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顔写真の瞳に写る真実。瞳孔を拡大することでその時一緒にいた人物をほぼ特定できることが判明(英研究)

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 毎日約4千万もの写真が共有サイトにアップロードされている。何の気なしに撮った顔写真には、重大な秘密が隠されている場合がある。その写真に写っている人の眼を拡大してみると、撮影時にその人の目に映っていたものが大雑把にだが調べることができるのだ。

 たった1枚の写真からこのようなことがわかってしまう。嘘をついても、その日その時、誰と一緒にいたかがわかってしまうのだ。ぼーっとまわりをみていた場合には、同時刻その場所に居合わせた見知らぬ人の情報も。この技術は犯罪捜査に役立つ可能性が高いという。

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 英ヨーク大学心理学部ロブ・ジェンキンス博士の研究によると、写真に写っている人の瞳孔には隠れた情報があるという。その写真を撮っている人やそばにいる人は誰なのかという情報である。

 もし、人質や虐待など被害者が写真に写っているような犯罪の場合、その被害者の瞳孔に反射して写っているものから加害者を割り出せることができるかもしれない。また、犯罪調査中に証拠として押収したカメラから取り出した画像を使って、他の犯罪グループとの関連を結びづけたり特定の場所を割り出せることもできるだろう。

 写っている人を瞳孔に反射した画像から識別できる か確認するために、研究者達は顔認識テストを行った。その結果、瞳孔に写っている人物を知らない場合、正確に当てたのは71%であったのに対し、その人物を良く知っている場合では、84%もの正解率を得ることができた。これは、もし知っている人物ならほとんど誰なのかわかるということを意味している。

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 「瞳孔は黒い鏡のようなものだ。」とジェンキンスは話す。「画像の精度を上げるために、まず、拡大しコントラストを調整する必要がある。顔画像は反射した画像から実際の顔よりも約3万倍程縮小した形で復元される。」研究で使用した顔全体の総画素数は平均して322画素程である。

 更に高画質の顔写真にはその人にとって身近なことなど周りの事について予期せぬ情報が含まれているかもしれないとジェンキンスは語る。

 「犯罪調査で顔写真を拡大分析することで、他の犯罪グループとの関連を結びづけたり、特定の場所を割り出せることもできるかもしれない。特に人質にとらわれている被害者を撮った写真などは、決定的な証拠が映し出されているかもしれない。もし被害者の瞳孔になんらかの人物が映ってれば、その人物を割り出すことが可能となってくる。」

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誰もが知っているオバマ大統領ならこの画質でも十分判別可能だ

 ジェンキンスはハッセルブラッド製の高画質カメラ(3900万画素)を使って研究しているが、顔を判別するのに切り取った顔写真は、必ずしも高画質である必要はないと彼は話している。

 「最適な画像を得るよりも、その写っている顔を良く知っている人、最適な観測者を見つける方が重要となってくる。必ずしも高画質である必要はない。一般的なカメラの写真でも、その人物を知っている人がみれば判別可能なのだ。」

 「さらに、ムーアの法則から派生したヘンディーの法則に従えば、デジタルカメラの画素数は約12ヶ月毎に2倍となる。携帯のカメラもすぐに3900万画素を超えるものが出てくるだろう。そうなればだれもが捜査官になりえるのだ。」

via:kurzweilai・原文翻訳:Copris

 もしかしたら既に判決の出てしまった事件においても、写真記録保管所の写真を再確認することで、隠れた情報が埋もれているかもしれない。もしかしたらその中には無罪を証明できるものもあるかもしれない。

 何の気なしにアップしてしまう顔写真。欧米では日本よりも自分の写真をことさら公開しているが、その写真を拡大していくことで、浮気現場とかむにゃむにゃとか、知られたくない真実を知られてしまう可能性もあるので、注意が必要ってことだね。

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この記事へのコメント、82件

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  1. 1512万画素のカメラなら4800*3200ピクセル。仮にこの十分の一を顔が締めてたとすると480*320が顔のサイズ。さらに目がその10分の1だとすると48*32。これよりさらに小さいサイズに相手の顔が移ることになる。(しかも当然、色彩が低い)

