豪鬼メモ

MT車練習中

ロードバイクにシュワルベワン導入とヤビツ峠

ロードバイクRFX8にシュワルベワンを導入した。ブロンプトンの時と同様に、しっとりした乗り心地で気持ちが良い。


シュワルベワンはブロンプトンでは最高級タイヤであり、それを導入した際には乗り心地と走行性能に顕著な向上を感じた。それと同時に、短期間にパンクを2回もして、耐久性に不安を感じた。
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ロードバイクRFX8でもロングライドをたまにするのだが、後輪につけているアジリストDUROが早くも摩耗しきってカーカス(もしくはその直上のベルト)が露出する状態になってしまった。まだ1000kmくらいしか乗っていないのに。

全体的に摩耗が進んでいるのはタイヤのトレッドのゴムが弱いからだが、特定の場所が激しく摩耗しているのは私がブレーキロックさせて路面で削ってしまったからだ。とはいえ安全のために急ブレーキをかけねばならない事態はどうしても発生しうるので、ちょっとやそっとのロックでタイヤがダメになってしまうのは困る。アジリストDUROは耐久性が売りはなずなのだが、それでもこの早さでダメになったので、より強靭な、シュワルベマラソンレーサー的な耐久性のものを探そうと思った。ロードバイクは主にロングライドで使うので、耐久性が高い方が望ましく、ブロンプトンでもロングライドではマラソンレーサーを使っている。

また、今まで使っていた23Cよりも少し太い25Cのタイヤを使うことにした。23Cの乗り心地はお世辞にも良いとは言えないし、通常の舗装路での路面抵抗も25Cや28Cよりも高い。ロード(=公道)で23Cを使う利点はないので、巷の最近の自転車はほとんど17Cのワイドリムに25C以上のタイヤをつけているようだ。さて、この古いRFX8のホイールはキシリウムSLSの15Cだが、15Cのホイールには23Cのタイヤをつけるのが普通で、17Cのホイールには25Cのダイヤをつけるのが普通っぽい。ややこしいことに、旧ETRTO規格の25Cタイヤは15Cのホイールにつけても大丈夫だったらしいのだが、現在売られているタイヤはほとんど真ETRTO規格のタイヤであり、その25Cタイヤを15Cホイールにつけるのは推奨外になることが多い。推奨外とはいえ装着にも走行にも問題はないらしいのだが、タイヤの根本の左右のビードの幅が設計値よりも狭い形状になるために、空力と安定性が若干損なわれるらしい。といっても、15Cリムに25Cタイヤをつけている人は普通に大勢いるので、素人レベルで支障を感じるものでもないっぽい。
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てことで25Cのシュワルベマラソンレーサーやそれに類するタイヤを探していたのだが、メルカリでシュワルベワンの25Cが安く出ていたので、反射的にポチってしまった。ブロンプトンでシュワルベワンの耐久性に難を感じていたにもかかかわらず、そしてロードバイクはロングライドでしか使わないにもかかわらず、ロングライド向きではないシュワルベワンを買ってしまった。とはいえ、ちゃんと考えがある。1本2000円なので、すぐダメになっても高いランチでも食ったと思えば納得できるし、25Cがちゃんと使えるかどうか試すには良い機会だ。また、ブロンプトンでもシュワルベワンを使っていて、同じタイヤを違う車種で使った場合の乗り心地の比較をするのにも興味がある。マラソンレーサーはこれがダメになってから考える。

商品が到着したので、さっそく装着してみた。タイヤを変えたくらいでは見栄えはほとんど変わらないが、何も模様がないのが格好いい気もする。ナローリムに25Cを履かせたことによる変形も思ったほどではなく、無理している感じもない。フレームとのクリアランスにも問題はない。中古なので接地部分は多少摩耗しているが、許容範囲だ。推奨空気圧は6bar(87psi)から9bar(130psi)とのことなので、7.5bar(108psi)付近で運用することにした。



