の東面の彫刻です。山水画を見るような素敵な風景ですよね。
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49 拝殿正面右側には、地元秩父の醸造所からの奉納樽が並んでいました。おなじみ「イチローズモルト」や「秩父錦」もありましたぞ。おおっ、樽ごともらって帰りたい(゚Д゚;)
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50 境内のご紹介を少し。拝殿前に置かれた鋳造製の防火用水です。「明治100年記念」としたキューポラの街でおなじみの川口からの奉納でした。
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51 「電信柱」ではありません!諏訪大社の「御柱」と同じ、「諏訪社御柱」です。
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52 「柞(ははそ)稲荷社」です
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53 奉納された朱色の鳥居がこれでもかぁ~という位ならんでいましたぁ!
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54 地元の歌人「柿堺欣一郎」の歌碑
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55 「包丁塚」 毎年3月に「包丁儀式」を奉納している四条流を中心とし2015年設置されたそうです。
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56 「剣聖『高野佐三郎 頌徳碑(たかのささぶろう しょうとくひ)』 この方、昭和初期の剣道界の最高権威者だそうだ。秩父出身。IMG_0322_20241101180223c22.jpg


57 さて、まだ時間があったので、番場通りに戻り、秩父鉄道の線路の南側にある「少林寺」を訪問しました。
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59 15番札所になりますが、元々は秩父神社の近くにあった蔵福寺が明治維新で廃寺になり、少林寺が札所を受け継いだそうです。本堂は入母屋造、千鳥破風付きの向拝も全て漆喰にして洋風のテイストを出しています。(゚Д゚;)
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60 同上
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61 現地解説板
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62 少林寺近くで見つけた「一願達磨」さん(*^^*)
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63 秩父神社近くの番場通りにあった「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」モニュメント!!
2011年にフジテレビ系深夜アニメで放送された秩父を舞台としたアニメーション作品だそうだ。2013年に劇場版映画(監督長井龍雪)として公開されていました。残念見たことが無い!

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※ブラリ秩父散歩!もう少し続きます!お楽しみに(*^^*)
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コメント

Re: タイトルなし

大原かずのりさん!こんばんは!

まるで動物園のようでしょう?(^▽^;) 賑やかで艶やかでお話の人物たちも圧倒されているでしょう?

お元気三猿はここで初めて見ましたけど。 動物たちも、お話の主人公たちも実に生き生きと描かれていました。

総漆喰塗の本堂がお好みとは?(◎_◎;)ぜひ秩父においで下さいね~(*^^*)

本日鎌倉の円覚寺へ行って国宝舎利殿をみてきました。後日レポいたしますね!!

Re: 秩父神社

BUSYBEE-GAEI さん!こんばんは!

なるほど!秩父三社もそうですし、妻沼の聖天院さんも色鮮やかでしたね。

秩父神社の彫り物たちは、様々な物語を分かりやすく紹介する絶好のチャンスでした。

仙人の妖術を使えば、色々な事ができますねぇ。昔も今も、願いは同じなのかなぁ?!(^^♪

Re: コメントありがとうございます

ぶらつと遡上探索 さん!こんばんは!

枯れた色!確かに魅力的ですね。修繕後はピカピカの極彩色でございました。しかも出来たてのホヤホヤと言うヤツです。

洗足池は何気なく通過していたエリアですが、考えてみたら湧水環境がなかれば存在できない場所ですからねっ。価値ありです。

確かに、地下水の出る場所が必要ですよねえ!(^▽^;)

秩父神社

秩父夜祭は「日本三大曳山祭り」のひとつだけあって有名ですよね。境内は広いし彫刻は精緻で色鮮やか!酒の瓶を持って踊る姿が可愛らしいし、動物にまつわる物語も豊富ですね。鉄拐仙人の妖術が使えれば、猫の手も借りたいくらい忙しい人たちは助かりますよね( ´艸`)。

う〜ん、これは凄まじい。さすがは埼玉の極彩色彫物社殿ですね!関西では見られない彫刻と色彩。あらゆる動物勢揃いな感じが凄い(^o^;)
お元気三猿なんてあるんですね。でもどの動物もお元気そうで😀 極彩色だからそう感じるんでしょうねぇ。
それと自分好みの総漆喰塗籠本堂がこんな場所に!秩父に行かなければなりません(;^ω^)

コメントありがとうございます

こんばんはトリケラさん、拍手コメントありがとうございます。
10年前にScene-131 荒川右岸 『佐久良橋、櫻橋』で秩父神社に寄っていますが、最近の彩色改修によって劇的なカラフルさになりましたね。個人的には、枯れた彩色が好きですけど。

洗足池、東玉川神社も池上線沿いなので、是非ご訪問計画して下さい。此の付近の地中には、武蔵野台地からの伏流水が流れ込んでいるので、護岸壁から これでもかと云うくらい排水しているようです。もし、排水が足りないとどうなるんでしょうか。液状化に繋がらないと良いのですが。

Re: No title

たいやきさん!こんにちは!

スゴイ!毎週秩父に日帰りですかぁ(゚Д゚;) 「パワフル」もいいところですねぇ!!

そう言えば、秩父三社の装飾彫刻は皆豪華で素晴らしいものたちでした。
今回は修繕が終わったばかりのピカピカの状態で見る事ができました。

秩父15番の少林寺は、たまたま駅近くで立ち寄ったのですが、独特の雰囲気がある建築物でした。
あちらこちら、見どころ満載で飽きないエリアですねっ。(*^^*)

No title

秩父神社も随分前に参拝しました。
あの頃は毎週秩父に日帰りしても大丈夫なくらいパワフルでした。
秩父神社を含め、秩父三社の荘厳さは別格だと思います。
ここも広い敷地に大きなお社、それに彫刻ですよね。
秩父15番は、当時は現代的な神社だなあと思っていましたが、今見ると結構昭和レトロだということに気づきました。
それと、車で行ってしまったので、秩父鉄道の踏切からの眺めが新鮮です。

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