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プログラマに向いている人、向いていない人。あるいはプログラムが完成するまでの障壁。


プログラミングを学ぶには

2012_01_08

最近、某界隈ではプログラミングを学ぶためにプログラミングスクールが必要かどうかの話題で盛り上がっている。 数日遅れで自分なりに話題を消化できたので、ここに書き連ねていこうと思う。

プログラミングをやる前に行なうことが多すぎる

プログラミングを学ぶ前には、プログラミング環境を整える必要がある。 そもそもの大前提として、プログラミング環境って何という話になる人がいるだろう。 もうこの時点で 9 割の人は脱落する(偏見)。

ここを自力で乗り越えることが出来る人は少数であろう。 歴戦の猛者の大半はプログラミング環境を自力で構築してきた人が殆どだと思う。

それを乗り越えられなかった人は、プログラミングスクールや大学や専門学校などで、この辺を学ぶかもしれない。 ドットインストールなんかは、この辺をかなり丁寧に教えてくれている。 この辺にたどり着ける事ができた人はプログラミング適正があるといえる。

プログラミング中に行なうことが多すぎる

(一応)プログラミング環境を整えたとしよう。例えば、コンパイラを用意したとか IDE のセットアップが終わったとか、環境変数を設定したなどである。 さあ、コードを書くぞと言ってコードを書き始めたは良いが、今度は大量のエラーとの格闘になる。 プログラムは書いたとおりに動くというのは至言であるが、実際にそのエラーを生み出した源である本人はそのエラーの意味をさっぱり理解できない。 プログラムの流れを追った所で、その流れすらも理解できない。 そのうち、IDE じゃなくてエディタが良いとか、あのライブラリよりこのライブラリが良いといった記事を読み出したりしたら、さあ大変。 デバッグを完全に終わらせることが出来なくなってしまう。

自分が理解できない現象に出くわした時、足を止めて考えることが出来るか。

プログラマにとって欠かせない素質の一つである。

足を止めて考えて、そして仮説を立てる。その仮説を検証する。 検証する際には、プログラムを書き直してみたり、入力データを変えてみたり、時間を変えてみたり、画面を変えてみたり、OS を変えてみたり色々する。 それをしてなお、仮説が駄目だった場合、潔くその仮説を捨てることが出来るか。

自分の仮説を大胆に捨てる。

プログラマにとって欠かせない素質の一つである。

これらをシーケンシャルではなく、パラレルに頭の中でよどみなく流れているならば、その人はプログラマとして最高レベルに近い素質を持っている。 多くの人は逐次順次にしかこなせない。同時並行で色々と回せない人が殆どだ。 それどころか、逐次も、順次も出来ない。後戻りしたり、行き過ぎてしまったり、止まってしまうことがほとんどだ。

一つ一つ積み上げていく事が出来るか。

これもまたプログラマにとって欠かせない素質の一つである。

プログラミング後に行なうことが多すぎる

プログラムを作ったらそれで終わりではない。 むしろ、そこからプログラムのメンテナンスをしたり、デバッグをしたり、新しい機能をつけたり、いらない機能を削除したり、モジュールを分割したり、ソースコードをリファクタリングしたりとプログラミング後にも行なうことはたくさんある。

一度やりかけた事を最後まで貫き通せるか。

これもまたプログラマにとって欠かせない素質の一つである。

プログラマになるためには

プログラマになるためには多くのことを 1 から学んで行かなければならない。 それを体系的に学べるかどうかは、環境に多少なりとも左右されるだろう。 しかしながら、必要な知識を貪欲に吸収するかどうかは本人に掛かっている。 人から教わって学べる事なんてたかが知れている。 それはプログラミングに限らず、あらゆる分野にも通じる考え方であろう。

この文を読んで、やる気があれば何でも出来るという結論に至る人は、やや短絡的な人であろう。 やる気はもちろん、大事だが学ぶためのしっかりとしたルートを事前に見極めておく必要がある。 それを他人任せにするか、自分でやるかの違いが、プログラマになれるかなれないかの分岐点になっている。

私が関わったプログラマの中で、他人任せにしてきた人で優秀な人はあまりいなかった(少数ながら、優秀な人はいた)。 多くの優秀な人は自分で道を切り開いていた。 しかし、彼らの話を聞く限り、自分の道を自分で進むことは誰かに言われて行った訳ではなかった。 プログラムを学ぼうと心に決めた時、既に進む道は決まっていた。

もし、この文章を読んだプログラミング初学者の方で自分が凡人であると理解しているならば、プログラマにならない事をオススメする。 プログラマよりも楽しい仕事はたくさんあるし、あなたの適正が合っているかどうかは全く分からないからだ。 プログラマになっている人は、なるべくしてなった人だし、少なくとも普通の人ではない。 この文章を最後まで読みそれでもなお、やってみたいという情熱が残っているならば私から何も言うことはない。 あなたの心は既に進む道を決めているのだから。

少しでも迷いを感じているならば、悪いことは言わない。やめておけ。君には向いていない職業だ、プログラマは。

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