2011年 03月 23日
My Contax IIa
どうも気分が乗らない日々は、地震発生以降の時間経過と合致するといえそうです。
それでも敢えて、<Contax IIa>にフィルムを入れたことによるものと捉えたい私です。
些かまごつきながらの撮影で、フィルムの消費もゆっくり目になったと。
これに先立つ<Nikon S3>の時は、それなりの前触れをしてから、ある意味勿体ぶって画像をアップしましたが、対する<Contax IIa>の場合はごくサラッと…。
フィルム1本を撮り切るのでも、素のママの本体で通した<S3>と違い、少し撮ってカスタムを施し、また撮ってはカスタマイズを重ねる…という具合で、一定のリズムが保てないままにフィルムが終っていたせいもあると思っています。
遅ればせながら、ここいらの詳細について、M2さん(どきどきして下さった)、Jisei師(今の私にとって禁句のLeicaを連呼!)をはじめとする方々に、ご説明しようというのが今回であります。
絞り優先AE: f4 -0.3EV
ところで、カスタマイズとは単に私の視度に関わる問題であり、母体の本質でないことを先にお断りしておきます。
その上で、同様の不便を感じておられる方に少しでも参考になれば…と考えました。
さて、<Contax IIa>の第一印象は、とにかくカッコいいというものでした。
まさにレンジファインダーならではのカッチリと精緻な感じが象徴されているようなアクセサリーシューの刻印。
<S3>より小型で軽量、スマートなデザインで、もちろんレンズもボディ相応。
これらの要素は私にとって優先度上位に位置します。
各部を簡単に操作してみて、まず特筆すべきは、驚くべきシャッタータイムラグです。
<S3>より好ましい位置だと思えるレリーズボタンも、俊敏さを感じさせることに寄与していそうです。
とにかく、常日頃から、レリーズ後のシャッター遅れの小ささは、一眼レフへに対するレンジファインダー最大のアドヴァンテージだと考えている者にとっては、まさに快感です。
尤も、その代わりにトータルでも一眼レフ以上といえる甲高く力強いシャッター作動音は副作用として諦める必要があります。
シャッターが切れたショックまでしっかり手に伝わる…といっても大袈裟ではないでしょう。
最高速1/1250という、当事としては随一の高速シャッターを作動させる機構上仕方がなかったのかも知れません。
一方で、薄暗いファインダー、レバー式でない巻き上げ機構など、<S3復刻版>に較べて劣る部分も幾つかあります。
実際の撮影に関して困ったのは、暗いファインダーでした。
同じ二重像合致式ではあっても、現代に蘇った<S3復刻版>を覗いた後では、くすんでススボケた感じがします。
視度が合っていないことも相俟って、ピント合わせに困難を覚えるシーンが少なくないことにすぐ気付いたのです。
といって、視度補正レンズが簡単に手に入るとはとても考えられません。
本体をしげしげ眺めると、接眼部アイピースの外側にはネジの切り込みが入っています。
もともとアタッチメントがあったのかもしれませんが、今となってはなんとか自分で工夫をする覚悟をするしかないでしょう。
ただ、この問題を解決してからフィルムを入れるという慎重さがない私は、一先ず使いながら策を考えることにしたのでした。
絞り優先AE: f16
案の定、ピント合わせには難儀しました。
手慰みにピントを合わせている時には「それなりにできる」と思えていても、いざ咄嗟に撮ろうという実践の場面では、見えにくさに愕然としてしまうケースがあまりにも多いのです。
1日持ち歩いて、「これはなんとかしないといけない」という気持が一気に強まりました。
接眼部ネジの切り込みに合うナットのようなモノがあれば、本体への固定には都合が良さそうなので、あちこちを探してみたところ、適合する径が見あたらない上に、接眼部側ネジのピッチが細か過ぎるようで、敢えなく断念。
また、自作の視度補正機構をボディに固定する方法は確かに重要ですが、一方で、より肝心なのは、視度補正レンズそのものの入手でした。
「どんなモノを入手してどう流用するか」は、負けず劣らず厄介な問題だったのです。
絞り優先AE: f4 -0.3EV
そんなある日、ふと覗いた元町のカメラ屋さんで、旧い旧い「PENTAX用視度補正レンズ」というのを発見。
プラスティックのアイピース状の枠に補正レンズが嵌め込まれたモノです。