走行性能を試すべく、世田谷から自走でヤビツ峠の往復をしてきた。環八を下って二子玉川から246に入り、秦野までひたすら真っ直ぐ走った。この時点で感じたのは、明らかに前より乗り心地が良く、快適に走れるということだ。アスファルトの微小な凹凸が手に伝わってくる感覚が柔らかくなり、路面追従性が上がって路面抵抗が下がっていることが推察できる。カーブなどで横に力がかかった際にもタイヤが変に変形している感じはなく、安定して走れる。歩道との間の段差に乗り上げる際にも、以前は「がつん」という感じだったのが、新しいタイヤでは「とす」っという柔らかい感触になった。

ブロンプトンのシュワルベワンとロードバイクのシュワルベワンを比べると、ブロンプトンの方が「ぶよぶよ」「もちもち」した乗り心地で、ロードバイクの方が「しっとり」「しっかり」とした乗り心地だ。おそらくこれはタイヤの断面積と変形量に起因している。ブロンプトンの方は適正空気圧が100psiまでなので私は90psiまで入れているのだが、それでも乗車重量だけでタイヤがかなり変形した状態になる。ロードバイクの方も適正空気圧上限の90%付近の108psiまで入れているが、乗車重量だけではそれほど変形した感じがしない。そして、ブロンプトンの方は小さい段差でもタイヤが大きく変形して振動を吸収するが、その振動が収束するのに何回か弾む感じがする。一方でロードバイクの方は変形が小さいので小さい段差での振動を吸収する能力は低いが、収束も早い感じがする。とはいえ、23Cのアジリストに比べれば振動吸収能力は顕著に上で、舗装路を走るのにちょうど良い感じがする。

全サイクリストが賛同してくれると思うが、路肩の微妙な段差って鬱陶しい。こいつを浅い角度で踏んでしまうと、タイヤが一瞬そこに嵌まって若干ながらバランスが崩れるし、そうなるとタイヤが摩耗したりサイドカットしたりするリスクがある。なので、この段差を踏まないように路肩に完全に乗り上げるか白線側に残るかを選択して走るのだが、車に寄られたり風に煽られたりして思わずこの段差を踏んでしまうことも多い。その際に、23Cよりも25Cの方が段差を円滑に乗り越えられる確率が高く、またタイヤが嵌まる度合いも小さい。たった2mmの違いだが、体感できる程度に安定感が増す。縦溝路面やドーナツ溝路面や不整地の走破性でも25Cの方が顕著に優れている。というか23Cが優れているのって凹凸や溝が一切無いサーキットと競輪場だけだろう。

快調に246を走り抜けていたが、下鶴間トンネルに入る直前に突然後輪がパンクした。「またかよシュワルベワン」と思ったが、その場でタイヤを外して調べてみると、責任はシュワルベワンではなく私の不注意に帰すべきと判明した。タイヤを換装した際にチューブは前のをそのまま流用したのだが、それは23Cまでが対応の軽量チューブであり、25Cに使うのは無理があったっぽい。というかこのチューブは弱くて有名なので、ロングライドで使うべきじゃなかった。修理キットともに持参したスペアチューブは23Cから28Cまでに対応するコンチネンタルのチューブなので、これを機会と思ってチューブも換装した。





丹波山を抜けると秦野に入り、有名な名古木のセブンイレブンで休憩。ここから先が典型的なヤビツ峠のセグメントだ。パンク修理にやたら時間がかかったので、既にこの時点で16時だったが、夏なので明るいうちに下山できるだろう。実際、夕方練習っぽい感じでヤビツに登る他のサイクリストもちらほらいた。

登坂では、特質すべき違いはない。アジリストデューロ23Cは1本210gで、シュワルベワン25Cは1本230gなので、重さに大差はない。登坂では路面抵抗よりも登坂抵抗が物を言い、登坂抵抗は重量と斜度に比例するので、重さが大体同じなら優劣はつかない。ヤビツで最も辛いのは序盤の住宅地の坂(通称、蓑毛の坂)だが、ロードバイクの軽いギアで登れば大したことはない。

