四国ピドニア巡礼:Day 1

この週末も全国的に予報が雨。6月中九州マイル半分キャンペーンに奄美も入っているため、梅雨明けの奄美に行くことを考えてましたが奄美も雨の予報。いっそ前線の影響を受けない石垣まで行くかと足を検討するもマイル枠が空いているわけもなく、バニラなどのLCCを検討するも往復5万。金曜になると四国の予報が若干良くなったので、去年大雨のなかピドニアを掬ってイマイチだった林道に再チャレンジすることにしました。とりあえず往路の徳島行き夜行バスを予約。横三列でトイレ付きのゆったりタイプで一万円ほどしました。三重あたりまで県境を越えるたびにツイートして暇潰してましたがそのあたりで寝落ち、目が覚めると淡路から四国に上陸するところでした。徳島には6:30頃到着。駅前のホテルのバイキングでがっつり食べます。昼食を抜いて探索するため。ゆっくり休んでから8:00に車を借りて出発。ポイントの林道入り口までは対向車が来ると厳しい場所が何か所かありますが、幸い来ませんでした。そして林道。去年パンクして携帯が繋がらなかったので自分でタイヤ交換した因縁の場所です。ちょっと速度が出ると段差で車体が大きく跳ねてタイヤへの負荷が大きくなるので10km/hをキープ。落石で割れた石器のような石もたまに落ちており慎重に避けながら10km以上を走破。天気はピーカン時々曇りで去年とは対照的。花は途中のコゴメウツギ群落が満開。他にエゴっぽい花、赤や白のウツギなどありますがピドニア的にはダメでした。去年満開だったサワフタギだったかを探しますが見つからない。地形を思い出してそのあたりを調べるとガマズミっぽいのがあり、まだつぼみでした。コゴメウツギに戻って本格的にスイープ開始。

コゴメウツギ

ガマズミ?


ヘリグロホソハナカミキリ

今回唯一の生態写真。触角シマシマで、ああニョウホウかと深追いしませんでした。もっとちゃんと撮ればよかった。

ピドニア

この中からフタオビでなくアワらしい個体を選別するのは不可能。

暫定アワヒメハナカミキリ

とりあえず前胸がくびれてる感じのを確保

チュウジョウヒメハナカミキリ

たくさんいました。前回まともな写真が撮れなかったので満足。オヤマの四国での置換種。
オス。最後のだけ色彩変異が激しいけど、藤田図鑑で、まれにこういうのがいると書かれている。


チュウジョウヒメハナカミキリ

メス


NEED ID ピドニア

暫定イヨ。多いです。ここはヨコモンいないので、ニセヨコモンでなければイヨ。前胸中央に縦長の隆起がないのでニセヨコモンではないと思う。


マホロバヒメハナカミキリ★

基本的に中部山地より西で、「前胸が黒、前後縁が赤」のは中部山地にいない種類と見ていいので確保します。四国でそれに該当するのはマホロバ(四国、まれに紀州)、シコク(四国、九州の一部)、ブロイニング(ニッコウの四国亜種)、イシヅチ(四国)、サイゴク(四国、九州、西日本)。この場所ではブロイニング以外すべて記録があります。
マホロバは個体数が多かったです。明確なB紋、それが肩まで届かないという特徴で同定は容易。ブロイニングの場合は肩まで届きます(B紋+H紋)
オス2つ

マホロバヒメハナカミキリ

メス2つ。


サイゴクヒメハナカミキリ

メスとオス。


シコクヒメハナカミキリ★

たぶんメス、オス、オス
B紋がないのが特徴。斑紋的にはキュウシュウにも似てますね。ところで学名Pidonia shikokensisはシコクヒメハナでなく、P.kyushuensisはキュウシュウヒメハナでないという面倒な状況になってます。

ヤマトヒメハナカミキリ

イシヅチは見つからず。ヤマトが一匹だけ入りました。分布は静岡以西。

NEED ID ハムシ

花から。

枯れ枝

枯れ枝でトゲムネホソヒゲ、ミヤマケシ、サワグルミでコジマベニスジ(チチブニセリンゴ亜種)が狙えるので掬ってみます。

ミヤマケシカミキリ★

これはブナがホストですがブナでない枯れ枝を掬って落ちました。これも関東甲信にはいません。アトモンマルケシに似てるけど微妙に違う。ブナの立派な倒木もあったけど、コブ探してる時間ないのでパス。


移動

この日のもう一つのターゲット、桂の精霊を探して移動。自然度の高いブナ帯をあちこち探索した人なら、桂の巨木がどういう場所にあるか、だいたい経験で分かるんじゃないでしょうか。色々調べて、ここはあるだろうと当たりをつけた場所に移動します。時間は15:30。天気は小雨になりましたが、九州で撮影されたまめわらびーさんによると、小雨の方が出てくるんだとか。湿ったコケの上を歩いてるんだそうです。
緑の苔の上を歩き回るオレンジのカミキリ。ぜひ見てみたいものです。

ブナ林

こんな環境

カツラ巨木

歩くこと10分ほど。お!あれはそうではないか?ありましたねえ。立派な巨木です。じっくり周囲を探すと、、、

シコクヒメコブハナカミキリ★

うおおおおお!います!腹がパンパンのメスですね。薄暗い梅雨時のブナ林で濡れた緑の苔の上を歩くオレンジの精霊。まさに思い描いていた光景が眼前に。もうなんといっていいのやら。


周囲の枝でメスを待っているオスも二匹発見。

ピドニア

植生的にはいい感じですが、鹿のせいか下草が全くありません。たまに見つけた花を掬ってもオオしか入らない。地面が乾くとだめなのかも。その他、ウチハダカエデからニセシナノクロフが落ちるようだけど見つけられず。木は多いんですがね。

エゾサビカミキリ

ホソヒゲケブカカミキリ

トゲムネホソヒゲじゃないんだなぁ。

移動

またノロノロ運転で舗装道に復帰。今回はパンクせずにすみました。結局イシヅチとブロイニングが発見できず。またアワはいたかどうかわからない。という訳で二日目はそれらが狙えるT山に行くことにしました。山沿いに移動すれば結構近いし途中に温泉宿もある。そこへ向かう国道の途中で通行止めの電光掲示があり、カーナビにも通行止めマークが朝出てた気がするけど、ナビに温泉宿を入れたら普通に経路が出てきた。さっそく向かうと宿まで10kmのところでやっぱり通行止め。土砂崩れで復旧未定とのこと。うーん、ダメじゃん。引き返して大きく北に迂回、狭く曲がりくねった酷道を延々運転して美馬市まで到着。胃が痛くなった。ここでビジホが空いてたので宿泊。捕獲したピドニアの撮影も行いました。明日は天気崩れるけど、朝早く居残りを掬って、さらに別のターゲットへ移動しようという作戦。続く。