イーガン新作短編集

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

別冊問題集(ネタバレ)

自分の感想過去ログ (読み返すと、いろいろ直したいなぁ)

QUSP について追記

シュレディンガーの猫のように外の世界の要因のために自分が分岐すればどんな特殊な量子脳であろうと分岐は防げないんじゃないか。自分が異なる判断をして分岐した場合のみを心配しているんだろうか。しかし「どこまでが観測対象でどこからが観測者か」という観測問題と同様、人間の自由意志も環境に左右される。体中の神経からの情報を元に決断を下す「決断者」が自分の自由意志であると考える場合、体と心の境目はどこなのかという問題が出てくる。とりあえず量子的にシールドされたQUSPがそれだということか。,,
,,自分はそういう分割はできないと思っている。出来たとしたら、決断者は麻酔なしで手術しても「痛い!」と思わず「痛いという信号が来た」と思うだけなので、いくらでも耐えられる。いわゆる「クオリア」の問題。実はそういうネタを扱った短篇もイーガンは書いている(未訳)。脳てのは「痛い」信号が来たら自動的に逃げる命令を出す機械に、補助的に意識というものが付いているんじゃないか。