  2. うをっ、恐ろしい話だな…
    ブレードランナーでデッカードが変な画像解析装置を使って写真の陰に隠れている部分まで暴き出していたのを思い出す。

  3. 写真の画像サイズの長辺が2000ピクセル以上ないとまず無理。仮に判定できても誤差が50%を超えるので事実上使い物にならない。こういう情報は、実は開発の為の資金提供を募る目的でリークされている事が殆ど。既に実現できている技術だとしても、顔面のデータベースを構築、利用可能な状態である事が大前提(高度に情報化された諜報機関・警察もしくはグーグルのようなビッグブラザーの協力が必須)。仮にそれを利用できたとしても、スーパーコンピューター並みの性能を持つコンピューターがないと判定に何日もかかる。

  4. 監視カメラの鏡に映った被害者の瞳に映った犯人の顔を割り出すミステリーが出てくる。

  5. ツインピークスで知ってた
    20年以上前の作品だけどあれは神作品

  6. 日本のアニメでよく使われるトリックが
    実は使える技術だと科学で証明されたわけか
    次は、日本のヒーローモノでは必須トリックである3点着地の証明だな

  7. 有用にも悪用も出来そうだけど
    俺の人生に関わる事はあるまい

  8. 一体どのぐらいの人がこんな高解像度の画像を撮れるカメラで顔写真撮るんでしょうか

  9. 手に持った相手のカードが全て見えるという超能力者が、
    実は相手の目にカードが映っていて、
    それを読んだだけなので、実は超能力でも何でもないんだ・・って、
    本人がタネを明かしたけど、相手の目に映るカードを読み取れる眼力が、
    既に超能力に近いという・・。

  10. 「本当に瞳孔に人物が写っていたりするものなのか?」
    漏れは試しにお気に入りのテレビタレント、○○の画像をグーグルで検索し、彼女の瞳孔を拡大してみた。
    「どうせ何も写ってねえ・・・ファッ!・・」(中略)
    っていうかんじの小説をだれか頼むw

  11. カメラの画素数が約12ヶ月程度で2倍に進歩、ってのは本当なのか
    初期の頃の30万画素くらいの時代ならば、その法則も当てはまるだろうけど
    比較的近年の超高画質が、年ごとに倍に増えていったら天文学的数字になるのでは?
    10年後には200億画素を超えてるというのか、マジで

  12. 犯罪捜査に役立つ事をこんな公表してしまって大丈夫なのかな?

  13. いや、その画像でオバマとはわからない。
    書いてあってもわからない。

  14. 人の瞳孔じゃなく、猫や犬なら・・・もっと様々な真実が隠れてそう。オラわくわくしてきたぞ!

  15. 試しにiPhone5s内カメラで自我撮りしてみたけど、
    適当に撮ってiPhone上での拡大でも部屋でテレビ見てるかな?ぐらいは分かる感じ。見事に視界に入っていた景色が写り込んでたまげた。
    さらに画質や条件が整えば、瞳に写り込んだもので間取りや番組の時間帯とかも素人の根性でわかりそう。
    アイドルオタクや鬼女さんならやれそうで怖いな。
    ただ、証拠能力はないから中々警察で採用は難しいかもしれない。警察の仕事は犯人を見つけてから、証明するまでが本番だから
    試す分にはタダだしおもしろいから、みんなもやってみたらどう?

