水海道駅から関東鉄道に乗って取手へ移動し、常磐線に乗り換えて東海村へと向かいます。取手から東海まで約一時間四十分かかるので、この間持参した「
核大国化する日本」をゆっくりと読むことができました。これは核兵器と原子力発電に関する基本的な知識と、現状を分析した素晴らしい本ですね。プルサーマル、六ヶ所村、北朝鮮の核実験、IAEA(国際原子力機関)といった断片的にしか持ち合わせていなかった知識がぱっこんぱっこんと、まるでジグソーパズルが完成したかのように系統的に理解できました。これで東海村訪問のための理論武装ができました。なお拙ブログに書評を載せましたので、よろしければ御笑覧ください。というわけで、あっという間に東海駅に到着。日本における原子力発電発祥の地、東海村散策の開始です。ここでは1956年に日本原子力研究所が設立され、翌57年には同所で日本初の原子炉JRR‐1が臨界に達し、さらに63年に発電実験炉JPDRにより最初の原子力発電が行われました。66年8月には日本原子力発電東海発電所が日本最初の商業用原発として本格的運転を開始しましたが98年3月に営業運転を停止し、現在は第二発電所が稼動しています。なお、1999年9月30日午前10時37分、ここにある核燃料加工施設重大な臨界事故が発生したのは記憶に新しいところです。
まず驚愕したのが駅舎、莫大な金をかけて建てたことが一目でわかる代物です。駅舎建設にどれくらい費用をかけるかを誰が決めているのかわかりませんが、おそらく原子力発電関係の補助金が政府から出ているのでしょうね。
駅から少し離れた所にある原発関連施設にバスで行き、徒歩で歩き回ろうと考えていたのですが、その本数が少なすぎ。やれやれタクシーで行くしかないなと諦めていると、駐輪場の奥に異な自転車があるのを見つけました。カラフルな塗装で、カゴに何やらプレートが取り付けてあります。近づいてみると「エコりん」という無料のレンタサイクルでした。渡りに船、これはなかなか粋なはからいです。さっそく駅の西側一階にある事務所に行って借り受けました。駅の東側に出ると、街路樹が延々と続く立派な三車線道路がありましたが、やはりこれも原発がらみの補助金のなせるわざでしょうか。
駅前にどかんと大規模小売店舗がありますが、その他には地域に根付いたような古い店舗は見当たりません。人気のない通りを東へ東へと向かいますと、これまた立派な東海村立病院と東海村清掃センターが途中にありました。これも原発がらみの補助金?