森林地帯に入る中盤以降は、緩い坂が続くので、楽勝だ。以前ヤビツ峠に登った時はブロンプトンだったので、それに比べたらロードバイクで登ることがいかに楽なことか。気温は災害級に高い状況だが、軽いギアをクルクル回して登るとどんどん標高を上げていける。時間を競えばもちろん辛いのだろうけど、レジャーとして峠を楽しむのにはうってつけの場所だと思う。

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途中の展望台は、秦野から平塚までの街を見渡すことができてとても気持ちが良い。そして展望台より少し登ったところから展望台自体を眺めるのもまた良い。展望台の前だけはちょっと急な坂になるので、それを頑張ったご褒美だ。


展望台を抜けた後も緩斜面が続くので、地道に漕いでいけばそれほど辛くはない。標高がだんだん上がってくると涼しくなるのも良い。そんな感じで頂上に着いた。最近視聴した「ろんぐらいだぁす!」でも言及されていた峠の喫茶店でコーヒーを飲んで休憩したかったが、パンクのせいで時間が押していたので割愛。

帰路は裏ヤビツを通って宮ヶ瀬湖を通って相模原に出て多摩川沿いに帰る予定だったのだが、裏ヤビツが通行止めで断念。7/1から7/12まで工事らしい。うぬぬ。しれっと工事現場に入り込んじゃえば通れそうな予感もしたが、もう良い年の大人なので、大人しく元来た道を下山することにした。

降りでの安定性も新しいタイヤの方が上な気がする。パンクを修理した際に適正空気圧よりも低めの空気圧になっていた気がするが、それでもカーブで横方向に力がかかった時にタイヤが変な変形をする感じはなく、安定したラインで曲がっていけた。接地面積が増えたおかげか、強めのブレーキをかけてもブレーキロックしにくい気がする。とはいえ、びびりの私が安全運転している範囲での話なので、もっと激しく曲がったり止まったりした場合のことはわからない。そんな感じで乗り味を楽しんでいたら、あっという間に麓についてしまった。

帰りも同じ道になってしまったので、縛りプレーでもして楽しむことにした。今回は、ギアをアウタートップのままで走ることにした。SFR(Slow Frequency Revolutions)トレーニングとか低ケイデンスペダリングトレーニングとか言われる奴だ。すぐ足が売り切れてしまうと思っていたが、246の坂程度であれば、円運動の綺麗なペダリングを心がけると意外に登りもいける。新しいタイヤのおかげか、加速や最高速の伸びも良い気がする。いや、さすがにそれはプラセボ効果かな。しかし、タイヤの製品はともかく、23Cから25Cに変わったのはそれなりの効果がある気もする。130kmくらい走った割には手や脚の疲労が少なかったので、乗り心地が良くなったことは間違いない。

シュワルベワンが使っているADDIXコンパウンドとやらはグリップ性と耐摩耗性の両方が高いことを謳っているのだが、アジリストデューロも同じようなこと謳っていて1000kmくらいでダメになったので、あまり期待していない。今回買ったシュワルベワンは売り手が数百km乗ったと主張する中古品だが、現時点で多少の摩耗が見られる。今回130km走った前後を比べても、既に少し摩耗が進んだ感じがする。ヤビツを降りた限りではグリップ力に関して不足は感じなかった。

まとめ。RFX8のタイヤをアジリストデューロの23Cからシュワルベワンの25Cに換装したところ、乗り心地が良くなり、快適に走れるようになった。15Cホイールと25Cタイヤの組み合わせに全く問題はなかった。タイヤの種類とサイズの2つの変数のどちらが乗り心地の改善に寄与しているかは断言はできないが、後者の影響の方が大きいような気がする。衝撃吸収性は空気の量でほぼ決まるからだ。タイヤによって路面抵抗の細かい違いはあるんだろうけど、デューロもワンもオールラウンドかつミドルレンジの部類のタイヤなので、おそらく遜色ないだろう。耐久性に関してはどちらもあまり期待できないが、しばらく乗れば明らかになるはずだ。