  16. いつも最高画質使うか?
    おれの場合は3Mほどで大量撮影。特にきれいな風景とか美人に対してのみ最高画質。

  17. うっかりペットの写真をupしたらうP主の顔はもとより部屋の状況などあらゆることが身バレするってことですね。

  18. 出来るかもとは思ってはいたけど 実際に特定出来るとは恐ろしい・・・

  19. 将来は360度カメラで、生データは全天球撮影とか普通になるんじゃないかな。
    んで必要に応じて、切り分け編集すると。

  20. >29
    それが普通に慣れば違和感はなくなる。今のHDDは数テラ普通に行くだろ?昔は数ギガですごかったとか言われてた時代もあるし。

  21. 研究に使ってるのがハッセルブラッドってw
    この人ただのカメラ好きなんじゃ

  22. ブレランの、部屋の向こうまでまわりこむ技術が開発されれば完璧。

  23. ポーカーかなんかの世界チャンピオンが引退後、
    「実は対戦相手の瞳からカードを読み取っていた」
    と告白したことがあったことを思い出した。

  24. 攻殻機動隊で10年前に見ました。
    この研究はちょっと恥ずかしい気がする。

  25. カイル・マクラクランって今どうしてるんだろうな ぞなもし

  26. 意中の女子の顔を自画像の瞳孔部分に合成して送り、「僕の瞳には君しか写っていない」と画像解析ソフト付きでメッセージすればバッチリだね!(変態的な意味で)

  27. 30年くらい前に、雑誌の表紙写真で似たようなことを試みたなー。でもほとんどは専用の照明器具しか見えず、ヒトらしきものであっても、シルエットのみだった。瞳に映る映像は、広告や雑誌の写真撮影では、昔から最新の注意が払われていた部分だわな。

  28. 一度リサイズしてしまった画像を元画像波に鮮明にすることは不可能
    画素数の少ない画像を高画質にすることも無理!
    引き延ばして補完はできても見えないものまで見えるようにはなりません
    ドットの集まりから像は浮かんできませんです。

  29. すごいなぁ、ドラマなんかで時々「ここをもっと拡大してくれ!」みたいなシーン、現実になってるんだなぁ

  30. ヘンディの法則は、1ドルで買えるデジカメの画素数は10年で1/100になるっていうのらしい。
    1年で7パーセント増だから、1年で2倍になるというのは増えすぎ。

  31. サスペンス映画などで「この部分を拡大してくれ!」と言われて拡大すると
    解像度が何故か綺麗になる不思議

  32. カメラマンやってますが、こちとら撮ったモデルさんの瞳の自分を消すのに苦労してるってのに!

  33. その内瞳孔に写ってる人の瞳孔に写ってる人も見えるようになったりするんだろうか

  34. 写り込みやゴミを消しまくって瞳のハイライトまで消してしまった編集者の話を思い出した

  35. 推理ゲームでこれで犯人特定するのあったな…無理だと思ってたけどできたらすごい

  36. 映ったものを体内に保存する技術とかも出てきそう
    犯罪捜査には役に立ちそうだけど

  37. 画素数はここ最近停滞か減少気味。
    携帯やらコンデジのセンサーサイズがデカくならないとこの話は無理だろうなぁ
    一眼で犯罪現場撮ってるヤツなんていないだろうし。

  38. 相手の目からカードを読み取るとか視力がいくつあれば出来るんだろ…

  39. コミック アース・スターのグラビアに映りこんでたおっさんを思い出す

  40. 防犯カメラでこの技術が使えるようになるのははたして何十年後か。

  41. アップレゾは今でも行われてるよ。
    みんながしらないだけで。

  42. 雑誌に載ってたアイドルの顔のアップの写真で瞳にカメラマンが写ってるのが見えたから
    どういう状況でとられたかとか場所の特定には今でも使えそうだけど
    もっと詳しいことを知るには今の技術では難しそうだな

  43. これ普通のカメラじゃどうせ無理だろ
    ケータイのカメラがどんなに優秀になったところでネットに投稿されたら画質落とされるから拡大しても瞳の中まで確認するのは難しいよね。そもそも犯罪捜査に役立てようにも、普通の人は犯罪の現場の写真なんて撮らないと思うし、たとえ撮った人がいたとしてその撮った人を探すのが大変そう
    この技術が生かせるところはかなり限られそう

  44. >誰もが知っているオバマ大統領ならこの画質でも十分判別可能だ
    ノッチかもしれないだろ(棒)

  45. そう言えば、女の子の自撮り写真の目の部分を
    強拡大して、そこに映ってる風景から
    家の場所を割り出してストーカーしてた、なんて話を
    ニュースで聞いた記憶がある。

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