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あなたもわたしも植物も、菌と一緒に生きている

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Byほんたべ

2016年2月23日ワークショップ周知用チラシ最終版
エンドファイトについては北海道農業研究センターの池田成志さんの講演で
いろいろお聞きして興味津々。そのほかにも夕日の当たる圃場で
トマト栽培をしたらトマトの食味が良くなるとかの「光」の研究も
されているそうで、今度北海道でワークショップがあるようです。


ヒトの皮膚には数えきれないほどの微生物がとりついている。
というのはわりあいと最近(ここ十数年)わかったことである。

皮膚表面に住んでいる菌はそれぞれの体質によって違うが、
表皮常在菌によってヒトの体臭が決まる。と言われている。
ヒトのメスはこれを元にして繁殖相手を決めているのではないか
という仮説が5年ほど前ディスカバリーチャンネルで紹介されていた。

個人の免疫によって皮膚に住まわせる菌が決まるから
女は自分が持っている免疫と組み合わせ、最高のそれが獲得できる相手を
体臭を元に決めるというのだ。非常に興味深い話じゃありませんか?

人を好きになるのは顔とか性格ではなくニオイというのはあり得る話だ。
視覚などと違い嗅覚は主に大脳辺縁系という原始的な脳で処理されるからだ。

オスにとってちょっと悲しいのはこれを判断するのはメスであり、
しかも最終判断はキスのあとらしいってのがさらに悲しい。
キスする=鼻がより近づく=ニオイがよくわかる=あ、思ってたのと違った
なんて感じだ。繁殖に適さないと判断が下されればそれ以上には進まない。

なぜキス以上に進まなかったのかなーと熟考しても理由はわからなくて、
「なんとなく合わなかったんだろうね」なんて女は思っているが、
この相手では最強の免疫は得られないとメスとして判断している。って話。

この説はこれっきりでその後見かけないので実証されなかったのかもしれない。
おもしろいのになー。どっかに紹介されてないかなー。

さて、皮膚だけではなくわたくしたちは腸にも大量の微生物を住まわせており、
消化・吸収といった作業の補助をしてもらっている。この微生物のバランスや
内容によって、体質(太りやすいとか太らないとか)も決まってしまう
なんてことも最近わかってきた事実で、興味深い本がたくさん出ている。

ことほどさようにわたくしたちは菌にまみれて生きているのだった。
昨今の言葉ではこれを「共生」と言う。

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ワインの「テロワール」も土質ではなく土壌微生物によるもので
人為的にその組成を作り出せれば高品質なワインを作ることが
できるんじゃないか的な研究が進んでるってことでした。おもしろいなー。



人体だけでなく、微生物との共生は農業の世界でも非常に注目されており
さまざまな研究がされている。ということをわたくしは最近知った。

植物の場合、よく知られているのはダイズにつく根粒菌である。
根圏微生物と言われるが根っこの周りに取りつく微生物が
植物と共生し有用な物質を与えていることは昔から知られていた。

最近の研究では、植物内部にも共生微生物がいることがわかっている。

野菜が病気になるのは野菜のなかに病原菌が入って繁殖するからだが、
病原菌だけでなく、根圏微生物のように有用な物質を作ったり
野菜の抵抗力を高めたりする微生物がいる。らしい。

この微生物のことをエンドファイトと呼ぶ。
(ちなみに外にくっついてるのはエピファイト)

ネットを検索すると牧草とエンドファイトというのがやたらと出てくるが
エンドファイトが最初に見つかったのが牧草だからってことらしい。
牧草で見つかったエンドファイトは害虫抵抗性を持っていたが、
食べた牛に中毒を引き起こすということで問題になった。

現在では、中毒を起こさないエンドファイトの研究がされており、
すでにゴルフ場の芝草などでは実用化もされているようだ。

さまざまな有用性が注目されているが、有機農業的に「おっ!」と思うのは
除草剤・農薬・チッソ過多によりエンドファイトが減少し、
いわゆる悪玉菌(人体に影響する菌含めて)が増加することである。

微生物と各野菜との親和性なども研究されていて
レタスと大腸菌に親和性があることがわかったりもしていて
なんかレタス生で食べるしちょっとヤダとか思ったりしちゃうよね。

エンドファイトは植物ホルモンの生成や病害虫の抑制、
さらには植物の老廃物を分解したりもしている。
植物は微生物とさまざまの物質のやり取りを通じて自らを健全に保ち、
さらに食味の向上にも一役買っていると考えられている。

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いちごの芳香化学成分をメチロバクテリウムが代謝し、それをいちごが
さらに代謝して良い香りになる。という研究もあり、農産物の
風味・品質に対して、共生微生物相が重要な働きを担っている
なんてことが科学的に解明されてきているらしい。いちご農家が
経験として知っていることの科学的な裏付けができたということかな。



さらに有機農業的に「おおおおおっ!」と思うのは、
エンドファイトが有効に機能するのに必要な条件はどうも
「土づくり」にありそうだってことである。

微生物は農薬で死んでしまうから散布量は多いより少ないほうがいい。
また、土中の微生物を絶滅させる土壌消毒剤は絶対的に良くない。
そして土中に炭素分(有機物)がなければ微生物は繁殖できない。

これはまさに我が師匠・西出隆一さんが言っていることと同じでは?

農業において必要なのは土づくりで一番大切なのは生物性だと師匠は言う。
植物と共生する微生物を利用して、さらに高品質な野菜を栽培するのが
『儲かる!「西出式」農法』なのである。なんちて本の宣伝しちゃいました。えへへ。

エンドファイトは現在進行形の新しい技術のため
農作物・農業への応用については今後のさらなる研究が待たれるが、
現時点ですでに農薬・チッソ過多・化学肥料はいい影響を与えない
という結果が出ている。

うーん、すげーおもしろい。
今後も微生物から目が離せないぞ。
ますます勉強しなくては!!
(もうちょっと勉強してまたちゃんと書きます)


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