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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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『おばあちゃんが,ぼけた。』

今日のブランチは相方お得意のホットケーキともう一皿&コーヒー。
紅玉で作ったジャムをたっぷりのせて。
ブランディーの香りがとってもよくって,満足。
ゆっくりふたりで食べるブランチはなによりだ。

理論社からでているシリーズ,「よりみちパンセ」はなかなかいい。
今日は前から気になっていた『おばあちゃんがぼけた。』を読む。

去年見た映画のなかで,若年性アルツハイマーになって,
だんだんと自分が「壊れていく」様子が描かれているものがあった。
あれを見て以来,認知症のことが気になりだした。

そして実家の両親の老い。

子どもはいつかしら,親を追い越す日がやってくる。
親よりも力や判断力や経済力やいろんな面で,もう親の世話には
ならなくていい年。
親の様子を見て,危なっかしさを感じることが多くなっていく。
でも,親にとっては子どもは子どものままなのだ。

お互いの感じ方のズレが,お互いの怒りに転化していくことがある。
なんでわかってくれないの??と。
お互いに「愛する」がゆえの行き違い。
でもそれは仕方のないことなのだ。

どうやったら,お互いが許しあい支えあっていけるか,
もっと簡単にいえば,ニコニコしていられるか,
そこが問題。

村瀬孝生さんの書いたこの本は,そんな問題に出会ったときに,
何度も読み返したくなりそうな本だ。

老人ホームの隔離部屋でのことをこんなふうに書いている。

>他者から閉じ込められるという過酷な生活環境であるにも
>かかわらず,時間だけはゆっくり流れていた。きっとこの部屋に
>流れる時間が「老い」の時間なのだ。

>隔離部屋だけじゃない。ウメさんは手のひらサイズのアンパンを
>食べるのに40分をかけた。タメノさんは茶椀に盛られた白飯を
>一粒ずつ食べる。器用に箸でつまんでね。だから自分で食べると
>二時間近くもかかるんだ。・・・けれど,お年寄たちはそのことを
>苦にしているようには見えなかった。どんなに時間がかかっても
>自分のペースで成し遂げた。
>それを待てないのは,ぼくたち職員のほうだった。スピードと
>効率を重視するぼくたちの介護は,お年寄りの持つペースと
>リズムをことごとく乱し,それぞれの世界を破壊した。
>ウメさんのアンパンをミキサーにかけてドロドロにする。

>「あなた」の必要とする時間を大切にすることもせずに。

>でも,その繰り返し,繰り返されること(人の暮らしのこと)が
>大事なんだ。アンパンは生地とあんこが二層になっているから
>おいしいんだ。

村瀬さんは職員達がスピードや効率を気にしなければ
やっていけない現実も,きちんと書いている。
だから悩んで,それでもと思うわけだ。

>人を大事にする。尊重するってどういうことだろう。その人に
>とって「いいこと」かそうでないかを判断するには
>どうしたらいいのだろう。

とっても難しい問題だけれど,相手の時間を大切にすること,
「早く」ってせかさないこと,自分もゆっくり生きることが
とりあえずのやりかたかな。

わたしの身につけてきた文化と,親の文化は違うのだし,
私の時間を強要することは無理なことなのだから。

こんど親に会った時,どんな顔をしていけるか・・・
そうはうまくいかないだろうけどね。
by KATEK | 2008-01-04 18:35