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約2700年前、地球が壊滅的な太陽嵐に襲われていたことが古代樹の年輪から判明

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(著) (編集)

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Photo by:iStock

 もしも今、このクラスの太陽嵐が来たら電気通信技術の発達した地球に壊滅的な被害をもたらす事は間違いないだろう。

 今から2700年ほど前の地球が、稀にしか見られない強力な太陽嵐に見舞われていたことが、木の年輪に刻まれた痕跡により明らかになった。

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 それは「ミヤケ・イベント(Miyake event)」と呼ばれる太陽嵐で、紀元前664年から、紀元前663年にかけてのどこかの時点だ。

 過去14,500年で数回しか起きていない珍しい太陽嵐

 今年、地球は数多くの太陽嵐の襲来を受け、ときに壮麗なオーロラを作り出して人間たちを驚嘆させた。

 だが、このほどアリゾナ大学のイリーナ・パニュシュキナ氏らが明らかにした2700年前の太陽嵐は、「ミヤケ・イベント(Miyake evemt)」と呼ばれる珍しい宇宙の気象現象だ。

 ミヤケ・イベントとは、2012年に当時名古屋大学博士課程の学生だった三宅芙沙(みやけ ふさ)氏が発見した極端な太陽活動のこと。

 かなり稀な現象で、過去14,500年の間にわずか6回しか検出されていない。今回特定されたのは、そのうち一番最近起きたものだ。

 その太陽嵐は、起きたのが現代でなかったことを感謝したくなるようなヤバいものだったらしく、パニュシュキナ氏はプレスリリースでこう語っている。

この直近のミヤケ・イベントが大昔に起きたことは幸いでした。もし今日起きれば、通信技術に壊滅的な影響をもたらしたでしょう

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2012年にNASAの太陽観測衛星が撮影したこの画像では、太陽の表面から太陽フレアが噴出している image credit:NASA/SDO and the AIA, EVE, and HMI science teams

木の年輪や氷河の氷に閉じ込められた太陽嵐の痕跡

 現代の科学技術のおかげで、専門家は太陽嵐のほとんどに気づいている。だが、大昔に起きた太陽嵐のことなど、どうやって知ることができたのだろう?

 それは樹木の年輪という天然の記録装置のおかげだ。

 ミヤケ・イベントで特徴的なのは、木の年輪に含まれる「炭素14」が急激に増えることだ。

 炭素の同位体である炭素14は、宇宙線(ここでは太陽嵐)が大気中の窒素と作用して作られる。

 これが酸素と反応することで二酸化炭素になり、やがては光合成を通じて木々に取り込まれる。だから、ミヤケ・イベントが起きた年は、木の年輪に含まれる炭素14が急増するのだ。

 パニュシュキナ氏らは、川辺に埋もれていた古木や考古学的調査で発掘された木材の年輪を慎重に解体し、木材の主要な成分であるセルロースを抽出。これを燃やして、そこに含まれる炭素14の量を測定した。

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シベリアを流れるオビ川。河岸の泥に埋もれた古い木々に、数千年前の太陽嵐の痕跡が刻まれている/Image credit: Irina Panyushkina

 このデータをさらに、南極や北極の氷に含まれるまた別の同位体と比較する。

 たとえば「ベリリウム10」は、太陽粒子によって形成され、雪や雨となって氷河や氷床に閉じ込められる。

 だから、その増加のタイミングが年輪の炭素14急増と同じならば、太陽嵐が発生したという裏付けになる。

 こうした分析によって判明したもっとも最近のミヤケ・イベントは、紀元前664年から前663年のどこかの時点で起きた。その年、人々は壮麗なオーロラを目にしたのだろうか?

 この研究は『Communications Earth & Environment』(2024年8月23日付)に掲載された。

References: When trees 'talk:' Researchers probe ancient wood for clues about massive solar storms | University of Arizona News

本記事は、海外で報じられた情報を基に、日本の読者に理解しやすい形で編集・解説しています。

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この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. なるほどなー太陽嵐によって炭素の同位体が増えるのか。
    その当時に現在のような電力網が有ったならちょっと前に起こったカナダ・ケベック州の大停電のもっと規模のでかいやつが発生してたんだろうな。

  2. かなり激しい現象のはずなのに
    「ミヤケ・イベント」と聞くと何故かのどかな雰囲気を感じる

  3. これね皇紀零年と一致するんだよ。
    神話的故事は実は具体的に事実を表していたということ。
    それが科学的に証明されたということ。
    つまり神話ではなく現実の歴史だということ。
    本気で今自分は泣いてるよ。もちろん歓喜の涙で。

    1. 随分マイナスがついていますが
      2700年前に人間世界でも何かが起きていたとかんがえるべきだとおもいますよ

  4. 現代文明がいつでも突然終わりえると思うと恐ろしくもあり楽しくもある

  5. 14500年の間6回って平均2400〜2500年周期で発生してるってことなんじゃ・・・

  6. 過去14,500年でわずか6回の稀な出来事って書いてるけど、天文学的にはたった14,500年で6回ってものすごく頻繁に起きてるから明日起きても不思議ではない。日本の天文学者が太陽でも壊滅的なメガフレアが起きるという論文を発表しようとしたら、そんな恐ろしい話を発表してはいけないと止められたなんて話をNHKの番組でやってたな。

  7. 「スピキュゥウウル!!!」
    「うぉおお!熱っちぃいいいいい!!!」

    にたどり着く古い人間は流石にねwカラパイアとはいえ…

  8. ノストラダムス「こういう情報はもっと早く教えてくれないとなぁ」

  9. 前もっていついつに太陽嵐が来やすよとわかっていたら、人類はどうするのかな。
    電子マネーを現金化したり思い出のデータや大事な文書を紙媒体にしたりするのかな。
    ライフラインが止まったりするのかな?地球規模でそんなんなったら、温暖化やパンデミックより大変な事になりそうだね。

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