試験運用中なLinux備忘録・旧記事

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動画編集アプリケーションOpenShotについてのメモ(2011/2/15現在・後半)

「動画編集アプリケーションOpenShotについてのメモ(2011/2/14現在・前半)」の続き。

動画タイトルエディタについて

OpenShotには幾つかのパラメータを渡すことでBlenderと連携して動的にタイトルのCGムービーを連番画像のクリップとして作成する機能があるが、OpenShotのバージョン1.3.0時点では(正確には開発版のリビジョン394から)この機能を用いるためにはバージョン2.56以上のBlenderが必要となっている。これはBlender側に仕様変更があったためで、OpenShotのリビジョン394からこれに対応したと同時に2.54などの低いバージョンのBlenderでは動作しなくなった。
この機能によるムービー生成は、数百フレームものCGレンダリング処理を行うことになるため、非常に時間がかかる。
OpenShotのバージョン1.3.0時点では文字の描画において日本語フォントを用いることが可能となっている。

バージョン2.56以上のBlenderをUbuntu 10.10で使用する

Ubuntu 10.10時点ではディストリのパッケージとして提供されているBlenderのバージョンは2.4系となっているため、バージョン1.3.0時点のOpenShotの動画タイトルエディタを用いることはできない。
推奨する方法として、Blenderの公式サイトのダウンロードページにある「For the 2.5 test builds check this page」と書かれたリンクをたどって「Linux x86-32/64」の中からアーキテクチャに合ったバイナリ(x86_32版ディストリなら32bit,x86_64版ディストリなら64bit)をダウンロード後に展開し、OpenShotの設定ダイアログの「一般」タブの実行ファイルの欄にそのディレクトリ内のblenderというファイルの絶対パス(「/path/to/blender-[略]/blender」形式)を入力するのがよい。OpenShotのバージョン1.3.0時点ではGUIのファイル選択ダイアログでたどることはできず、パスを手動で入力する必要がある。

ファイルを開きすぎです?

作成したクリップを再生しているときに映像の表示が真っ白?になって端末や${HOME}/.xsession-errorsに

Traceback (most recent call last):
  File "/usr/lib/python2.6/threading.py", line 532, in __bootstrap_inner
  File "/usr/lib/pymodules/python2.6/openshot/classes/lock.py", line 169, in run
OSError: [Errno 24] ファイルを開きすぎです: '/home/[ユーザ名]/.openshot/queue'

のように出力され、アプリケーションが正常に動作しなくなってしまうことがある。
これはメッセージの通り、ユーザが同時に開くことのできるファイル数の上限に達したことを示し、その数は「ulimit -n」の結果で得られる他、/etc/security/limits.confの「nofile」で設定できるのだが、この件については作者とIRIE氏によりMLTのバージョン0.6.0時点では修正されていることが判明しており、MLT側を更新しない限りはこの現象は発生する。ただ、手元ではMLTのバージョンを上げていないので正常に動作するようになるかは確認していない。
フレーム数の多い動画タイトル(「雪」など)を作成したときに起きるので、バージョンの低いMLTを使う場合は使用を避けたほうがよいかもしれない。
(2011/3/7)MLTのバージョンを0.6.2に上げたところ、この(連番画像関係の)問題が解消されているのを確認した。

Ubuntuで一部コーデックが使えない場合

動画の書き出し時に「The following codec(s) are missing from your system:」のメッセージが出る場合、「libavformat-extra-[バージョン]」のパッケージを「libavformat」などのキーワードで検索し、これを選択してインストールするとよい。

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使用したバージョン:

  • OpenShot 1.3.0