全てがプラスティック製だから、比較的容易に加工ができよう(ごめんなさい!)と入手しました。
否、販売当事そのままの350円という価格に飛び付いたのであり、この時点で具体的な加工方法を考えていたわけではありません。
取り敢えず当面は、そのままで使用する方法を考えてみましたが、元より、全く違う形状のモノでしかありません。
特に有効な策もないので、手っ取り早くゴムのテープで接眼部あたりにくっつけてお茶を濁すことにしました。
お茶濁しとはいうものの、見通しとピント合わせの問題はこれで一気に改善されたのです。
「少し不細工だけど、このまま使うか」
という時に「プラスティックなら程近い径の孔が開いていれば、グリグリ押しつけている間にネジの切り込みも付くのではないか…」と。
これは我ながら感心な思い付きでした。
ホームセンターであれこれ物色し、直径25mm、厚み2mm程度のプラスティック製のワッシャを発見。
ワッシャですから、当然中央部に孔があるわけですが、接眼部の直径は9mmなのに、ナット、ワッシャ類の径は8mmと10mmしかないのです。
しかし、孔が小さい分には、少しだけ孔を拡げれば目的には適うと考えました。
8mmの孔に巨大なマイナスドライバーの先端をあてがい、摩擦を利用して少しずつ削ってはボディ接眼部のネジ山に押しつける…ということを調子を見ながら繰り返すと、上手く行ったではないですか!
晴れてワッシャは接眼部外周のネジにシッカリと固定されたのです。
そこで、PENTAX用の視度補正レンズにはなんとも気の毒なことをしましたが、枠からはぎ取ったレンズを丁重に適度な大きさにカットし、大まかな円形に整形し孔に嵌め込みました。
ただ、このままではレンズが脱落するので、上にもう1枚の孔を拡げないままのワッシャーを接着。
念のためもう一枚、化粧用にゴムのワッシャーを接着して完成としました。
「お茶濁し」の状態より小さくなった分、覗き易さがわずかに低下したものの、見た目は確実に向上しました。
落下する心配からもほぼフリーかと思われます。
結局、カスタマイズの最終型での撮影は10ショットにも及びませんでしたが、これで今後は快適に使えることでしょう。
今後の出番は、恐らく<Nikon S3>よりもずっと多くなりそうです。
絞り優先AE: f8
カメラを使うにあたって現在深刻化する問題が、自身の視力に関するものです。
特に、視度調整機構を持たないカメラに関しては、頭の痛い問題です。
昨年末、眼鏡を久しぶりに新調したのですが、本人嫌がって仕方ないのです。
今回の記事、なにがしか応用を考えてみたいと思います。
ありがとうございました。
いやいや、デスクのライトなどを使いながら、いい加減に撮ったモノです。
でも、レンズは噂に違わず…という感を噛み締めています。
視度補正に関しては、やはりないと鬱陶しいものです。
二重像合致のフレームが見方によってボヤッとなってしまうと、慌てます。
一眼レフの場合は、コントラスト検出なので、まだ気分的に楽ですが、ないとピシッと来ませんし。
といって、純正品の入手はどんどん難しくなっています。
今回の体験で、カットしやすいプラスティック製ならなんとかなるという安心が少しだけ持てました。
必要とするモノよりも大きめのモノさえ入手できればいいのですから、難易のハードルはかなり下がります。
以前の記事へのコメント、ご容赦ください。
先日、KievⅡを手に入れたのですが、視度補正はどうしたものかと悩み始めていたところでした。
貴兄の記事がとても参考になったので、コメントさせていただいた次第です。
よさげな視度補正レンズを探してきて、加工してみます :-)
何時もお世話になっております。
ちょうど数日前にフィルムを入れたところで、まさにGood Timing!
というか、お役に立てたなら幸いです。
ただ、お恥ずかしながら私も知らなかったのですが、視度補正レンズというのは平らじゃないんですね。
(当たり前といえばそうなのですが)プラスティックのものでも、真ん中にかけてなだらかに盛り上がっているわけです。
これは四角のモノでも同じであり、加工の際の問題となります。
なんとか誤摩化して切ったようでもすぐにパキッと割れてしまうのです。
これを防ぐには周囲から少しずつ削ていく方法しかありません。
ちょっと面倒ですが、是非やってみてください。