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地球外文明の電波信号を傍受する新たな方法を発見したと科学者らが発表

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地球外文明のシグナルを傍受する試みこの画像を大きなサイズで見る

 無限の宇宙のどこかにあるであろう地球外文明は我々地球人の文明と同じかどうかはわからない。だがもし似ているのなら、きっと母星と近く惑星との間で通信を交わしているはずだ。

 米国ペンシルベニア州立大学の研究チームは、最新の研究で、そのときに使用されるだろうる狭帯域の電波信号を探知する新たな方法を発見したと発表した。

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 その方法を実際にTRAPPIST-1惑星系で試してみたところ、異星人の存在を示す痕跡「テクノシグチャー」こそ発見できなかったが、その有効性を確認したという。

 この方法はもちろん別の惑星系にも応用できるため、将来的のSETIプロジェクトによって大発見がなされるかもしれない。

地球外文明が地球に似ていたら狭帯域信号で通信しているはず

 地球外文明を探し出すことを目的とするSETIプロジェクトでは、彼らが意図的に遠くへ向けて発信するビーコンのような強力な電波に狙いを定めている。

 なぜなら、現在地球にある受信機の性能の限界ゆえに、偶然漏れ出したような微弱な電波をキャッチするのは難しいと考えられているからだ。

 だが、もし地球外文明が多少なりとも私たちと似ているのであれば、彼らもまた母星と付近の惑星との間で「狭帯域信号」による通信を行っているに違いない。

 たとえば、私たち地球文明は、月や火星を調べるために、無人の探査機や探査ローバーを送り込み、狭帯域信号でデータをやり取りしている。

 もしもそれと同じような通信が地球に向けてダイレクトに向けられれば、それをキャッチできるチャンスは広がるだろう。

 だが、そんな都合のいいことが起きるだろうか?

地球外文明が通信信号を発している様子を示したイメージ図この画像を大きなサイズで見る

地球と地球外文明を持つ惑星との間を惑星が通過する時がチャンス

 米国ペンシルベニア州立大学の天文学者ニック・トゥセイ氏らが閃いたのは、その都合のいいことが起きるタイミングだ。

 それはいつか? 惑星と惑星の「掩蔽(えんぺい)」が起きたときだ。地球と彼らの母星の間を、その母星と通信する惑星が通過したときだ。

 その瞬間、地球外文明を持つ彼らが、(地球から見て目の前を通過する)惑星に設置された探査機や基地などと交信するために狭帯域信号を飛ばしたとすれば、その方向には地球があるので、こちらにも飛んでくる可能性が高い。

 これをキャッチできれば、私たちは彼らの存在を知ることができるだろう。

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地球から見た太陽系外の惑星間の通信を示すイラスト Credit: Zayna Sheikh

太陽系外惑星系TRAPPIST-1で実験、信号を特定

 このアイデアを検証するために研究チームが注目したのが、みずがめ座の方角40.5光年の先にある「TRAPPIST-1」という赤色矮星を中心とする太陽系外惑星系だ。

 太陽の8パーセントほどの質量の赤色矮星(せきしょくわいせい)であるTRAPPIST-1の周囲には7つもの地球型惑星が存在し、そのうち3つはハビタブルゾーン(液体の水が存在できる領域)にある。

 つまり異星人の発見が期待される有力な候補なのだ。

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太陽系外惑星系TRAPPIST-1の想像図

 研究チームはその可能性に賭け、SETI協会などが運用する電波干渉計「アレン・テレスコープ・アレイ」でこの惑星系を28時間にわたり観測した。

 この間、惑星間掩蔽(えんぺい)が7回起きたと予測されており、今回の観察ではそれにともなう2200の信号候補が確認された。

 残念ながらそのうち異星人の存在を示唆するような電波はなかった。だが有望な信号を特定できたことだけでも、この方法の有効性を物語っている。

 トゥセイ氏によると、TRAPPIST-1系は地球から比較的近く、その惑星の軌道もくわしくわかっていたため、アイデアを試すには格好の実験場だったとのこと。

このプロジェクトのために開発した方法とアルゴリズムは、ほかの惑星系にも応用できるため、太陽系外惑星の間で交わされる定期的な通信を発見する可能性を高めてくれます(トゥセイ氏)

 今回は何も見つからなかったが、同じことを別の惑星系で試してみれば、いつか大きな発見があるかもしれない。

 この研究は『The Astronomical Journal』に掲載される予定だ(現在『arXiv』)で閲覧できる。

References: Are nearby planets sending radio signals to e | EurekAlert! / Scientists Say They've Figured Out a Way to Intercept Alien Radio Signals

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この記事へのコメント 9件

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  1. 逆に同じ方法を相手が思い付けばこちらの事を見つけているかもしれないのか
    いやそもそも宇宙に向けてメッセージ送ったりしてるね地球。相手がやろうと思えば既に見つかってるのか

    1. 見つかってないと思うよ
      人類が意図的に地球外へ情報を発信できるようになったのは電波を利用してからなので、100年くらい前から
      電波は光速で飛ぶので直径200光年の範囲にしかまだ届いてない
      異星人にその電波をたまたまキャッチされる確率は砂漠で小石を軽く投げて人に当たる確率よりも遥かに低いのでまだ誰も受け取ってない
      人類も異星人の電波なりなんなりをまだ受け取ってないので今世紀中どころか今のミレニアム中でも見つからないと思う

      1. さらに電波の強度は距離の二乗に反比例するから、ノイズに埋もれると思います。太陽の光くらいの強さで出力できれば太陽光に埋もれずに受信してもらえるかも。
        この辺、SFの三体は面白い方法で電波を宇宙にばらまいてましたね。

  2. どうだろう
    色々やってみるといい

    我々と彼らの距離は科学の差でもある
    彼らは恒星間飛行してるのだから、空間そのものをノックして信号を送ってるかも
    一見、蟻のようだが電波のように画像データを飛ばしているかも

    そんな相手に振り向いてもらうには色々試すしかない

  3. 今どれだけ観測しても成果が得られないのは、現在他惑星文明の電波が地球を通り抜けているタイミングではないからよ
    いくら観測しても無駄なので諦めが肝心だが、10万年ほど粘れば今現在銀河系内に存在している文明が使用している電波を確実に受信できるよ、電波通信してたらだけども
    でも受信した頃には、その文明はどうなっていることやら…

  4. 地球外文明からしたら電波を使っての通信なんて、動物の鳴き声レベルの遅れた通信方法かもしれない
    すでに高度な量子通信を獲得しているかもしれないし、最初からテレパシーが当たり前な文明の可能性だって有る
    地球外文明の生物からしたら「うわ、今日も遠い銀河の原始生物が叫んでるわw」
    程度の認識かもしれない

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