この30年間はモルヒネ治療だった
- 2021/12/15
- 20:29
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2021-12-15(水)
愚痴の記事が続きます。
日本経済がイケイケだった時代を私は知りませんが、徐々にイケなくなっているのは肌で感じます。
かつて、“大きいことはいいことだ” だった食品も、今や “食べ切りサイズでエコロジー()” です。
この30年間の政策は、“増税” と “低金利” でした。
これは、失業率を抑えるため、また、政府の利払いを小さくするためです。
増税というのは、政府が仕事を作るための資金です。
例えば、役場での許認可申請,資格制度,公共事業などがあります。
税金による資金をなくすと、許認可に関する職員,資格センターの職員 (天下り),公共事業にぶら下がる会社員なんかが失業することになります。
<大不況のときに、政府が支出を増やして失業者を減らすのは有効です。
例えば、世界恐慌時のニューディール政策は、公共事業によって雇用の機会を増やし、不況からの脱却に寄与しました。
このニューディール政策は5年間程度でしたが、同じことをだらだらと30年間やっているのが現在の日本です。
失業者を出さないのではなく、失業しても再び職に戻れる制度および働かなくても生活ができる制度に移行すべきでしょう。
次に、低金利は、表向きは市場の活性化 (借金しやすくする) ですが、本音は “利息を払いたくない” です。
現在、日本政府の一般会計の歳出は100兆円程度です。
そのうち、25兆円程度は国債返済費であり、そのおよそ半分は利払い費です。
仮に、国債の金利が1%上昇すると、10兆円くらいの追加の利払いが発生します。
結局、低金利政策に何かスゴイ算段があるのではなく、単に利払いを減らしたいだけなのです。
借金はしたいけど利息は払いたくないとは、なんとワガママ……
増税と低金利は、ショック (痛み) を抑えるためのモルヒネに過ぎません。
本来は、失業者対策や産業振興など、不況の治療となる政策をとるのが先だったはずです。
日本政府は、痛みを伴う治療を放棄し、緩和策であるモルヒネ投与に注力したのです。
結果、30年という十分な時間があったのに、治療は完了 (不況からの脱却) しませんでした。
では、どうすればよかったかのお話です。
ズバリ、“減税” と “投資” が必要でした。
減税は、個人の所得を増やし、消費を喚起する上で重要です。
個人消費は、あらゆる経済的活動の基礎であり、すべての原因に当たります。
つまり、結果である失業率や経済的格差,平均株価,物価指数,GDP (国内総生産) などをいじってもだめなのです。
大規模な投資として思いつくのが “経済特区” です。
例えば、バイオテクノロジーに関する経済特区があれば、新型コロナウィルスのワクチン研究・開発が進んだと考えられます。
他にも、情報技術 (通信,人工知能など),半導体,化学,自然エネルギー (蓄電池など),金融などもあります。
北海道にバイオ特区、近畿に金融特区、九州に半導体特区みたいにすれば、各地域が平等に発展していました。
ただし、これらのお話は後出しであり、すでに機を逸したわけです。
末期のガン患者がモルヒネによる緩和ケアに移行するように、すでに末期である日本経済には増税と低金利によるショック緩和が正解かもしれません。
訪問ありがとうございました。
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