fc2ブログ

ビオセボン町田店に行って考えた日本のオーガニックのこと その1

author photo

Byほんたべ

214988992_4302430453197431_5599783854340095693_n.jpg
冷蔵ケースのすみっこのキャベツにご注目ください。茶色く変色しています。

フランス発のオーガニックショップ、ビオセボンが続々とオープンしています。
ご近所の二子玉ライズのこだわりや跡にもビオセボンが入っていました。

ここにはこだわりや前にはナチュラルハウスが入っていました。考えてみると、
自然食品店系列が次々に入っては潰れています。が、ビオセボンなら潰れないかも。
ライズに来るおしゃれな方々は「こだわりや」よりも「ビオセボン」って気がするからです(根拠なし)。

さて先日玉川大学で講演をさせていただく機会がありまして、
帰りにお隣の駅・町田でビオセボンを視察して来ました。

数年前、麻布のビオセボンで驚愕した野菜売り場ですが、町田店ではどうなのかしらん?
なんちて思いつつ行ってみたのです。結論的には青果物、
とくに軟弱野菜はむしろ売らないほうがいいかもと思った次第です。

さて、町田店の売り場には常温・冷蔵があり、常温には玉ねぎ・じゃがいもなど
セオリー通りの「常温で売るべき野菜」が置いてあります。
ちょびっとだけ軟弱野菜が置いてあるのは自然食品店あるあるです。
軟弱野菜はすべて防曇袋に入っていました。鮮度保持に気を使っているのでしょう。

フランス式の「過剰包装不可」方針は日本の気候と作物には合わない、と
仕入先から再三アドバイスされたはずなので、そこんとこはきちんと改善されたようです。
良かったな。ビオセボン。

隣にある冷蔵の売り場では、なぜかすべての軟弱野菜が汗をかいていました。
防曇袋の内側に汗をかくのは、コールドチェーンのどこかで温度変化があった、
という証拠なのですが、なぜ汗をかくのかよくわかりません。

そういえば有機JASマーク添付の軟弱野菜たちはご近所のサミットでも成城石井でも
毎回必ず汗をかいていることをちらっと思い出しました。
どの段階で毎回温度変化が起きているのか。どちらもバイヤーはしっかりしてそうなのに。謎です。

わたくしが最も驚いたのは、軟弱野菜の横にころんと置いてカットキャベツでした。
なんと、キャベツの断面が茶色くなっているのです。
ウチの冷蔵庫ならともかく、お店で茶変とはどういうことなのか。驚愕するわたくし。
お店で断面が変色しているキャベツを生まれてはじめて見たと言っても過言ではありません。

わたくしの家の冷蔵庫ではカットキャベツの断面がよく茶色く変色していますが、
これは、エコババの必需品、接着力の低いポリエチレンラップを使っているからです。
カット断面は空気に触れなければ茶色く劣化するのに時間がかかりますから、
どこのスーパーでもみっちりラップで覆われています。

が。ビオセボンのカットキャベツはまったく密着しないポリ袋に入っていました。
ポリラップ以上に断面が空気に触れまくっているので茶色くなるのは当然ですが、
お店に置かれて何日目なのか、という疑問が生じます。

そのキャベツには30%引き、と書いてありました。
3割引で茶色キャベツを買う人がいるのかな。わたくしはちょっと恐くなりました。

さらに、周辺には3割引シールが添付されている様々な野菜が売られていました。
茶色く変色しつつあり袋に水滴がたまっている枝豆や半分くらい黒くなってるオクラなど
自然食品店でもなかなか見かけない劣化具合です。

枝豆が茶色くなっていたら3割引とかではなく廃棄ではないでしょうか。
むむう。どうしたんだ売り場の人!!!

なぜなんだ、と考えつつ、わたくしはスカッと忘れていた事実に気づきました。
有機JASマークのついている野菜は、条件を満たさないとリパックできない、
というルールがあるのです。

例えばスーパーでパックされているトマトが一個だけ悪くなっているのを見つけたら、
そのトマトだけ取り除いて、あらたにパックすることができます。
小松菜が一株だけ黒くなっちゃったら、そのひとつだけを抜き取ることも可能です。

しかし有機JASの場合、一度包装をといてあらたに包装し直し、有機JASシールを貼るためには、
事業者の「小分け認証」が必要になるのです。

「有機JASシールを貼られた野菜をバックヤードでリパックするにはこの認証が必要で、
小さな業者ではなかなかそこまでの手間をかけられないことが有機農産物が店頭で売られにくい理由」

以前農水省主催の有機農業の会合で有識者の方がおっしゃっていましたが、
小分け認証を取得していないと断面が茶色いキャベツの茶変部分をカットして
あらたにパックして販売することができないので3割引で売るしかないということでしょう。

とは言っても、断面が茶色くなっても3割引なら大丈夫だとか、
鮮度勝負の枝豆が茶色くなって大汗かいてても3割引なら売れるかも、
と思ってしまう店舗側の意識がどうなんだという問題はもちろんあるので、
もしかして町田店だけかもと思い、後日二子玉ライズ店にも行ってみました。

同じように断面が茶色くなったキャベツと半分くらい黒くなって大汗かいてるオクラを見つけ、
わたくしは、ビオセボンとは全体的にそのような方針なのかしら、と思った次第です。

店的には加工品がメインなので野菜は後回しになるのかもしれません。しかし、
茶色く変色したキャベツを売ってる店舗で野菜を買おうと思う人はいないのではないでしょうか。
それともオーガニックなら3割引ならカット面が劣化したキャベツでもいい、
なんちて思っている顧客がいるのかもしれません。

いずれにしてもとりあえず、今回もガッカリした次第です。
ガッカリの理由はもうひとつあったのですが、それはまた次回にでも語りたいと思います。

小分けの認証について
JAS認証 よくある質問・関連リンク(https://www.bureauveritas.jp/certification/jas/faq_link#kowake
どのような行為が小分けにあたりますか?
格付表示単位を変える行為を小分け行為とみなします。
一度有機JASとして格付けされた物を、より小さい単位に変化させてもう一度格付を行う、
または格付けされた物をまとめて袋詰め/箱詰めしてより大きな単位に変化させて格付を行う行為。
 【参考】有機農産物及び有機加工食品のJAS規格のQ&A 問3-1 答1 答2

関連記事
Share

Comments 0

Leave a reply

456789'.split(''),s='';for(var i=0;i