試験運用中なLinux備忘録・旧記事

はてなダイアリーで公開していた2007年5月-2015年3月の記事を保存しています。

MKVToolnixについて(概要、Matroskaコンテナへデータを入れる作業)

MKVToolnixについて

MKVToolnixは、多機能なコンテナ(入れ物)形式Matroskaを使用したファイルを操作するツール群で、以下のコマンドによって構成されている。

  • mkvmerge(CLI): Matroskaコンテナへデータを入れる*1
  • mkvinfo(CLI/GUI): Matroskaコンテナの情報取得・-gオプションを付けるとGUIウィンドウで表示
  • mkvextract(CLI): Matroskaコンテナからデータを取り出し、ファイルに出力*2
  • base64tool(CLI): base64のエンコードとデコード*3
  • mmg(GUI): mkvmergeのGUI(mkvmerge GUI)・wxWidgets使用

ディストリのパッケージとしては、Gentooが標準でインストールできる他、公式のダウンロードページによると、多くのディストリ向けに配布しているようだ。

mkvmerge GUIのメニュー項目について

mkvmerge GUI(mmg)がデスクトップ環境のメニューになかったため、項目を作成した。
[任意]ファイル名: ~/.local/share/applications/mmg.desktop

[Desktop Entry]
Name=mkvmerge GUI
Comment=Mux files into Matroska container
Comment[ja]=Matroskaコンテナにファイルを入れます
Exec=mmg
Icon=
Terminal=false
Type=Application
StartupNotify=true
Categories=Application;GTK;AudioVideo;Audio;Video;

Matroskaコンテナへデータを入れる

Matroskaファイルの作成にはmkvmerge GUI(mmg)が便利。
以下は作業の流れの例だが、順番は特に決まってはいない。

  1. 「Input」タブの「add」でオーディオもしくはビデオのファイルを選択
  2. (添付ファイルを追加する場合)「Attachments」タブの「add」で添付ファイル*4を選択・追加
  3. (チャプタもしくは埋め込みCuesheet使用時)「Global」タブからチャプタの言語を指定し、チャプタファイルもしくは埋め込みたいCuesheetのエンコーディングと場所を指定
  4. 下にある「Start muxing」でMatroskaコンテナにデータを入れる作業を開始

出力ファイルの拡張子は、オーディオのみの場合には「.mka」、ビデオを含む場合には「.mkv」が自動的に付くようになっている。
以下は適当なオーディオデータとCuesheetをもとに.mkaファイルを作成したときの画像。

入力ファイル指定

埋め込みCuesheetを指定

作成完了

使用したバージョン:

  • MKVToolnix 2.2.0(2.2.0-r1)

関連記事:

関連URL:

*1:コンテナの中に各種データを入れることは「mux」と呼ばれる

*2:コンテナからデータを取り出すことは「demux」と呼ばれる

*3:GNU/Linuxでは基本コマンド集のcoreutilsにbase64コマンドがあり、機能は同様

*4:Matroskaコンテナには、任意のファイルを添付ファイルとして追加することができる